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さいきょう皇帝様は家族を知らない

#32

大切な人

エンペラーが来た。ライダーが助かった。
それがとても嬉しかった。
戦ってもいい。あの男をボコボコにしたっていい。
それがとても楽しかった。
「そ、ソレイユ………!?」
あの男の驚く顔が愉快でたまらない。
ぽかんと口を開ける従者共も面白い。
「おいおい、従者ども。
皇帝が戦ってるのにお前らは見物か?」
「………ふふっ。流石ですね。陛下。」
プランが笑う。それに合わせてレインもラムネも笑い出す。
「なっ……!?なぜっ……。」
「ボクらの主君はお嬢様以外におりませんゆえ。」
「それはそうだな。」
「ソレイユはワタシたちの最高の主君だよ。」
彼らはそう言うとあの男に銃を向けた。
それはボスへの反抗と捉えられるが、彼らの主君は私。
ただただ主君のもとに戻ってきただけ。
ただ、それだけ。
「さぁ、私のもんに手ぇ出して、無事で帰れると思ってんなよ?」
「オレ達から逃げられると思ったら大間違いだな。」
「ワタシ、失墜神話は意外と好きだよ?」
「見せてください。最高の失墜を。」
私達は、インペリアルチーム。
けれども昔はそんな名前じゃなかった。
皇帝を、最強の人々をその地位から落とそうと企む者たち。
「「「「私/オレ/ボク/ワタシたちは!!!!
[大文字]【[太字]サーペントチーム[/太字]】[/大文字]だ!!!!」
毒蛇の加護を受けた者たちのことを、この地域ではサーペントと呼ぶ。
毒蛇の毒によって最強の玉座に座りし者たちを引きずり下ろすチームになりたい。
[漢字]お兄ちゃんたち[/漢字][ふりがな]シャインチーム[/ふりがな]とは違う道を。
光の道ではなく闇の道を。
楽しみだけでなく強さを。
「見てろよ?これが私達の答えだ!!!」
銃をしっかりと握り、跳ぶ。
絶対、仕留める。
ライダーのために。エンペラーのために。
助けに来てくれた、みんなのために!!!!
「くっ……!!!」
あいつは流石の運動神経で避けるが、私がそれを見逃すはずはない。
ラムネに合図し、銃弾をあの男の足元に向けて放たさせる。
しかしやはり職業とは恐ろしいものだ。
ものすごい勢いで撃たれる銃弾に一つもあたりはしない。
レインやプランに援護させるにもリッターモデルとじゃあ射程が違いすぎる。
かといって銃で仕留めるにも、近くまで寄ればピストルで撃たれるのが目に見えている。
あっちだって馬鹿ではない。
反撃の機会を狙っている以外に可能性はなかった。
「これしかないか……。」
そうして私はポケットの中に眠る悪魔の武器へと手を伸ばした。
―これは、、、使えば最後、人を殺しかねません。
貴方様に罪を犯してはもらいたくないのですが。―
プランの言葉が蘇る。
この武器の危険性はたしかに高い。
けれど、この武器を使わずして場を収められるかと言えば、答えは否。
覚悟を決め、固く重たい武器を掴む。
「お嬢様!!」
プランの叫び声。それでも私は止まらない。
止まりたくない。止められない。
これを持ってしまったからにはおしまいなのだ。
漆黒の棒を一回だけ振る。
ガチャン。ガシャン。ガッチャン。
という部品同士が合体する音とともに武器が形作られていく。
それは、私が直々にプランに頼んで作ってもらった武器。その名も

[大文字][大文字][大文字][大文字]ダイナモローラー実用化バージョン 
[中央寄せ][漢字]悪魔[/漢字][ふりがな]サタン[/ふりがな][/中央寄せ][/大文字][/大文字][/大文字][/大文字]

重苦しい風体にところどころはみ出る導線。
ショートしかねないほどバチバチと音を立てている。
ダイナモローラーの実用化バージョン。
それは、ローラーの押しつぶす力に加えて電流を使ったもの。
相手を押しつぶすと同時にローラー部分から高電圧を発し、気絶……或いは感電死させるもの。
普通のダイナモローラーの数十倍の重さがあるので潰されただけでも死に至る確率は高い。
けれど、それでも生き残るしぶといやつ……又の名をあの男……のためにつけた高電圧装置は、最後までプランに猛反対された。レインにも、ラムネにも。
ライダーとエンペラーもきっと、言っていたら同じ反応をしただろう。
けれど、私はもう決めていた。
こいつには、何度死んでもらっても気がすまない。
お兄ちゃんたちはどれだけの間苦しんだのだろう。
痛かったろう。苦しかったろう。
これで恨みが消えるわけじゃないけれど、これぐらいはやってもらわなければ!!
「覚悟しろ!!」
勢いよくローラーを振り下ろした、その時。
「だめだ!!ソレイユ!!!」
「やめとけ!!!」
ガキン。
ダイナモローラーとダイナモローラーが重なった。
「らい、だー……?エンペラー?」
そこには、重症だったはずの褐色肌のボーイと、彼を救出し逃げたはずの王がいた。
「なん、で、ここに?」
「それを聞かれるのは今日二度目だな。」
エンペラーが笑って言う。
ライダーも、笑う。
いつの間にか怪我は消え、顔にも赤みが戻ってきている。
「なぜ……。殺すまで痛めつけたはずじゃぁ……。」
「バーカ。プランがそこまでするかよ。
ちゃんと即時治癒の薬持ってきてくれたぜ。」
あの男の問にライダーは笑いながらそう返す。
即時治癒の薬。
それは、ゲームの世界のポーションのような魔法の薬。
大ナワバリバトルの時代、イカ陣営で重宝された魔法の秘薬。
戦争で悪用されないため、その製造方法は秘密として地下深くに隠された。
……それをもうプランが見つけて使える段階までにしたとは。
「ほら、ソレイユ。手を離せ。」
ライダーが私の手からローラーを離させようとする。
「なんで、なんで邪魔すんの?」
「お前にもう、苦しんでほしくねぇんだよ!!」
私が掴みかかるようにライダーに言うと、ライダーは私より早く私の胸ぐらをつかんで叫ぶ。
「お前は何も悪くねぇ!!!
もういいんだよ。もう、帰ってこいよ。
こいつのせいで、何もかも我慢する必要ねぇって……。」
いきなりぎゅうっと抱きしめられ、ダイナモローラーが手から滑り落ちる。
あっと言う間もなくダイナモローラーはエンペラーの手に渡る。
「こんなに危ないものを作ってたのか。
後で説教だな……。」
エンペラーが恐ろしいことを言っていたが、私の耳に入れないことにした。
怒られるのは確定なんだろうけど。
「……でも、お兄ちゃんたちは「お前の兄たちは、そんなことをお前に頼むような奴らか?」
イエローグリーンの瞳がこちらを覗く。
「そん、なんじゃない。」
「だろ?だったらそんな事する必要ねぇじゃんか。」
ライダーの声が耳に染み渡る。
その声に私は安心したのか膝から崩れ落ちる。
「おーっと?寝ようか?」
「寝ろ寝ろ。オレたちが運ぶから。」
でも、お兄ちゃんたちの仇をと言う前に、私の意識は消えていった。



[水平線]



「さぁ、決着つけようか?」
「オレらのソレイユに手ぇ出して、生きて帰れると思うなよ?」
ちゃきりと音がして二人が銃をボスに向ける。
従者三人の目にも止まらぬスピードで死なぬ程度に痛めつけると、ソレイユを担ぎ、その場を後にした。
「……殺しはしねぇけどな。」
「さっさと帰ってご飯でも食べるか〜。」
「何希望?」
「……かれー。」
「了解。」
その声は普段より上ずっていて、足取りもいくらか軽かった。

作者メッセージ

はい!!ライダー復活が雑ですいません!!
え〜。もうすぐ閲覧が50いきそうでひっくり返っております、主です。
次回!!!最終回にしようかなと思っています!!
ぜひお楽しみに!!
他の小説も読んでってね!!
では!!See you again!

2024/10/17 20:46

ミコト
ID:≫ 8t/IaoonNB37w
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