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それは魔術の煌めき

#6

学院へ行くために(前編)

「ジュリエナ、祠はどうだった?」
「お姉ちゃん、すごく痛かったんだよ? 私をなんだと思ってるのよ…」
「まぁとにかく、成長は無事できたみたいね。12歳まで引き上げたけれど、学院へは飛び級入学するわ」

 飛び級入学ということは同じ学年でも年齢差ができるし、何より勉強についていけるのだろうか。

「今、勉強のついていけるのかな…って思ったでしょう? 大丈夫、私の特訓があるから。それに、学院の入試を受ける受験生用の寮なんてのもあるから。あと、私はジュリエナの姉枠で入学するから」
「えっ、お姉ちゃんが本当にお姉ちゃんになるの!?」
「まぁ、そんなところね。まず見た目を変える変化の魔術から教えるから、私と同じような見た目にしておきなさい。ラズタルキア出身ってことにするから」

 そうしてフィレデリアの魔術特訓が始まった。ヒュリニオンにある学院受験生寮に向かい、着いてからも、時に徹夜で、時にサボり、フィレデリアのペースに振り回されながら、それでも私は少しずつ魔術を取得することに成功していった。私はリズリア、フィレデリアはグレニアと名前を変え、三週間後の入試直前となった日__

「ジュリエナ、心の準備は?」
「全然。筆記と面接だけとは言え、やっぱり優秀な子がいるんだろうし、飛び級入学のテストなんて…」
「いいや、ルドゥイの特訓を受けたんだから行けるって!」

 珍しくヴィルディの励ましも受け、今日だけフィレデリアと同じ布団で寝てもらい、明日の入試に臨んだ。

「リズリアさんは五番ですから、この席ですね。」

 学院の女性に席を案内してもらい、フィレデリアの学院で使ったらしいノートを机に広げる。

「ねぇねぇ、ちょっと…聞いてる?」

 横がうるさいなと思ったら、私が話しかけられていたらしい。嫌そうな表情を作って横を見ると、変顔をした少女がいた。それがとにかく面白くて…。

「ブフッ…な、何なの!?」
「へへっ、笑った笑った〜」

 真っ黒なショートヘアを揺らして少女は笑う。

「私はイディシア。あなたも飛び級入学なら、何回生まで飛び級するの?」
「三回生まで飛び級するの。あ、私はリズリアね」
「リズリアかぁ。髪の色も名前も、ラズタルキアっぽいよね。ラズタルキア出身?」
「そうね…って、もうすぐ試験始まるわよ」

 そんなこんなで試験は始まり、少し時間が余った私は考え事をしていた。
 黒い髪に赤い目ということは、イディシアは西方の出身。名前に「イ」の音を多用するのはロイゼンベルグ。でも、ロイゼンベルグは北国の名前だ。ロイゼンベルグと西方の国々は冷戦状態なため、考えにくい。だとすれば、人の少ない東の果てか。…いや、深追いするのはやめておこう。

「試験終了!」

 試験管の鋭い声でハッと我に返った。用紙が回収され、休憩時間が告げられる。

「リズリア、どうだった? 私、結構自信あるよ。でも次は薬学かぁ。あんまり自信ないなぁ」

 試験が終わった瞬間、激しい勢いでイディシアが話しかけてきた。というか次は薬学ではなく生物学だし、今の試験はかなりみんな悩んでいたしでツッコミどころが多い。どこから指摘したものか。

「リズリア、リズリア………あのね、リズリア……。それでね、リズリア…」
「うるさいわよ!!」

 思わず怒鳴ってしまった。休憩時間でリズリア、リズリア、リズリアと鬱陶しいほど名前を呼ばれ、心の底からうんざりとしているのだ。

「えーっ、もっとお話ししようよ…私、退屈なの!」
「私は忙しいの! 大体、なんでそんなに余裕なの?」
「そんなに難しい問題じゃないし、必死になって勉強しなくても何とかなるでしょ?」
「何とかならないのよ。今まで積み重ねもクソもない普通の暮らしをしていたから、いちいち覚えるのも大変なの。」
「もっと早めに対策しておかなきゃ。三年前からは準備しないと、合格しても授業についていけないんじゃない?」
「私は三年分も詰め込まれていたの? ここ一ヶ月で…」
「一ヶ月で入試を受けられるまでの学力になったの!?」
「師匠が凄いというか、何というか…」
「凄すぎるね。あなたの師匠…私もそんな師匠が欲しかったぁ」
「あなただってここに通えるぐらいのお金があるんだから、家庭教師ぐらい雇えるんじゃないの?」
「ううん。私は援助金で通うからお金はないの。その代わり五年前から独学で勉強していたのよ」

 この子の年齢は十一歳くらいに見えるので、六歳から勉強していたことになる。「えっ、何それ凄…」と言いかけた時、チャイムがなって最後の試験が始まった


「どう? リズリア、名前リストに合った?」

 学院の合否は複雑な魔術を使うことで試験直後に算出できるそうだ。私の名前は…あっ、合った! 五番リズリア、合格…。思わず涙が溢れた。入りたくて入るわけじゃないけれど、今までの詰め込み教育がやっと報われた気分になった。

「あっ、あった!六番イディシア…って、リズリア大丈夫? まだ面接もあるし、今嬉し涙を流すとフラグが…」
「今ぐらい泣かせておいてよ!」

 ちなみにフィレデリアは首席で合格したらしい。やっぱり一度受けたことがあるのは大きいようだ。その日はフィレデリアとヴィルディ、イディシアも一応誘って、寮の部屋で祝勝会を開いた。

作者メッセージ

セリフで文字稼ぎ♪楽しいなあぁぁぁ!!
2000文字が苦痛と感じなくなってきた今日このごろ(あれ?初めの頃の2500文字はどこへ?)

2026/02/15 21:10

眠屋 叶
ID:≫ 11GsR4EM2gvPY
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暴力表現魔術ハイファンタジー

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