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仁義なきオタクの戦い

「今回のアクトのセリフヤバかった…。キラ、お前のために斬ろうって惚れてるやん…」


スマホを操作して呟きを投稿。
すぐに他の人の叫びを巡回してハートを押す。

教室でそう微笑む少女は真尋。
その隣で夢見るように宙を見つめる由花は同意するように頷いた。


「ほんとそれなぁ…。アクト仲間思いだよね。いつも無理無茶してさ、しかも普段はクールでかっこよくて…」
「わかる〜」

「由花の前だったら、きっと優しく微笑んで愛を囁いてくれるんだろぅなぁ〜!傷ついてボロボロになったところを由花が抱きしめてあげたぁい!」
「わか………は?」


ピシッ


真尋の手にしたスマホが悲鳴をあげる。
笑顔から一転、急に真顔になった彼女は冷たい声色で問いかけた。


「由花、アンタ…もしかして夢女子…?」
「え、真尋もそうじゃないのぉ?」
「ごめん、絶交しよ」
「はぁ!?」


近寄らないで、と言うように出された手を押し退けて身を乗り出す由花。
真尋はそんな彼女を睨みつけた。


「…あのさ。そもそも原作様で完結してる話に自分が介入しようなんて烏滸がましすぎるでしょ。それにヒロイン?アクトと自分が釣り合うと思ってるの?自己肯定感高すぎてウケるんですけど。その上最強能力までつけて?原作を馬鹿にしすぎでしょ。」


反吐が出ると吐き捨て軽蔑の目で見てくる真尋。
そのあまりに攻撃力の高い言葉の数々に、由花はだんだんと顔を赤くした。


「は、はぁ!?由花馬鹿になんてしてないし!」
「してる!クールなキャラが異性に愛の言葉を吐くわけないじゃん!あとさ、由花アクトが好きなんじゃなくてアクトに愛される自分が好きなんでしょ?そういうとこ透けて見えるんだけど。」

「ちが…ってか真尋って腐女子!?」


驚いたようにこちらを見る由花に舌打ちして目を逸らす真尋。
由花はわなわなと拳を震わせて口火を切った。


「ま、真尋だって!アクトとキラは恋とかそういう関係じゃない!公式の関係を捻じ曲げて馬鹿にしてるのはそっちでしょ!由花はアクトをキャラじゃなくて、一人の人間としてみてるの!そこに『いる』の!由花はアクトに相応しくなるために、メイクもおしゃれもネイルも全部頑張ってるもん!」

「捻じ曲げてるんじゃない、二人の間の余白を解釈してるだけ!由花は存在もしない、ちゃんとした設定も練られてない人間を世界へ投げ込んでるじゃん!なぜ何の実績もない、ただの『私』なんかがアクトの隣に立てると?」


火花が散る。
二人の周りの空気は氷点下に達しいまにも凍りつきそうだ。
両者の視線が混じり合い、空気が張り詰める。


「…っ絶対!アクトのこと、由花のが好きだし!由花が、アクトを幸せにするの…っ!」


そう言ってどこかへ走り出す由花。
その後ろ姿を眺めながら真尋はため息をつく。

愛するキャラは同じ、方向性が違う二人。

雑談が溢れかえる教室。
窓の外ではカラスが鳴いていた。

作者メッセージ

真尋はXのことTwitterって言ってるし
由花は同担拒否

どっちも厄介系女子よ

2026/05/23 19:45

やしろしろ
ID:≫ 6ybA8nH1Vyj8g
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夢女子腐女子喧嘩

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