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一部流血表現やその他不快になる描写があるかも知れません。それを承知の上読んでいただけると幸いです。
「フフ、アヴュリィダ。貴女は魔力が多くて、質もいいから“厄災”のみんなのエサに丁度いいんだ」
「私は死んでもお前等のエサにはならない。それに、私は死んでも復活するぞ?」
「厄災が[漢字]一柱[/漢字][ふりがな][明朝体]ヒトリ[/明朝体][/ふりがな]【慈愛の加護】だっけ。ミゼリも過保護だよね。エルフ如きに自分の加護を三つも与えるなんて。半分の半分くらいが妥当でしょ」
「ミゼリティアを略すな。不敬…いや、お前は同等の地位なのか。本当に腹立たしい」
「私が祠まで壊しに行けば貴女も死ぬかしら?」
「そうだな。というかお前は隙だらけだと思うが」
私の魔術の鎖で捕縛されているのに、どうしてそんな口が叩けるのか。すぐ解けると考えているのか、考えなしの馬鹿なのか。
「だってこんな鎖、魔力を込めればすぐ壊れちゃうでしょ。だったらうまく使えばいいわけ。ハンデだよ、ハンデ」
「本当に腹が立つが、それなら利用させてもらう」
私は鎖を介して魔力をイグェーリシャに流し込んだ。攻撃にはならないが流れを逆流させることで不快感は与えられる。精神年齢が低いなら尚更効くであろう。
「うっ…気持ち悪ッ…」
「ハッ、壊すか? それとも、まだハンデとして残しておくのか?」
「うぅ…」
イグェーリシャが吐き出したのは吐瀉物…ではなく、青紫色の魔力の塊だった。それは形を変え、羽の生えた狼のような姿になった。塊はいくつにも分裂し、ま無限に湧いて出てくるのではないかと思わざるを得ない。
「…ンフフ、アドヴィ・ウルフ達が出てきちゃったみたい。あんまり強くないけど、戦ってみる?」
「戦って消さねば外に出てしまうだろう」
「確かにそうね。でも、この子達も貴女のように魔術を使うわ。喋らないし、知能も低いけど」
「そりゃあ厄介なこった。【切断】」
試しにブライウルフに切断の魔術を使った。淡い緑の光が走り、アドヴィ・ウルフの体を真っ二つにした__と思いきや、切断面がどろりと溶け、糊のような形状になって体を
「なら今度は【太陽】」
私が構えた杖のエメラルドの部分が淡く光り、温度を吸収するかのようにヒュッと音を立てて先端に光る球体を形作った。それは文字通り小さいけれど太陽だった。厄災の中でも大罪系統やその眷属は光に弱い。さて、効くのかどうか。
「グワアァァッ!!」
[漢字]小さき太陽[/漢字][ふりがな][明朝体]ソリティ・パルゥス[/明朝体][/ふりがな]には見向きもせず、アドヴィ・ウルフ達は呻き声をあげて襲いかかってくる。
「光よ 彼の悪き者達に 浄化と少しの安寧を」
間合いを詰められる前になんとか詠唱し終わると、私の[漢字]小さき太陽[/漢字][ふりがな][明朝体]ソリティ・パルゥス[/明朝体][/ふりがな]から無数の金の丸い弾幕が飛び出し、波紋を描いて行く。私を守る盾にも、アドヴィ・ウルフを攻撃する槍ともなるそれは、アドヴィ・ウルフの体だけでなく小さな一つ一つの刃となってイグェーリシャにも突き刺さった。イグェーリシャは鎖に縛られているので刃を抜くことは出来ないが、どう見ても傷口から流れているのは人間と同じ赤い血だ。私は思わず悪役のような笑みを見せた。それがきっとイグェーリシャを怒らせた一つの要因だ。
「ねぇ、アヴュリィダ。貴女、殺しても死なないのよね」
それが、私の聞いた最後の言葉だった。
「…せん…い…せんせ……先生、起きて!」
私を力の限り引っ叩いたフィレデリアの声と衝撃で私は目覚めた。辺りを目だけで見渡すと、ここは慈愛の祠だった。なんとかフィレデリアが私の復活を手伝ってくれたらしい。
「ありがとう、フィレデリア」
「はい、それ程です」
「フィレデリア、もう少し謙遜を…」
セリティアも一緒だった。同じように礼を言い、私達は入学式へと急いで向かったのだった。
「私は死んでもお前等のエサにはならない。それに、私は死んでも復活するぞ?」
「厄災が[漢字]一柱[/漢字][ふりがな][明朝体]ヒトリ[/明朝体][/ふりがな]【慈愛の加護】だっけ。ミゼリも過保護だよね。エルフ如きに自分の加護を三つも与えるなんて。半分の半分くらいが妥当でしょ」
「ミゼリティアを略すな。不敬…いや、お前は同等の地位なのか。本当に腹立たしい」
「私が祠まで壊しに行けば貴女も死ぬかしら?」
「そうだな。というかお前は隙だらけだと思うが」
私の魔術の鎖で捕縛されているのに、どうしてそんな口が叩けるのか。すぐ解けると考えているのか、考えなしの馬鹿なのか。
「だってこんな鎖、魔力を込めればすぐ壊れちゃうでしょ。だったらうまく使えばいいわけ。ハンデだよ、ハンデ」
「本当に腹が立つが、それなら利用させてもらう」
私は鎖を介して魔力をイグェーリシャに流し込んだ。攻撃にはならないが流れを逆流させることで不快感は与えられる。精神年齢が低いなら尚更効くであろう。
「うっ…気持ち悪ッ…」
「ハッ、壊すか? それとも、まだハンデとして残しておくのか?」
「うぅ…」
イグェーリシャが吐き出したのは吐瀉物…ではなく、青紫色の魔力の塊だった。それは形を変え、羽の生えた狼のような姿になった。塊はいくつにも分裂し、ま無限に湧いて出てくるのではないかと思わざるを得ない。
「…ンフフ、アドヴィ・ウルフ達が出てきちゃったみたい。あんまり強くないけど、戦ってみる?」
「戦って消さねば外に出てしまうだろう」
「確かにそうね。でも、この子達も貴女のように魔術を使うわ。喋らないし、知能も低いけど」
「そりゃあ厄介なこった。【切断】」
試しにブライウルフに切断の魔術を使った。淡い緑の光が走り、アドヴィ・ウルフの体を真っ二つにした__と思いきや、切断面がどろりと溶け、糊のような形状になって体を
「なら今度は【太陽】」
私が構えた杖のエメラルドの部分が淡く光り、温度を吸収するかのようにヒュッと音を立てて先端に光る球体を形作った。それは文字通り小さいけれど太陽だった。厄災の中でも大罪系統やその眷属は光に弱い。さて、効くのかどうか。
「グワアァァッ!!」
[漢字]小さき太陽[/漢字][ふりがな][明朝体]ソリティ・パルゥス[/明朝体][/ふりがな]には見向きもせず、アドヴィ・ウルフ達は呻き声をあげて襲いかかってくる。
「光よ 彼の悪き者達に 浄化と少しの安寧を」
間合いを詰められる前になんとか詠唱し終わると、私の[漢字]小さき太陽[/漢字][ふりがな][明朝体]ソリティ・パルゥス[/明朝体][/ふりがな]から無数の金の丸い弾幕が飛び出し、波紋を描いて行く。私を守る盾にも、アドヴィ・ウルフを攻撃する槍ともなるそれは、アドヴィ・ウルフの体だけでなく小さな一つ一つの刃となってイグェーリシャにも突き刺さった。イグェーリシャは鎖に縛られているので刃を抜くことは出来ないが、どう見ても傷口から流れているのは人間と同じ赤い血だ。私は思わず悪役のような笑みを見せた。それがきっとイグェーリシャを怒らせた一つの要因だ。
「ねぇ、アヴュリィダ。貴女、殺しても死なないのよね」
それが、私の聞いた最後の言葉だった。
「…せん…い…せんせ……先生、起きて!」
私を力の限り引っ叩いたフィレデリアの声と衝撃で私は目覚めた。辺りを目だけで見渡すと、ここは慈愛の祠だった。なんとかフィレデリアが私の復活を手伝ってくれたらしい。
「ありがとう、フィレデリア」
「はい、それ程です」
「フィレデリア、もう少し謙遜を…」
セリティアも一緒だった。同じように礼を言い、私達は入学式へと急いで向かったのだった。