ガタリ。
大きな音をわざとたて、玉座に座る。
あんまりやわらかくない。
私はライダーが持ってきた一人用ソファのほうが好きだ。
「陛下。いかがいたしましょう?」
「大会の開始を宣言しろ。そしてチームの一覧表を。」
はっと威勢よく頭を下げ、誰かさんは去っていく。
誰かもわからない、父の用意した部下。
私は彼らに興味がない。
私が興味あるのはあの二人と私のチームだけ。
「こちらがチームの一覧表でございます。」
「……そうか。」
思っていたよりは分厚くない書類。
それでも総参加チーム数は100.予選突破、及びシードチームが20チーム。
強豪チームの中でも、グローブチームやブルーチームは予選を軽々突破してきている。
S4、シンペラー、Xブラッドは私が呼んだシード。
そして、シードには、私を欠いた最強のインペリアルチームもいた。
「陛下。開会のご宣言を。」
「わかった。」
[太字]インペリアルチーム
チームメンバー
レイン、ラムネ、ナイト、カイザー
インクカラー
ロイヤルブルー[/太字]
その字だけ、私には踊っているように見えていた。
「皆の者。よくぞ集まった。」
私は玉座から立ち上がり、音楽堂にいるであろう観客に声を掛ける。
[水平線]
「こんなに少ないのか。」
ちょっと離れた場所にある人混みを見て、エンペラーが小さく声を上げる。
確かに、もう少し多いかと思っていたが、この場に集まったチームは20ほどだ。(観客は多いけど)
倍くらいはいるかと思っていた。
「まぁ、うちのチームはシードだからな。」
「シード?」
オレのつぶやきに、ラムネが1枚の手紙らしきものを出して教えてくれる。
「ワタシ達のチームは招待状をもらってるの。
その招待状に書いてあったけど、4チームがそうだよ。
他は予選で選ばれた奴ららしいね。」
シードで招待状か。なんか普通の大会と一味違うな。
ってかいつ予選やったんだよ。
……いや、オレたちが寝てる内か。
「ボクの予想通りなら、開会式にインペリアルが出てくるはずなんですが。」
「とりあえず、カイザー、ナイト、バトル中はあんまり喋るな。」
「声がバレてもいいことないからね。」
三人に釘をさされ、オレたちは頷く。
そんなことをしていると、あの人混みがわっと湧いた。
「皆様ようこそ!ワタクシは皇帝陛下の側近、ミニスと申します。
各地で話題の方々と、予選を勝ち抜いた方々。街を守れるように頑張ってくださいませ。」
よく通る声が会場を見渡すように響き渡る。
「めちゃくちゃ上から目線だな……。」
「昔のお前もそうだったよ。もうちょい威圧感あったけどな。」
おまいう発言にきちんと突っ込んでから、ミニスの顔を見る。
スーツとモノクル。まるで執事だ。
インクカラーはブラック。年齢不詳。威圧感はないが、食えない怪しさがある。
「油断すんなよ、え……カイザー。」
「わかっている。お前こそだぞ。ら……あ、いや。ナイト。」
お互い慣れぬ名には苦労をする。
黒尽くめのエンペラー。というのは見たことがなさすぎるので違和感があるが、ソレは相手も同じと半分開き直って、目の前を睨む。
各チームが見える。
グローブ、S4、シンペラー、Xブラッド。
強豪が集っている。そしてブルーチーム。
やっぱりいたか。
「さぁ。皆様。皇帝陛下の御言葉にございます。」
そんなに大げさに言うことじゃねぇのにな。
あいつは普通のイカだぞ?ただの努力家の。
そんなことを思っていると、いきなり音楽堂のステージを覆っていた幕が吹き飛ぶ。
何だ何だ。人々が騒ぎ出し、背伸びをしてステージを見ようとする。
「……!!」
「皆の者。よくぞ集まった。
ここに集まりし者は強さも楽しさも知っている。
そんな者たちばかりであろう。」
少し低めた声。
目はオレたちの方を向くことなく、観客に向かって厳しい視線を送り続ける。
「ならば我をも楽しませてみせよ。
我を相手に楽しんでみせよ。」
「いいよー!」
呑気な声。あ〜。ゴーグル、今言うべきときじゃないぞ、それ。
いや、言うのはいいんだけれども!
時と場ってのがあってだな。
突っ込みたくなるのを必死に抑え、あいつを睨みつける。
あいつはオレから意図的に視線をそらす。
「……ここに、大会の開始を宣言する。」
くるりと振り向き、玉座にドカッと座るあいつの顔は、
少しだけ、ほんの少しだけ、寂しそうだった。
「では、第一試合を発表いたします。
Aブロック、S4チームvsスミカケチーム!
一回戦のルールはガチアサリ!!」
わっと歓声が上がる。ガチ杯以来の対戦カードか。
しかも今回のルールもガチアサリなんだが……。
あのときのアメフラシはものすごく厄介だったことこの上ない(あんまりチームワークがよくなかったのもある)。
今回はちゃんと対策もしてあるだろう。
ちょっと注目だなと遠くから見て思う。
「Bブロック、Xブラッドvsインペリアルチーム!」
「フゥ……まじか。」
「本当らしいね。レイ兄。作戦立ててある。
カイザーさんとナイトさんは自分の好きなように動いてください。
ボクらは毎回援護担当なので。」
レインが一つため息をつき、プランが二人に指示を出し始める。
オレも、エンペラーとうなずき合い、ブキの動きを確認する。
いつもより軽いから扱いに気をつけなくては。
ってかこいつ、ダイナモローラー使えるんだっけ……?
「心配しなくても大丈夫だ。大体全ブキは使えるように特訓してある。」
心を読むな。
と言いたいのをぐっとこらえ、オレもマニューバーコラボを握りしめる。
機動力のあるやつはあんまりやってこなかったが、見慣れてると言えば見慣れている。
きっと大丈夫。
「行くぞ。二人共。」
「お、おう。」「あぁ。」
[水平線]
重苦しいダイナモのベッチューが、オレの肩に乗る。
練習してきたとは言え不安は残る。
《ステージはアジフライスタジアム!
ガチ最強、ウデマエ全員XのXブラッドと、
スクエア、シティを股にかける最強チームインペリアル!》
いつの間にか実況は、テンタクルズに交代している。
最強チームとは言え、オレたちは普段は別チーム。
これで大丈夫なのか。オレはここにいていいのか。
隣にいるライダーは、気にすることなく堂々とオレのブキを構えている。
なんでそんなに様になるんだ。
聞きたかったが、時間もない。
《Ready…GO!》
オレは地面を蹴り上げる。
とりあえずアサリを拾い集め十個にする。
「……。」
そしてライダーに目で合図。
そしてガチアサリはライダーにパス。
機動力を生かしてゴールに近づくが、Xブラッドがそれを止める。
中キョリのオメガとレッドソールを中心とし、攻めていく。
2対1で絶体絶命かと思いきや、素早いスライドで二人を翻弄。
「カイザー!!」
ライダーが翻弄したことで開けた空間。
それに気づいたレインが、オレに叫ぶ。
ライダーはもう一度ガチアサリを投げてこちらへよこす。
オレもちゃんとアサリをキャッチし、ゴールへ投げ入れる。
バリアが壊れた。
「ナイスだ!二人共!」
チュンッチュンッ!
オメガとレッドソールを、リッターの長キョリ射撃が撃ち抜く。
この射撃は……ラムネだ。
「援護は任せてって言ったでしょ?」
「よし!アサリは任せろ!!お前らは突っ込め!!」
レインもいつの間にかアサリを投げまくっている。
オレはもう一度ガチアサリを作り、ゴールへ投げ入れる。
「させねー!!」
復活したダブルエッグのスライド。
よく狙いダイナモのタテフリをかます。
それに怯んだその隙にもう一度。
ライダーもやってきて援護射撃。
「ぐっ……。」
ダブルエッグは一度下がり、体制を立て直そうとする。
オレはライダーと背中を合わせ、ヴィンテージたちの攻撃に備える。が、何も起きない。
そろそろ来てもいいんじゃないか?
オレの感覚がそう叫ぶ。
危険だ。一度退け。取り返しがつかないことになる。
それを無視した自分が馬鹿だった。
「残念だったな。Xに散れ。」
Xフォール!!
気づけばXブラッドが、オレたち二人を包囲していた。
これを避けるのはなかなかの至難の業で、オレも避けられたことは一度もない。
しかし、ライダーは余裕そうにオレの肩を叩く。
「[小文字]あれ、行くぞ。[/小文字]」
あれ?あ。忘れていた。
それは、オレたちがソレイユとのバトル用に考えた合せ技。
当たらなかったけれど、まだ練習はしている。
そして、ちょうどスペシャルゲージも満タンだ。
キラリ。キラリ。
オレたちのゲソが光りだす。
ヴィンテージもなにか感づいたようだが、遅い。
Xフォールはある意味この作戦では都合がいい。
だって、ほぼ一箇所に固まってくれている。
Xフォールが放たれようとしたその時、オレたちは一斉に空へ飛び上がる。
オレの手にはナイスダマ。あっちはジェッパ。
「なっ!?」
「ナイス!ナイス!ナイス!
行っちゃって〜!着地狩りはさせないよ〜!」
「ナイス!ナイス!ナイス!
生き残りも任せとけ!」
アサリ投げを一時中断し、二人も臨戦態勢に入る。
オレはヴィンテージとオメガの並ぶ場所にナイスダマを投げ入れる。
ライダーはよし気たと言わんばかりにレッドソールとダブルエッグを狙う。
ナイスダマは一発しか放てないので、オレはすぐ着地するが、二人を手伝うためにダイナモを構える。
あいつ、オレよりジェッパ上手い気がする。
[太字]ガコン[/太字]。バリアが戻った。
しかし、Xブラッドはそれどころではない。
上からのジェッパ攻撃、横からのリッター、
後ろからのロングブラスター、
油断すれば[漢字]ダイナモ[/漢字][ふりがな]オレ[/ふりがな]。
しかし、ヴィンテージは楽しそうだ。
「うんうん。そうこなくちゃね。」
ラムネも頷いている。
あぁ。そうじゃなくちゃオレたちだって楽しくない!
「ダブルエッグ、後ろに回り込め。
レッドソールは横を崩せ。
オレとオメガは前線突破。行くぞ。」
ヴィンテージは淡々と指示を出すが、その顔は笑っている。
そしてその言葉通り、オレたちは囲まれる。
初めに狙われたのは動きの遅いオレとラムネ。
特にとっさの射撃に弱いラムネだ。
「やらねぇよ!」
「キャッ!」
後ろから回り込んだダブルエッグにヒットを許し、
オレ自身もレッドソールに狙われ始める。
その内にXブラッドはバリアを破壊し中にアサリを放り込んでいく。
「いったたた……。」
「おい、行くぞ。援護の時間だ。」
レインはラムネを呼び、ラムネもレインの方へ向かう。
「りょーかい!」
そしてレインが出したのは。
「[太字]スペシャルウェポン、バブルランチャー[/太字]!!」
そしてラムネはレインの出したシャボン玉に、次々にインクを当てていく。
ついでにダブルエッグにも当てていった。
レインも、シャボンに当てるついでにレッドソールとオメガを倒していく。
スペシャルとオレたちは必死にヴィンテージを抑える。
絶対にゴールさせたくはない。
隣を見てみると、ライダーがカーリングボムで邪魔をしていた。
とりあえずオレもスプリンクラーで足止め。
そのスプリンクラーのインクが、シャボン玉にの中に入って、最終的に……。
割れた。
その爆発にヴィンテージは巻き込まれ、バリアも戻る。
ライダーは準備していたのであろうガチアサリを投げ入れ、バリアを破壊。
制限時間も残りわずか。急がなくては。
「こっち、ガチアサリ!」
「こっちも頼んだ!」
インクと一緒にガチアサリが飛んでくる。
投げろ!という声とともに、おれたちは投げる。
そこらにあったアサリは全部回収して投げる。
近くにいた敵はダイナモを直撃させて潰す。
全員の息があってきた。
「ラストー!!」
ラムネによって投げられたガチアサリは、抵抗することなくゴールへ入った。
《ノックアウト!!勝者はインペリアルチーム!!》
勝っ……た?へなへなと体から力が抜ける。
ダイナモの重さも、先程までとは比べ物にならないほど感じる。
ブルーチームのときにもやったはずなのに、なんで今回ばかりこんなに緊張した?
「ナイスだったぜ。カイザー、ナイト。」
「最高だったよ!」
駆け寄ってくる二人の方を向くことなく、オレたちはカメラを見る。
その奥に、あいつがいるような気がした。
寂しそうな目の、あいつが。
「もし、この大会あいつと戦うことになったら。」
ライダーがポツリと呟く。
「その時は倒すまでだ。」
胸を張って言えないけれど。
まだ力量差は明らかだけれど。
この大会で、オレたちはお前に並んでみせるよ、ソレイユ。
大きな音をわざとたて、玉座に座る。
あんまりやわらかくない。
私はライダーが持ってきた一人用ソファのほうが好きだ。
「陛下。いかがいたしましょう?」
「大会の開始を宣言しろ。そしてチームの一覧表を。」
はっと威勢よく頭を下げ、誰かさんは去っていく。
誰かもわからない、父の用意した部下。
私は彼らに興味がない。
私が興味あるのはあの二人と私のチームだけ。
「こちらがチームの一覧表でございます。」
「……そうか。」
思っていたよりは分厚くない書類。
それでも総参加チーム数は100.予選突破、及びシードチームが20チーム。
強豪チームの中でも、グローブチームやブルーチームは予選を軽々突破してきている。
S4、シンペラー、Xブラッドは私が呼んだシード。
そして、シードには、私を欠いた最強のインペリアルチームもいた。
「陛下。開会のご宣言を。」
「わかった。」
[太字]インペリアルチーム
チームメンバー
レイン、ラムネ、ナイト、カイザー
インクカラー
ロイヤルブルー[/太字]
その字だけ、私には踊っているように見えていた。
「皆の者。よくぞ集まった。」
私は玉座から立ち上がり、音楽堂にいるであろう観客に声を掛ける。
[水平線]
「こんなに少ないのか。」
ちょっと離れた場所にある人混みを見て、エンペラーが小さく声を上げる。
確かに、もう少し多いかと思っていたが、この場に集まったチームは20ほどだ。(観客は多いけど)
倍くらいはいるかと思っていた。
「まぁ、うちのチームはシードだからな。」
「シード?」
オレのつぶやきに、ラムネが1枚の手紙らしきものを出して教えてくれる。
「ワタシ達のチームは招待状をもらってるの。
その招待状に書いてあったけど、4チームがそうだよ。
他は予選で選ばれた奴ららしいね。」
シードで招待状か。なんか普通の大会と一味違うな。
ってかいつ予選やったんだよ。
……いや、オレたちが寝てる内か。
「ボクの予想通りなら、開会式にインペリアルが出てくるはずなんですが。」
「とりあえず、カイザー、ナイト、バトル中はあんまり喋るな。」
「声がバレてもいいことないからね。」
三人に釘をさされ、オレたちは頷く。
そんなことをしていると、あの人混みがわっと湧いた。
「皆様ようこそ!ワタクシは皇帝陛下の側近、ミニスと申します。
各地で話題の方々と、予選を勝ち抜いた方々。街を守れるように頑張ってくださいませ。」
よく通る声が会場を見渡すように響き渡る。
「めちゃくちゃ上から目線だな……。」
「昔のお前もそうだったよ。もうちょい威圧感あったけどな。」
おまいう発言にきちんと突っ込んでから、ミニスの顔を見る。
スーツとモノクル。まるで執事だ。
インクカラーはブラック。年齢不詳。威圧感はないが、食えない怪しさがある。
「油断すんなよ、え……カイザー。」
「わかっている。お前こそだぞ。ら……あ、いや。ナイト。」
お互い慣れぬ名には苦労をする。
黒尽くめのエンペラー。というのは見たことがなさすぎるので違和感があるが、ソレは相手も同じと半分開き直って、目の前を睨む。
各チームが見える。
グローブ、S4、シンペラー、Xブラッド。
強豪が集っている。そしてブルーチーム。
やっぱりいたか。
「さぁ。皆様。皇帝陛下の御言葉にございます。」
そんなに大げさに言うことじゃねぇのにな。
あいつは普通のイカだぞ?ただの努力家の。
そんなことを思っていると、いきなり音楽堂のステージを覆っていた幕が吹き飛ぶ。
何だ何だ。人々が騒ぎ出し、背伸びをしてステージを見ようとする。
「……!!」
「皆の者。よくぞ集まった。
ここに集まりし者は強さも楽しさも知っている。
そんな者たちばかりであろう。」
少し低めた声。
目はオレたちの方を向くことなく、観客に向かって厳しい視線を送り続ける。
「ならば我をも楽しませてみせよ。
我を相手に楽しんでみせよ。」
「いいよー!」
呑気な声。あ〜。ゴーグル、今言うべきときじゃないぞ、それ。
いや、言うのはいいんだけれども!
時と場ってのがあってだな。
突っ込みたくなるのを必死に抑え、あいつを睨みつける。
あいつはオレから意図的に視線をそらす。
「……ここに、大会の開始を宣言する。」
くるりと振り向き、玉座にドカッと座るあいつの顔は、
少しだけ、ほんの少しだけ、寂しそうだった。
「では、第一試合を発表いたします。
Aブロック、S4チームvsスミカケチーム!
一回戦のルールはガチアサリ!!」
わっと歓声が上がる。ガチ杯以来の対戦カードか。
しかも今回のルールもガチアサリなんだが……。
あのときのアメフラシはものすごく厄介だったことこの上ない(あんまりチームワークがよくなかったのもある)。
今回はちゃんと対策もしてあるだろう。
ちょっと注目だなと遠くから見て思う。
「Bブロック、Xブラッドvsインペリアルチーム!」
「フゥ……まじか。」
「本当らしいね。レイ兄。作戦立ててある。
カイザーさんとナイトさんは自分の好きなように動いてください。
ボクらは毎回援護担当なので。」
レインが一つため息をつき、プランが二人に指示を出し始める。
オレも、エンペラーとうなずき合い、ブキの動きを確認する。
いつもより軽いから扱いに気をつけなくては。
ってかこいつ、ダイナモローラー使えるんだっけ……?
「心配しなくても大丈夫だ。大体全ブキは使えるように特訓してある。」
心を読むな。
と言いたいのをぐっとこらえ、オレもマニューバーコラボを握りしめる。
機動力のあるやつはあんまりやってこなかったが、見慣れてると言えば見慣れている。
きっと大丈夫。
「行くぞ。二人共。」
「お、おう。」「あぁ。」
[水平線]
重苦しいダイナモのベッチューが、オレの肩に乗る。
練習してきたとは言え不安は残る。
《ステージはアジフライスタジアム!
ガチ最強、ウデマエ全員XのXブラッドと、
スクエア、シティを股にかける最強チームインペリアル!》
いつの間にか実況は、テンタクルズに交代している。
最強チームとは言え、オレたちは普段は別チーム。
これで大丈夫なのか。オレはここにいていいのか。
隣にいるライダーは、気にすることなく堂々とオレのブキを構えている。
なんでそんなに様になるんだ。
聞きたかったが、時間もない。
《Ready…GO!》
オレは地面を蹴り上げる。
とりあえずアサリを拾い集め十個にする。
「……。」
そしてライダーに目で合図。
そしてガチアサリはライダーにパス。
機動力を生かしてゴールに近づくが、Xブラッドがそれを止める。
中キョリのオメガとレッドソールを中心とし、攻めていく。
2対1で絶体絶命かと思いきや、素早いスライドで二人を翻弄。
「カイザー!!」
ライダーが翻弄したことで開けた空間。
それに気づいたレインが、オレに叫ぶ。
ライダーはもう一度ガチアサリを投げてこちらへよこす。
オレもちゃんとアサリをキャッチし、ゴールへ投げ入れる。
バリアが壊れた。
「ナイスだ!二人共!」
チュンッチュンッ!
オメガとレッドソールを、リッターの長キョリ射撃が撃ち抜く。
この射撃は……ラムネだ。
「援護は任せてって言ったでしょ?」
「よし!アサリは任せろ!!お前らは突っ込め!!」
レインもいつの間にかアサリを投げまくっている。
オレはもう一度ガチアサリを作り、ゴールへ投げ入れる。
「させねー!!」
復活したダブルエッグのスライド。
よく狙いダイナモのタテフリをかます。
それに怯んだその隙にもう一度。
ライダーもやってきて援護射撃。
「ぐっ……。」
ダブルエッグは一度下がり、体制を立て直そうとする。
オレはライダーと背中を合わせ、ヴィンテージたちの攻撃に備える。が、何も起きない。
そろそろ来てもいいんじゃないか?
オレの感覚がそう叫ぶ。
危険だ。一度退け。取り返しがつかないことになる。
それを無視した自分が馬鹿だった。
「残念だったな。Xに散れ。」
Xフォール!!
気づけばXブラッドが、オレたち二人を包囲していた。
これを避けるのはなかなかの至難の業で、オレも避けられたことは一度もない。
しかし、ライダーは余裕そうにオレの肩を叩く。
「[小文字]あれ、行くぞ。[/小文字]」
あれ?あ。忘れていた。
それは、オレたちがソレイユとのバトル用に考えた合せ技。
当たらなかったけれど、まだ練習はしている。
そして、ちょうどスペシャルゲージも満タンだ。
キラリ。キラリ。
オレたちのゲソが光りだす。
ヴィンテージもなにか感づいたようだが、遅い。
Xフォールはある意味この作戦では都合がいい。
だって、ほぼ一箇所に固まってくれている。
Xフォールが放たれようとしたその時、オレたちは一斉に空へ飛び上がる。
オレの手にはナイスダマ。あっちはジェッパ。
「なっ!?」
「ナイス!ナイス!ナイス!
行っちゃって〜!着地狩りはさせないよ〜!」
「ナイス!ナイス!ナイス!
生き残りも任せとけ!」
アサリ投げを一時中断し、二人も臨戦態勢に入る。
オレはヴィンテージとオメガの並ぶ場所にナイスダマを投げ入れる。
ライダーはよし気たと言わんばかりにレッドソールとダブルエッグを狙う。
ナイスダマは一発しか放てないので、オレはすぐ着地するが、二人を手伝うためにダイナモを構える。
あいつ、オレよりジェッパ上手い気がする。
[太字]ガコン[/太字]。バリアが戻った。
しかし、Xブラッドはそれどころではない。
上からのジェッパ攻撃、横からのリッター、
後ろからのロングブラスター、
油断すれば[漢字]ダイナモ[/漢字][ふりがな]オレ[/ふりがな]。
しかし、ヴィンテージは楽しそうだ。
「うんうん。そうこなくちゃね。」
ラムネも頷いている。
あぁ。そうじゃなくちゃオレたちだって楽しくない!
「ダブルエッグ、後ろに回り込め。
レッドソールは横を崩せ。
オレとオメガは前線突破。行くぞ。」
ヴィンテージは淡々と指示を出すが、その顔は笑っている。
そしてその言葉通り、オレたちは囲まれる。
初めに狙われたのは動きの遅いオレとラムネ。
特にとっさの射撃に弱いラムネだ。
「やらねぇよ!」
「キャッ!」
後ろから回り込んだダブルエッグにヒットを許し、
オレ自身もレッドソールに狙われ始める。
その内にXブラッドはバリアを破壊し中にアサリを放り込んでいく。
「いったたた……。」
「おい、行くぞ。援護の時間だ。」
レインはラムネを呼び、ラムネもレインの方へ向かう。
「りょーかい!」
そしてレインが出したのは。
「[太字]スペシャルウェポン、バブルランチャー[/太字]!!」
そしてラムネはレインの出したシャボン玉に、次々にインクを当てていく。
ついでにダブルエッグにも当てていった。
レインも、シャボンに当てるついでにレッドソールとオメガを倒していく。
スペシャルとオレたちは必死にヴィンテージを抑える。
絶対にゴールさせたくはない。
隣を見てみると、ライダーがカーリングボムで邪魔をしていた。
とりあえずオレもスプリンクラーで足止め。
そのスプリンクラーのインクが、シャボン玉にの中に入って、最終的に……。
割れた。
その爆発にヴィンテージは巻き込まれ、バリアも戻る。
ライダーは準備していたのであろうガチアサリを投げ入れ、バリアを破壊。
制限時間も残りわずか。急がなくては。
「こっち、ガチアサリ!」
「こっちも頼んだ!」
インクと一緒にガチアサリが飛んでくる。
投げろ!という声とともに、おれたちは投げる。
そこらにあったアサリは全部回収して投げる。
近くにいた敵はダイナモを直撃させて潰す。
全員の息があってきた。
「ラストー!!」
ラムネによって投げられたガチアサリは、抵抗することなくゴールへ入った。
《ノックアウト!!勝者はインペリアルチーム!!》
勝っ……た?へなへなと体から力が抜ける。
ダイナモの重さも、先程までとは比べ物にならないほど感じる。
ブルーチームのときにもやったはずなのに、なんで今回ばかりこんなに緊張した?
「ナイスだったぜ。カイザー、ナイト。」
「最高だったよ!」
駆け寄ってくる二人の方を向くことなく、オレたちはカメラを見る。
その奥に、あいつがいるような気がした。
寂しそうな目の、あいつが。
「もし、この大会あいつと戦うことになったら。」
ライダーがポツリと呟く。
「その時は倒すまでだ。」
胸を張って言えないけれど。
まだ力量差は明らかだけれど。
この大会で、オレたちはお前に並んでみせるよ、ソレイユ。
- 1.Prologue
- 2.マイペースキングは、今日も今日とてマイペース
- 3.弁当をちゃんと食え!!
- 4.新しい家
- 5.not本編 インペリアル&登場人物の紹介!
- 6.体調不良表現あり、ご注意!! NightとKing
- 7.サーモンランと、ライダーの憂鬱
- 8.濁る瞳
- 9.太陽
- 10.殺し屋の子
- 11.皇帝のチームのチームメイト
- 12.オレら5人で、最強チーム!?
- 13.初バトル
- 14.さいきょう皇帝様は親に頭が上がらない?
- 15.愛されたかった
- 16.二戦目 シンペラーチーム戦!?
- 17.オレ等の宣戦布告
- 18.あなた達が従うべきは
- 19.バトルロワイヤル・イヴ
- 20.バトロワ開始!?即三人戦!?
- 21.新たな皇帝と闇社会の子
- 22.キミを助けるために
- 23.番外編(?)曲パロ
- 24.戦い、開始。 皆の心
- 25.戦いのスタート地点
- 26.最強皇帝の従者たち
- 27.愚王と愚民、そして愚帝【前編】
- 28.愚王と愚民、そして愚帝【後編】
- 29.処刑の日
- 30.スプラマニューバーの帝王
- 31.みんなで帰ろう
- 32.大切な人
- 33.最終回 君に伝えたい