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さいきょう皇帝様は家族を知らない

#2

マイペースキングは、今日も今日とてマイペース

会場が熱気に包まれている。
そりゃあそうだろう。最強の皇帝のお出ましなのだ。
連れてきたブルーチームもワイワイとはしゃいでいるしな。
いや、こいつらはもともとそういうものか?
そう思いながら[漢字]黄色[漢字]髪[/漢字][ふりがな]ゲソ[/ふりがな]の王サマ[/漢字][ふりがな]エンペラー[/ふりがな]と、最強皇帝を見据える。
三角形を作ったオレたちの配置。
オレたちは殺す気で構えているのに、どこか力の抜けたあいつの構え。
[漢字]髪[/漢字][ふりがな]ゲソ[/ふりがな]を隠すニットと、
顔を隠すバンダナ。
それでも隠すことのない蒼い目には、真剣な闘志が見えている。
『さぁ!!!今話題の3人の戦いだ〜!!』
重いダイナモを担ぎ上げ、準備を整える。
左を見ればエンペラーが頷いている。
あの作戦なら、あいつにちょっとは届くだろう。
『Ready……』
実況テンタクルズ、会場はスクエアの会場の中でも大きい方。
こんなに豪華なプライベートマッチ(プライベートかどうかは置いておいて)もないだろう。
のうのうとそんなことを考える暇などないのだが、大きな会場を見ればそんなことしか考えられなくなってしまう。
『Go!!!』
その一声で、オレたち三人は一斉に飛び出す。
オレの手にはダイナモローラーベッチュー、
エンペラーの手にはスプラマニューバーコラボ。
あいつの手にはスパッタリー・クリア。
一旦エンペラーはカーリングボムとスライドであいつと距離を取る。
オレもまずはローラーで場を制し、あいつを近くに寄せないよう細心の注意を払う。
スパッタリーの裏取りと、あいつの[漢字]人[/漢字][ふりがな]イカ[/ふりがな]離れした力は、相性がいい。
……あいつのトーピードが飛んでくる。今だ。
キラリ。エンペラーの頭が光る。
「[太字][斜体]スペシャルウェポン、ジェットパック[/斜体][/太字]!!」
オレもトーピードを叩き落とし、飛び上がる。
「[太字][斜体]スペシャルウェポン、ナイスダマ[/斜体][/太字]!!」
両サイドから挟んだスペシャル攻撃。
しかも上空からだから、射程の短いスパッタリーでは届かない。
両側から、ナイスダマとジェットパック。
逃さない、逃げさせない。
何百回とあいつと戦ってわかったこと。
一発で仕留めなきゃ。
「いくぞ!!」「命令するな、愚民!!」
二人で一斉にスペシャルをお見舞いする。
けれどあいつはニヤッと笑って、飛び上がる。
2つのスペシャルの狙いが外れた。
そのままあいつは壁を蹴りながらエンペラーに迫る。
当然だろう。まだジェットパックには弾が残ってる。
先に潰したほうが得だ。
何が起きたのかわかっていないエンペラーを、あいつのスパッタリーが撃ち抜く。
「ゲームオーバー!」
楽しそうな、あいつの声が告げる。
こちらはもう、着地するまで無防備。
飛んで火に入る夏の虫というやつだ。
オレの着地地点にあいつが入る。
ダイナモを構えようにも、遅い。
ドドドッ!!三発をもろに食らう。
気がついたときには、スタート地点に立っていた。
『し、試合終了!!勝ったのは、皇帝インペリアル!!!』
あぁ、また負けたのか。何回目だ?
数え切れないくらい負けた気がする。
「やっぱ強ぇな……。」
「まだまだ強くならなくては。」
エンペラーとオレの声が重なる。
あいつはそんなオレたちに小さく笑いかける。
「結構持つようになってきたな。」
「……まだまだだ。」
そう言うエンペラーとオレの手を叩くと、アイツは向こうへ去っていく。
それは、オレたちにしかわからない合図。








「ライダー!!!!」
戻っていきなり降ろされそうになるズボンをなんとか抑える。
手をかけられなかったエンペラーも、条件反射でズボンを抑えている。
「すごかったよー!!」
「その手をどけろ。」
そう言ってやれば意外と素直に手をどけてくれる。
オレは、一つため息をつき、上から見える、競技場にくっつく小さな控室の中を見る。
やっぱり一人でポツリと座っている。
全く。あいつは。
「行くぞ、愚民。」
オレより先にエンペラーが、言う。
オレの手を引っ張り、観客席から下へと飛び降りる。
「?!!?」
「エンペラー(くん)?!ライダー(くん)?!」
上の方から困惑の声が聞こえる。
……オレもそうだ。
[漢字]こいつ[/漢字][ふりがな]エンペラー[/ふりがな]のマイペースっぷりには昔から困らされたから今はどうとでもないが……。
「……ライダー、弁当は?」
とんっと綺麗に着地して、[打消し]オレはエンペラーの背中に激突し[/打消し]エンペラーが聞く。
いつもは愚民愚民うるさいが、俺と二人だけ、あいつと三人だけの時は名で呼ぶ。
オレもそんな感じだから気にしていない。
ってか、お前が腹減っただけかよ。
「あるぜ。控室の鞄の中。……行くぞ。」
今回はオレが引っ張ってやる。
幼い時、いつもこうやっていたなと思い出す。
顔がまだヒリヒリと痛むが気にしない。
[漢字]こいつ[/漢字][ふりがな]エンペラー[/ふりがな]と、きっとあいつも腹を空かせてる。
オレの弁当は、(まともに自炊できないくせに家を出て修行中の[漢字]こいつ[/漢字][ふりがな]エンペラー[/ふりがな]にとっては特に)重要な栄養補給源なのである。
「なんでオレがお前をおぶんなきゃなんねぇんだよ!?」
「いいだろ、ライダー。オレはまず歩けん。」
そこまで腹を空かせてたなら先に言えと言うまでもなく、エンペラーはオレに体重を預ける。
そのうちにスースーと寝息を立て始める始末。
違う、そうじゃない。寝るな。起きろ。このマイペースキング。
なんて心の叫びが聞こえるはずもなく、その場に捨て置くこともできないオレは、わがままな王サマを背負って控室へと急ぐ。

作者メッセージ

はい!!新小説、【さいきょう皇帝様は家族を知らない】です!!
コロイカ、知ってる人いますかぁぁぁぁ!!!
スプラトゥーンの漫画です。
いるなら教えてください〜!!!

はい、一旦落ち着いて。
ちょっとライダーとエンペラーの絡みが多かったですね。
王様と騎士。ちょっと過去を改変いたします。ご容赦ください!
それに、ちゃんと皇帝、インペリアルが主役なんでお願いします。
では、また次で会いましょう!
See you next time!!

2024/07/22 20:28

ミコト
ID:≫ 8t/IaoonNB37w
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