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多少暴力表現があるかも知れません。あと、なろう要素があるかも(チート系などなるべく入れないようにしていますが)。
追記:BL・GLも書くかもしれません…
今日はファルスティア王女殿下の戴冠式。国王が王女に座を譲ると宣言し、即座に行われることになった。
「これより、戴冠式を行う!」
拡声魔導術を使ったダイア公爵の声が式場に響き渡り、魔力の音波が高い天井に吊らされたシャンデリアを揺らす。大きな扉から出てきた国王と王女が最前列に並び、後に貴族がくらいの高い順で並んで。一応男爵令嬢の片っ端である私も、晴れ着を着てついていく。
「にしても、豪華よねぇ…」
「式典の間は話さない様にと…いえ、無駄でしたね」
煌びやかというより、もはやゴテゴテ装飾である。景色が[漢字]毳毳[/漢字][ふりがな]けばけば[/ふりがな]しいし、目に悪い。あちこちにあるシャンデリアの光を宝石が360度に向けて反射し、それをまた反射し…。
「目が痛いのよ。どうにかならないかしら」
「確かに、目が痛くなりますわよね。わたくしもどうにかしたいと思うのですが…」
そうでしょう、分かりますよねと言いかけた時、ふと気がついた。あれ、レイズじゃない。髪色や瞳の色は違うけれど、輪郭や目鼻・口の配置が…。
「ファルスティアさ…ムグッ」
「もう少し小さな声で話してくださらないと、影役を使っているのがお父様に勘付かれてしまうではありませんか。」
「随分勇気ある行動ですね、王女殿下…」
王女相手に説教ムードを醸し出すレイズに、背中がヒヤリとする。王女は楽しそうに笑った。
「貴方、レイズと言ったかしら。私にも執事が欲しいと思っていたのだけれど、貴方のような執事がいれば人選に困らないのですが…」
「王女殿下のお眼鏡に適い、光栄です。ですが、私の主はベライダ様ですので」
「それは残念です。没落気味な男爵家の令嬢に仕えさせているのは惜しいのだけれど」
マズイ、このままだとファルスティアにレイズを引き抜かれる。デライドにも叱られる。権力で黙らせられる前に言葉で言い包めなければ。
「ファルスティア様。…えっ?」
レイズがファルスティアに話しかけた瞬間、国王の被っていた冠と頭が弾け飛んだ。これからファルスティアに継承されるはずだった金の冠が。一瞬の沈黙の後、民衆は大パニックを起こした。
「キャアァァ!!一体何なの!?」
「国王様がぁぁっ…!」
ファルスティアは顔を真っ青にしてフラリと地面に倒れ込んだ。レイズは「魔導術での暗殺…」と静かに、まるで何かを分析している様な冷たい顔で考え込んでいた。それをフリとも知らず私はレイズに向かって叫んだ。
「レイズ、国王は…ライディト様は、死ん…っ!?」
「大丈夫ですよ。王の座はファルスティア様に譲られるのですから」
「大丈夫なんかじゃ…レイズ…!」
『人の死』という恐怖と吐き気の催す光景から逃げる様に、私はレイズに縋りついた。
「これより、戴冠式を行う!」
拡声魔導術を使ったダイア公爵の声が式場に響き渡り、魔力の音波が高い天井に吊らされたシャンデリアを揺らす。大きな扉から出てきた国王と王女が最前列に並び、後に貴族がくらいの高い順で並んで。一応男爵令嬢の片っ端である私も、晴れ着を着てついていく。
「にしても、豪華よねぇ…」
「式典の間は話さない様にと…いえ、無駄でしたね」
煌びやかというより、もはやゴテゴテ装飾である。景色が[漢字]毳毳[/漢字][ふりがな]けばけば[/ふりがな]しいし、目に悪い。あちこちにあるシャンデリアの光を宝石が360度に向けて反射し、それをまた反射し…。
「目が痛いのよ。どうにかならないかしら」
「確かに、目が痛くなりますわよね。わたくしもどうにかしたいと思うのですが…」
そうでしょう、分かりますよねと言いかけた時、ふと気がついた。あれ、レイズじゃない。髪色や瞳の色は違うけれど、輪郭や目鼻・口の配置が…。
「ファルスティアさ…ムグッ」
「もう少し小さな声で話してくださらないと、影役を使っているのがお父様に勘付かれてしまうではありませんか。」
「随分勇気ある行動ですね、王女殿下…」
王女相手に説教ムードを醸し出すレイズに、背中がヒヤリとする。王女は楽しそうに笑った。
「貴方、レイズと言ったかしら。私にも執事が欲しいと思っていたのだけれど、貴方のような執事がいれば人選に困らないのですが…」
「王女殿下のお眼鏡に適い、光栄です。ですが、私の主はベライダ様ですので」
「それは残念です。没落気味な男爵家の令嬢に仕えさせているのは惜しいのだけれど」
マズイ、このままだとファルスティアにレイズを引き抜かれる。デライドにも叱られる。権力で黙らせられる前に言葉で言い包めなければ。
「ファルスティア様。…えっ?」
レイズがファルスティアに話しかけた瞬間、国王の被っていた冠と頭が弾け飛んだ。これからファルスティアに継承されるはずだった金の冠が。一瞬の沈黙の後、民衆は大パニックを起こした。
「キャアァァ!!一体何なの!?」
「国王様がぁぁっ…!」
ファルスティアは顔を真っ青にしてフラリと地面に倒れ込んだ。レイズは「魔導術での暗殺…」と静かに、まるで何かを分析している様な冷たい顔で考え込んでいた。それをフリとも知らず私はレイズに向かって叫んだ。
「レイズ、国王は…ライディト様は、死ん…っ!?」
「大丈夫ですよ。王の座はファルスティア様に譲られるのですから」
「大丈夫なんかじゃ…レイズ…!」
『人の死』という恐怖と吐き気の催す光景から逃げる様に、私はレイズに縋りついた。