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消失の帝王  〜とある女海賊の記録(ログ)〜

#26

凍れ、わが仇よ

赤犬ことサカズキが、ありえないと言わんばかりの声を出す。
ことは、数十分ほど前のことであった。
[水平線]
[騒がしいのぉ……。]
ナイトランドの外まで響く音楽を、鬱陶しく思ったのか、赤犬が言う。
「まぁまぁいいんじゃないのぉ。
わっしもたまぁに聞くよぉ、この子たちの音楽。」
《五老星からの命令じゃけん。》
赤犬のその一声で、黄猿は30隻以上の船を率い、[漢字]風の帯[/漢字][ふりがな]カームベルト[/ふりがな]を通過し、ナイトランドにやってきたのだった。
「あんな子ども一人にバスターコールねぇ。」
[ただの子どもだったらやりゃせんわ。
……ただの、子どもだったらじゃがのう。]
黄猿はそう言うものの、赤犬のその言葉に何かを感じ取ったのか、口を閉ざす。
[……黄猿。バスターコールじゃけぇ。]
「……。犠牲を伴わない正義などありえない。辛いねェ。」
正義、正義、正義。
その言葉が、異様にこの世界に響き渡る。
それこそ異常なほどに。
ドンっっ
遠くからでもわかるほど、海岸が揺れる。
「報告します!!!海岸で原因不明の地震が起きており、
戦艦を近づけるのは不可能です!!
無理に近づけた場合、戦艦は大破し、
最悪の場合こちらが上陸する前に全滅という可能性も……!!」
「……もう来たのか。海賊は身軽だねぇ。」
呑気だが、真面目な声色。
その言葉通り、覇王色は、少女がすぐ近くにいることを指していた。
―海軍、また私の邪魔をする気か?―
覇気越しに少女の声が聞こえる。
「すまんねぇ。」
全くそう思っていないだろう声が、少女の怒りの導線に火を付ける。
―あーあ。そうですか。
あんたならもうちょっと話わかると思ったんだけどな。―
期待外れ。遠回しに彼女はそう言うと、震度を上げた。
―今すぐ立ち去れ。現在、師弟喧嘩と親子喧嘩の途中。―
「そりゃぁいけないねぇ。でも、こっちも仕事なんだよぉ。」
あぁそうか。と少女の呆れた声が聞こえる。
すると、地震がいきなりやみ、覇気も少しずつ弱くなっていく。
―上がってこい。全員潰してやる。―
「全軍、突撃ぃ!!!」
黄猿が言うまでもなく、側にいた中将が突撃の命令を出す。
……バスターコール。
その言葉が少女は大嫌いだった。半分トラウマにさえなっている。
それでも海軍を島にあげた理由。
「……!!黄猿大将!!報告します!!」
「……?」
自らも光となり、島へと入っていこうとしたその時部下が慌てた様子で報告を始めた。
「島の中には、大勢の観客「知ってるよぉ?」
「いえ、そこではなく!
大勢の観客に紛れ、海賊たちが!!」
海賊?と黄猿が聞く。
部下は一つ息をおくと、ゆっくりと話し始めた。
「その面々が、
[大文字][太字]四皇の麦わらの一味、
その同盟相手トラファルガー・ロー。[/太字][/大文字]
そして、もっとも問題なのは……。」
その後に続く言葉には、さすがの黄猿も動揺を隠せなかった。
[太字][大文字][中央寄せ]「四皇、赤髪海賊団が!!!!」[/中央寄せ][/大文字][/太字]






「赤髪?間違いねぇのかい、そりゃぁ。」
「はっ!!何人も目視で確認しております!
間違いないかと!!」
……どうして。
こんな少女に赤髪海賊団が関わってくるのか。
黄猿には理解ができなかった。
行って見たほうが早い。
そう思ったのが、早計だったのかもしれない。
島に飛び込み、森を抜け、会場にたどり着いた黄猿は、とんでもない光景を目にする。
一面に倒れた観客と、会場の周りを彩る海兵の白い服。
観客の中には見覚えのあるような海賊がいて、その中には麦わらの一味もいた。
……そして、最も高い位置にあるVIP席。
そこには、今や30億の賞金首である若き新星が、肩を寄せあい、眠っていた。
「こりゃぁ……ぶっそうだねぇ。」
そして最も驚くべきは、会場の真ん中。
少女の周りで眠りこける赤髪海賊団の面々と、
少女の腕の中で眠る、彼女の相棒ウタと、四皇赤髪のシャンクスその人。
「来たのか。……命知らずの海軍大将だな。」
静かな怒りに顔を染める彼女の目に、情などは一切なかった。
「失せろ。海軍共。……私の世界にお前らはイラナイ。」
彼女の持つ剣が、シャンクスの持っていたであろうサーベルが、月光に照らされキラリと光る。
纏われているのは、強大な覇王色と武装色。
さすがの[漢字]自然[/漢字][ふりがな]ロギア[/ふりがな]系でも、耐えられるかはわからないほどに。
その剣が、黄猿の首に迫る。
一旦退こうと、黄猿が体制を整えた。
しかし、その必要はなかったようである。
ガシッ!!
飛び込んでいこうとした彼女足を、赤髪が掴む。
「だ、め。だめだぜ、師匠!!!」
まだ意識は完全には戻っていないようだが、
少女を止められるほどの覇気を寝ながらできるとは、末恐ろしいと黄猿は思う。
「……シャンクス、ウタ。」
愛おしく、それでも悲しげに、少女は二人の頭を撫でる。
「ごめんな。このためだけに、私は生きてきたから。






静まれ、眠れ、我が敵よ!
[漢字]永遠[/漢字][ふりがな]とわ[/ふりがな]に氷の世界へと!!
我が世界には失わせる者はいらぬ。
正義は、皆で決めるもの!!」
その声とともに、世界が冷え、こおり始める。
それはまさに封印の術。誰にも解けぬ、世界一の術。
「……!?」
「永遠にさまよえ、海軍共よ!!!」
キーンっ
島が凍りつく音がする。
冷たい世界に、一人の少女と凍らなかった人々だけが、月光に照らされていた。

作者メッセージ

黄猿と赤犬の口調難しー!!

2024/06/24 20:11

ミコト
ID:≫ 8t/IaoonNB37w
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