不平等な_
#1
沙船
[太字]沙船[/太字]
わたしは泥棒になってしまいました
口からこぼれ落ちる葉が、黒い雨になって降り注ぐ
わたしの手は雨で染まってしまいました
自分で吐いた槍に一番柔らかい部分を刺される
わたしは罪人になってしまいました
頬をつたう水に、空気を振るわせる絶叫に、見て見ぬふりをする人たち
いくら頭を振ったって、額を土につけたって、許しはこないのです
ああ神よ、どうか愚かなわたしを救ってください
救ってください
救ってください
_石を投げつけられました
額を這う赤に、群衆は笑うばかり
何故だと問うと、口を歪ませながら野次馬は言いました
「お前は罪人だから」
わたしは許されなかったのです
罪人には許しを乞うことも、許されなかったのです
罪人にはやめろと叫ぶ事も、許されなかったのです
罪人には過ちを嘆く事すら、許されなかったのです
群衆は心のままに罪人の名を高々と叫び、糾弾します
謝罪を「仮初め」だと断定し、罪人を殴ります
わたしが殴りかかれば罪人
罪人を殴れば正義
おお神よ、哀れなわたしを救ってください
救ってください
救え
救え
罪人への暴力は甘美であり、正義であり、尊きものでしょうか
わたしからしたら、群衆の方が「罪人」なのに
どうして、どうして…
_かいぶつに問うても無駄でした
わたしは限界を迎えてしまいました
歪む視界に別れを告げて、地獄への招待状を首に巻く
わたしは気づいてしまいました
地に伏して許しを乞うのではなく、垂直の反逆者となる
わたしは、ずっと。
怒っていたのです
耳に鳴り響く群衆の歓声に、中指を突き立てました
天国への階段を焼き落とし、奈落へと身を投げます
神などはいなかった
ああ、なんて、なんて
この世は不平等なのでしょう。
終
わたしは泥棒になってしまいました
口からこぼれ落ちる葉が、黒い雨になって降り注ぐ
わたしの手は雨で染まってしまいました
自分で吐いた槍に一番柔らかい部分を刺される
わたしは罪人になってしまいました
頬をつたう水に、空気を振るわせる絶叫に、見て見ぬふりをする人たち
いくら頭を振ったって、額を土につけたって、許しはこないのです
ああ神よ、どうか愚かなわたしを救ってください
救ってください
救ってください
_石を投げつけられました
額を這う赤に、群衆は笑うばかり
何故だと問うと、口を歪ませながら野次馬は言いました
「お前は罪人だから」
わたしは許されなかったのです
罪人には許しを乞うことも、許されなかったのです
罪人にはやめろと叫ぶ事も、許されなかったのです
罪人には過ちを嘆く事すら、許されなかったのです
群衆は心のままに罪人の名を高々と叫び、糾弾します
謝罪を「仮初め」だと断定し、罪人を殴ります
わたしが殴りかかれば罪人
罪人を殴れば正義
おお神よ、哀れなわたしを救ってください
救ってください
救え
救え
罪人への暴力は甘美であり、正義であり、尊きものでしょうか
わたしからしたら、群衆の方が「罪人」なのに
どうして、どうして…
_かいぶつに問うても無駄でした
わたしは限界を迎えてしまいました
歪む視界に別れを告げて、地獄への招待状を首に巻く
わたしは気づいてしまいました
地に伏して許しを乞うのではなく、垂直の反逆者となる
わたしは、ずっと。
怒っていたのです
耳に鳴り響く群衆の歓声に、中指を突き立てました
天国への階段を焼き落とし、奈落へと身を投げます
神などはいなかった
ああ、なんて、なんて
この世は不平等なのでしょう。
終