手を伸ばしたって
必死に戦ったって
悲しみのまま叫んだって
戻ってくることはない。
拒絶されて
受け入れられて
また失って?
私はどこにいればいいの。
怖いわけじゃない。
辛いわけじゃない。
寂しいわけじゃない。
「そうじゃない。」
なんて言って、今日も私は生きている。
[水平線]
いつの間にか、暗闇にいる。
自分が目を瞑っているだけだと気づくのには少し時間がかかった。
「お前はのろまだな。」
あの野郎の言葉が聞こえる。
「兄姉を見習ったらどうだ?」
「まだ泳げもしないのか?」
泳げないのはただのインクリングの問題であり、私の問題ではないんだよ!!!
「なぜこんなことで泣く?
痛みぐらいこらえてみせよ。」
痛覚がある時点で痛みを感じないのは無理!
痛みを感じたら泣くでしょうが!!
じゃああんたは泣かないのかよオラ!!
なんて心のなかで文句を言いながら、目を開くことを断固拒否する。
いやさ、夢だと思うよ?思いたいよ?
現実だったらほんっとに嫌になると思う。
こういうときにあの二人がいないのは十分きつい。
「この、出来損ないが!!」
幼いときから言われ続けたその言葉。
殺し屋には向かない弱い体。
詐欺師に向かないコミュ力の無さ。
かといって指示役になるほどのカリスマ性もなく、
サイバー関係などさっぱりわからん。
お人好しで困ってるやつを放っておけず、曲がったことが嫌い。
自分で言うのもなんだが、最も犯罪者に向かぬイカだと思う。
「知ってるよ。んなの……。」
自分がいる意味を否定されたのはこれが初めてではない。
幼い時は、上記の体の弱さを克服するために、水に落とされウエイトトレーニングやらマラソンやらをやらされたのは思い出したくない。
「わかってるからだよ……。私はお兄ちゃんたちとは違うから……。」
恐る恐る目を開ける。
そこには、実家の縁側から腕を組み、私を見下ろすあいつがいた。
シャインも、リュミエールも、ライトも、スパークも、みんな。
若と呼ばれ、将来を期待される犯罪者の卵だった。
父にも、私を産んだすぐ後に亡くなった母にも、一族皆に可愛がられて育っていた。
「努力してたつもりだよ。
あんたに愛されたくて、お兄ちゃんと並べてほしくて、
特別扱いされたくて!!!!」
みんなをあんたが殺したって、私はあんたに褒められたかった。
信じてたんだ。いつかきっと、あんたが私を愛してくれるって……。
「信じてたんだよ……。」
愛されたかった。だから頑張った。
今の強さだって、愛されたくて手に入れた。
自分を偽って、一人称も、フクの好みも、好きな食べ物も、バトルの仕方も、
全て愛されるために偽った。
自分 ―私―
黒色が好き ―青色のほうが好き―
何でも食べれる ―辛いのは嫌い―
キル最優先 ―もっと仲間と話したい―
何年もたてば、どっちが私かわからなくなる。
私は自分で、自分は私?
「失敗作でごめんなさい。
……もっと優秀だったら、あんたは愛してくれたかな。」
喉が絞まるような声といっしょに、自分の身体が幼くなっていくような感覚に陥る。
背の丈が小さくなっていくような、足と胴体の位置が近くなっているような。
ふと手を見れば、それは幼少期の触腕となっていた。
「家族のあったかさが欲しかった。それさえも我儘だって言うの?」
兄姉は確かに家族だった。
でも、私が欲しかった家族は、そうじゃなくて。
親の、両親の、あたたかさが欲しかった。
だから今、愛に対してこんなに貪欲になっているんだろう。
父の愛を、一族の愛を欲しているのに、
それと同時に二人の愛をも望む。
「怖いんだよ。二人を失うのが、もう嫌なんだよ。
大切な人を失いたくないんだよ!」
兄姉以外にいた、私を望んでくれるイカ。
私を大切にしてくれるイカ。
本心を言えば、もう離れたくなかった。
一生側にいたかった。でも、無理だった。
「間違いだらけだよね。」
私が生きてることも、ここにいることも。
私の記憶が世界中から消えてしまえばいいのに。
そしたら、みんな幸せになれるのに。
「次逆らったら、わかっているな?」
重い一言。
それは、どんな手を使ってでも潰すという意思が詰め込まれている。
私は、野生の勘で膝をつく。
「御意。」
静かに言う。また、きつく目をつむる。
夢なのに、夢であるはずなのに。
こんなに胸が苦しいのはなぜだろう。
不意に力が抜けて、私の意識はスーパージャンプした。
[水平線]
重い瞳を開く。
そこは会場の控室。
玉座の上でうたた寝をしてしまっていたのか。
うーんと一つ伸びをして、ため息を付く。
あまり良い夢ではなかった。
できれば見たくない夢だった。
ぽろりと涙が頬を伝う。
「[小文字]私がいなくなれば……。[/小文字]」
全部解決するのにな。
絞り出すように言ったその小さい一言は壁に吸い込まれて消えていく。
必死に戦ったって
悲しみのまま叫んだって
戻ってくることはない。
拒絶されて
受け入れられて
また失って?
私はどこにいればいいの。
怖いわけじゃない。
辛いわけじゃない。
寂しいわけじゃない。
「そうじゃない。」
なんて言って、今日も私は生きている。
[水平線]
いつの間にか、暗闇にいる。
自分が目を瞑っているだけだと気づくのには少し時間がかかった。
「お前はのろまだな。」
あの野郎の言葉が聞こえる。
「兄姉を見習ったらどうだ?」
「まだ泳げもしないのか?」
泳げないのはただのインクリングの問題であり、私の問題ではないんだよ!!!
「なぜこんなことで泣く?
痛みぐらいこらえてみせよ。」
痛覚がある時点で痛みを感じないのは無理!
痛みを感じたら泣くでしょうが!!
じゃああんたは泣かないのかよオラ!!
なんて心のなかで文句を言いながら、目を開くことを断固拒否する。
いやさ、夢だと思うよ?思いたいよ?
現実だったらほんっとに嫌になると思う。
こういうときにあの二人がいないのは十分きつい。
「この、出来損ないが!!」
幼いときから言われ続けたその言葉。
殺し屋には向かない弱い体。
詐欺師に向かないコミュ力の無さ。
かといって指示役になるほどのカリスマ性もなく、
サイバー関係などさっぱりわからん。
お人好しで困ってるやつを放っておけず、曲がったことが嫌い。
自分で言うのもなんだが、最も犯罪者に向かぬイカだと思う。
「知ってるよ。んなの……。」
自分がいる意味を否定されたのはこれが初めてではない。
幼い時は、上記の体の弱さを克服するために、水に落とされウエイトトレーニングやらマラソンやらをやらされたのは思い出したくない。
「わかってるからだよ……。私はお兄ちゃんたちとは違うから……。」
恐る恐る目を開ける。
そこには、実家の縁側から腕を組み、私を見下ろすあいつがいた。
シャインも、リュミエールも、ライトも、スパークも、みんな。
若と呼ばれ、将来を期待される犯罪者の卵だった。
父にも、私を産んだすぐ後に亡くなった母にも、一族皆に可愛がられて育っていた。
「努力してたつもりだよ。
あんたに愛されたくて、お兄ちゃんと並べてほしくて、
特別扱いされたくて!!!!」
みんなをあんたが殺したって、私はあんたに褒められたかった。
信じてたんだ。いつかきっと、あんたが私を愛してくれるって……。
「信じてたんだよ……。」
愛されたかった。だから頑張った。
今の強さだって、愛されたくて手に入れた。
自分を偽って、一人称も、フクの好みも、好きな食べ物も、バトルの仕方も、
全て愛されるために偽った。
自分 ―私―
黒色が好き ―青色のほうが好き―
何でも食べれる ―辛いのは嫌い―
キル最優先 ―もっと仲間と話したい―
何年もたてば、どっちが私かわからなくなる。
私は自分で、自分は私?
「失敗作でごめんなさい。
……もっと優秀だったら、あんたは愛してくれたかな。」
喉が絞まるような声といっしょに、自分の身体が幼くなっていくような感覚に陥る。
背の丈が小さくなっていくような、足と胴体の位置が近くなっているような。
ふと手を見れば、それは幼少期の触腕となっていた。
「家族のあったかさが欲しかった。それさえも我儘だって言うの?」
兄姉は確かに家族だった。
でも、私が欲しかった家族は、そうじゃなくて。
親の、両親の、あたたかさが欲しかった。
だから今、愛に対してこんなに貪欲になっているんだろう。
父の愛を、一族の愛を欲しているのに、
それと同時に二人の愛をも望む。
「怖いんだよ。二人を失うのが、もう嫌なんだよ。
大切な人を失いたくないんだよ!」
兄姉以外にいた、私を望んでくれるイカ。
私を大切にしてくれるイカ。
本心を言えば、もう離れたくなかった。
一生側にいたかった。でも、無理だった。
「間違いだらけだよね。」
私が生きてることも、ここにいることも。
私の記憶が世界中から消えてしまえばいいのに。
そしたら、みんな幸せになれるのに。
「次逆らったら、わかっているな?」
重い一言。
それは、どんな手を使ってでも潰すという意思が詰め込まれている。
私は、野生の勘で膝をつく。
「御意。」
静かに言う。また、きつく目をつむる。
夢なのに、夢であるはずなのに。
こんなに胸が苦しいのはなぜだろう。
不意に力が抜けて、私の意識はスーパージャンプした。
[水平線]
重い瞳を開く。
そこは会場の控室。
玉座の上でうたた寝をしてしまっていたのか。
うーんと一つ伸びをして、ため息を付く。
あまり良い夢ではなかった。
できれば見たくない夢だった。
ぽろりと涙が頬を伝う。
「[小文字]私がいなくなれば……。[/小文字]」
全部解決するのにな。
絞り出すように言ったその小さい一言は壁に吸い込まれて消えていく。
- 1.Prologue
- 2.マイペースキングは、今日も今日とてマイペース
- 3.弁当をちゃんと食え!!
- 4.新しい家
- 5.not本編 インペリアル&登場人物の紹介!
- 6.体調不良表現あり、ご注意!! NightとKing
- 7.サーモンランと、ライダーの憂鬱
- 8.濁る瞳
- 9.太陽
- 10.殺し屋の子
- 11.皇帝のチームのチームメイト
- 12.オレら5人で、最強チーム!?
- 13.初バトル
- 14.さいきょう皇帝様は親に頭が上がらない?
- 15.愛されたかった
- 16.二戦目 シンペラーチーム戦!?
- 17.オレ等の宣戦布告
- 18.あなた達が従うべきは
- 19.バトルロワイヤル・イヴ
- 20.バトロワ開始!?即三人戦!?
- 21.新たな皇帝と闇社会の子
- 22.キミを助けるために
- 23.番外編(?)曲パロ
- 24.戦い、開始。 皆の心
- 25.戦いのスタート地点
- 26.最強皇帝の従者たち
- 27.愚王と愚民、そして愚帝【前編】
- 28.愚王と愚民、そして愚帝【後編】
- 29.処刑の日
- 30.スプラマニューバーの帝王
- 31.みんなで帰ろう
- 32.大切な人
- 33.最終回 君に伝えたい