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消失の帝王  〜とある女海賊の記録(ログ)〜

#30

最終話 不死鳥の語る、消失の帝王

あいつは昔からそうだった。
オヤジの背中にいつもくっついていて、
ロジャーの肩にいつも乗っていて、
失った愛をものすごい勢いで吸収するかのように、べったりとくっついていた。
また、おれたちに与える愛も、半端ではなかった。
バギーに与えた愛は、あいつの師匠として最高のものだっただろう。
シャンクスに与えた愛は、●●の過去を捨てさせる、きっかけにだってなったろう。
自分に与えられたのは、愛か、友情か。
どちらでもおれは構わないが……、おれがもらったものは沢山ある。
おれはあいつを妹だと思っている。
オヤジはあいつを、娘だと公言している。
あいつは、白ひげ海賊団の、消失の[漢字]帝王[/漢字][ふりがな]零番隊隊長[/ふりがな]なのだ。
「やぁっと、来たのかよい。」
「悪いな、手間取った。」
目の前には、赤髪とともにいるあいつの姿。
あの実の能力で、身長は変わってはないはずなのに、少しだけ大きくなったような気がしてしまう。
「……お前も、とうとうかよい。」
「ありがとう。……って!!なに泣いてんだよ!?」
泣いてる?あぁ、泣いてんのか。
あの時は抜け殻のようだったこいつが、
空っぽだったこいつが、こうやって笑えてることが、たまらなく嬉しかった。
「●●を、頼むよい、赤髪。」
「あぁ。って!!なんでお前が親みたいなんだ、マルコ!?」
「いいじゃねぇかよい。冥王は即了承したんだろうよい。
おれが釘刺さなきゃ、誰が止めるってんだい。」
プクリと頬を膨らますシャンクスに笑ってそう言ってやる。
可愛い妹を取られるのは癪だが、●●も幸せそうだしまあいいかと思う。
「ありがとう、マルコ。」
いきなりあいつが口を開く。
「おらぁなんもしてねえよい。」
「いや、そうじゃなくて。」
解毒剤作ってくれたの、お前なんだろ。
なんて、どこから知れたのかわからない情報を口に出す。
ここで嘘ついたって、こいつの見聞色は全てを見透かすから意味をなさない。
「そうだよい。……なんでそれを?」
「ホンゴウに聞いた。
それに、あの毒キノコの解毒剤の作り方は、ちょっと特殊でな。
知ってるだろ、特別な材料。」
不死鳥の蒼い炎。
「……さすがに隠せねぇか。まいったねい。降参。」
手を上げてあいつの目を見る。
きれいなきれいな、黒色をしていた。
「だから、ありがとう、マルコ。
昔も、ありがとう。」
「おれからも礼を言わせてもらう。」
赤髪もかしこまって頭を下げる。
お前らには似合わねぇよいと止めてやると、勢いよく頭を上げ、ニパッと二人は笑う。
「よし、マルコ、一緒に宴に来い!!」
「今日は私達の祝いの席なんだ!」
引っ張られる両腕を見て、おれは思う。
「変わってないねい。」
白黒髪の少女は、今日も光を求めて船の上。
赤髪の少年は、今日も夢を追いかけ海の上。
金髪のおれは、今日もオヤジの意思を守るために島の上。
やっぱりおれたちは、変わっていない。

オヤジ、ロジャー。
空で見ているならば、沢山笑ってくれよい。
おれの命も、どこまで持つかはわからんが、こいつらみたいに笑って過ごせればいい。
「行くよい。……妹の出港は、兄として、家族として、祝ってやらんとねい。」
「私は妹じゃないって!!」
もし、もし、今おれたちの記録が全て消えたって、
おれたちの中に、思い出という名の[漢字]記録[/漢字][ふりがな]ログ[/ふりがな]は残っている。
「いくぞー!!宴だぁ!!!」
幸せになれ、●●。
白ひげ海賊団、零番隊隊長で、
ロジャー海賊団の保育士で、
スター海賊団船長。
おれは、ずっとお前の医者友達で、兄だから、いつでも来い。
いつでも、蒼い炎で迎えてやるよい。
「行くぞ、マルコ!!」
そう言う妹の顔は、どこか晴れやかで、嬉しそうだった。

作者メッセージ

最終回です!
短くてすいません。
ここから夢主ちゃんはやっぱりシャンクスや、マルコ、バギーも失っていくのでしょう。
それでそのたびにまた、沈んでライトに支配されるのでしょう。
けれども彼女には、運命を誓った少年と、
医者友達の兄がいます。
きっと、大丈夫でしょう。


新しい小説、近日公開です!
【消失の帝王  〜とある女海賊の記録(ログ)〜】をありがとうございました!!
また次の小説でお会いしましょう!!
バイバイ(^_^)/~!!

2024/07/01 19:05

ミコト
ID:≫ 8t/IaoonNB37w
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