それは魔術の煌めき
この世界は『魔術の源水』で保たれていた。枯渇することを考えられず、対策も碌にしてこなかったからこそ人類には報いが降りかかったのだろう。源水は三千年ほどで枯渇し、源水によって照らされていた世界は闇へ飲み込まれ、昼の来ない世界となった。そんな醜い世界を救ったのが私の師匠、フュレイヴだった。命を賭して張った結界はまた世界を照らした。しかしそれはルテイフィラスという国の『魔力の根幹』の魔力を吸い取って維持していて、他国の『魔力の根幹』を奪って帝国を築いていたルテイフィラスにフュレイヴは褒め称えられるどころか蔑まれていた。だが私は師匠の結界を守らなくてはならない。帝国が他国を吸収しないため。母国を守るため。そしてこれは、フュレイヴに託された使命だから。たとえ私に受け継がれたそれが、少しずつ五感を蝕む呪いのようなものであっても。