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一部流血表現やその他不快になる描写があるかも知れません。それを承知の上読んでいただけると幸いです。
二人ぐらい入れる大きさの魔法陣が床に現れ、戦闘が終わった二人が出てきました。その光景に私は息を呑んでしまったのです。イグェーリシャと校長__アヴュリィダ様が沢山の浅い怪我と右腕を欠損するような大怪我のしたまま出てきたからです。
「ンフフ、ただいま♪」
想像していたより遥かにイグェーリシャの機嫌が良く、私は『殺されないでいいのかも』と少し安堵してしまいました。しかし、校長の体には安堵出来る要素がありません。胸も動いていないので息だってしていないでしょう。イグェーリシャが近くにいる所為で近づくことが出来ない…と思っていたら、フィレデリアは何食わぬ顔で校長の元へ歩いて行き、横抱きにしてしまいました。
「えっと…女の人、もうちょっと警戒したら?」
イグェーリシャにまで警戒心を心配されているのに、フィレデリアはポカンとした顔でイグェーリシャを見つめ返しました。
「何を言っているの。イグェーリシャ、貴方やその眷属のお腹には魔力がもう入らないのでしょう? それに、使い過ぎで疲弊もしているみたいだし」
「それは、そうね。でも、もう少し…というか、死んでるのよ!?」
「命を軽くみてる貴方にそういう事を言われたいとは思わないの。先生、行きましょうか」
そう言ってチラリと私を見て、フィレデリアは窓に向かって歩き出しました。
「待ってください、出るならドアから…修理費は自費ですよ!?」
想像通り、フィレデリアは窓ガラスを大きなオパールのついた白い杖で物理的に殴って割り、どうバランスを取っているのか分からないのですが校長を抱えたまま出て行ってしまった。
「ねぇ、セリティアだっけ? 貴女も大変ね…」
「[漢字]私[/漢字][ふりがな]わたくし[/ふりがな]はまだ状況整理が追いついていないのですが…」
「そんな貴女に良いこと教えてアゲル。」
イグェーリシャは私の耳元に近づいてきたので、思わず小さな子供にするようにしゃがんで話を聞く姿勢になってしまいました。なってしまったすぐ後に『逃げにくい危険な体勢だ』と脳が危険信号を発し始めたのですが…。
「ボクは男の子だよっ♪」
「ハァァッ!?」
「先生、ここが祠です」
そうしてついたのは、とにかく青い原色の祠で、少し目が痛い色をしていました。ここは結界の外…結界の通り抜ける術を持つ刻守りのフィレデリアとアヴュリィダ、国の重要人物だけが基本的に来られる場所のようです。
「ここで、何をするのですか? 皆目見当もつかないのですが…」
「校長先生によると、ここで【慈愛の厄災】に三日ほど預ければ良いそうです。魂は大概デコイだそうですよ」
「魂のデコイを作るとはまた奇想天外な発想ですねぇ」
「【慈愛の加護】と言って、慈愛の厄災を信仰すればするほど強まる加護のようです。新しいデコイを作るには数日かかるyいうです」
私はそんな技があることより、校長の辞書に信仰という単語があることに驚きました。しかも殆ど『不死身』となれば、かなり信仰度は高いのではないでしょうか。
「では、入りましょうか。先生、壁に手を触れて」
恐る恐る壁に手を触れると私は物凄い勢いで中に吸い込まれ、色々な方向に内臓が引っ張られるような不快感のあと、目を開けた先には原色のとにかく『青』に囲まれた空間がありました。
「いらっしゃい、お客さん。私ジェスティアを信仰する者…ではなく、アヴュリィダの魂のことですね」
【慈愛の厄災】は、ラズタルキア出身にも少ないような、髪も肌も瞳の色も白銀一色で恐ろしいほど整った顔立ちに、壁や床、天井とは真反対な強烈な黄色の巫女服を着た女性でした。私の後ろ…アヴュリィダの死体を見て納得した様子です。
「アヴュリィダは一際信仰心が強いですから、魂も他と見分けがつきやすくデコイを作る時間も大幅に少ないのですが…魂を入れる器もボロボロなので、此方で治しておかなければなりませんね」
私は正直、三日月型の口と正反対な笑っていない目でまじまじと見つめられるのが恐怖に思えます。フィレデリアも名前を呼ばれる度体を震わせているのですから、分かってくれるでしょう。
「準備が整いました。さぁ、アヴュリィダを私に」
そう言ってジェスティアはフィレデリアに向かって両腕を差し伸べた。
「あの、貴女が触れれば器が壊れます。私が運んでも?」
確かに厄災は身体中もあちらこちらから魔力が[漢字]迸[/漢字][ふりがな]ほとばし[/ふりがな]っているので、魂を入れる体が耐えられず壊れるかもしれないし、これ以上校長の体がボロボロになるという事態に陥れば生き返ることは不可能になるかもしれません。ジェスティアはフィレデリアの言葉を了承し、奥へと導いていきました。
「ンフフ、ただいま♪」
想像していたより遥かにイグェーリシャの機嫌が良く、私は『殺されないでいいのかも』と少し安堵してしまいました。しかし、校長の体には安堵出来る要素がありません。胸も動いていないので息だってしていないでしょう。イグェーリシャが近くにいる所為で近づくことが出来ない…と思っていたら、フィレデリアは何食わぬ顔で校長の元へ歩いて行き、横抱きにしてしまいました。
「えっと…女の人、もうちょっと警戒したら?」
イグェーリシャにまで警戒心を心配されているのに、フィレデリアはポカンとした顔でイグェーリシャを見つめ返しました。
「何を言っているの。イグェーリシャ、貴方やその眷属のお腹には魔力がもう入らないのでしょう? それに、使い過ぎで疲弊もしているみたいだし」
「それは、そうね。でも、もう少し…というか、死んでるのよ!?」
「命を軽くみてる貴方にそういう事を言われたいとは思わないの。先生、行きましょうか」
そう言ってチラリと私を見て、フィレデリアは窓に向かって歩き出しました。
「待ってください、出るならドアから…修理費は自費ですよ!?」
想像通り、フィレデリアは窓ガラスを大きなオパールのついた白い杖で物理的に殴って割り、どうバランスを取っているのか分からないのですが校長を抱えたまま出て行ってしまった。
「ねぇ、セリティアだっけ? 貴女も大変ね…」
「[漢字]私[/漢字][ふりがな]わたくし[/ふりがな]はまだ状況整理が追いついていないのですが…」
「そんな貴女に良いこと教えてアゲル。」
イグェーリシャは私の耳元に近づいてきたので、思わず小さな子供にするようにしゃがんで話を聞く姿勢になってしまいました。なってしまったすぐ後に『逃げにくい危険な体勢だ』と脳が危険信号を発し始めたのですが…。
「ボクは男の子だよっ♪」
「ハァァッ!?」
「先生、ここが祠です」
そうしてついたのは、とにかく青い原色の祠で、少し目が痛い色をしていました。ここは結界の外…結界の通り抜ける術を持つ刻守りのフィレデリアとアヴュリィダ、国の重要人物だけが基本的に来られる場所のようです。
「ここで、何をするのですか? 皆目見当もつかないのですが…」
「校長先生によると、ここで【慈愛の厄災】に三日ほど預ければ良いそうです。魂は大概デコイだそうですよ」
「魂のデコイを作るとはまた奇想天外な発想ですねぇ」
「【慈愛の加護】と言って、慈愛の厄災を信仰すればするほど強まる加護のようです。新しいデコイを作るには数日かかるyいうです」
私はそんな技があることより、校長の辞書に信仰という単語があることに驚きました。しかも殆ど『不死身』となれば、かなり信仰度は高いのではないでしょうか。
「では、入りましょうか。先生、壁に手を触れて」
恐る恐る壁に手を触れると私は物凄い勢いで中に吸い込まれ、色々な方向に内臓が引っ張られるような不快感のあと、目を開けた先には原色のとにかく『青』に囲まれた空間がありました。
「いらっしゃい、お客さん。私ジェスティアを信仰する者…ではなく、アヴュリィダの魂のことですね」
【慈愛の厄災】は、ラズタルキア出身にも少ないような、髪も肌も瞳の色も白銀一色で恐ろしいほど整った顔立ちに、壁や床、天井とは真反対な強烈な黄色の巫女服を着た女性でした。私の後ろ…アヴュリィダの死体を見て納得した様子です。
「アヴュリィダは一際信仰心が強いですから、魂も他と見分けがつきやすくデコイを作る時間も大幅に少ないのですが…魂を入れる器もボロボロなので、此方で治しておかなければなりませんね」
私は正直、三日月型の口と正反対な笑っていない目でまじまじと見つめられるのが恐怖に思えます。フィレデリアも名前を呼ばれる度体を震わせているのですから、分かってくれるでしょう。
「準備が整いました。さぁ、アヴュリィダを私に」
そう言ってジェスティアはフィレデリアに向かって両腕を差し伸べた。
「あの、貴女が触れれば器が壊れます。私が運んでも?」
確かに厄災は身体中もあちらこちらから魔力が[漢字]迸[/漢字][ふりがな]ほとばし[/ふりがな]っているので、魂を入れる体が耐えられず壊れるかもしれないし、これ以上校長の体がボロボロになるという事態に陥れば生き返ることは不可能になるかもしれません。ジェスティアはフィレデリアの言葉を了承し、奥へと導いていきました。