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消失の帝王  〜とある女海賊の記録(ログ)〜

#9

Rigel / nautical chart!!

会いたい、師匠に会いたい。
なんて、そう思ったのは、何万回目だろうか。
最初の方は、一緒にそうぼやいてたバギーも、今やもう、隣にはいなくて。
今、師匠を知る人は、俺の近くにはほぼいなくて。(レイリーさんはいるけど)
今日もこうやって、レッドフォース号の船室で、師匠のくれた海図を眺める。
それは、とても古いもので。新世界も、グランドラインさえ描かれていなくて。
そして、下には一つ、【[漢字]Rigel/nautical chart[/漢字][ふりがな]リゲルの海図[/ふりがな]】とだけ、書かれていた。
「リゲル……ねぇ。」
リゲル。師匠が寝ている時、よく言っていた名前。
冬島付近で、夜空を見上げればすぐわかる、明るい星の名前でもある。
あぁ……。名前か。名前。なま……。




「っ……。」





ここ十年ほどで一番後悔したこと。
それは、師匠の名前を、ついに呼べなかったこと。
何度も何度も言おうとした。
何度も何度も呼ぼうとした。
けれど、つっかえて、つっかえて、言えなくて。
師匠、としか昔から呼べなかった。
昔からそうだ。師匠におれは、近づけない。近づけば近づくほど、師匠は離れていく。
「なぁ、師匠。」
昔あんたは、おれたちが死ぬのが、一番怖いと言った。
自分が死ぬことよりも、ずっと。
ロジャー船長が死んだ時、白ひげの船でぶっ倒れたのも聞いた。
あんたらしいと思った。
……一年経っても、二年経ってもあんたが起きた連絡が来なかったのには少し焦ったけど。




あんたが起きた時、過呼吸起こして大変だったって話もマルコから聞いた。
飯も全く食えなくて、でも痩せてはいない話も聞いた。
「……そんなに、おれたちが大切なのか?」
師匠はいつもそうだ。優しい。過度なくらいに優しい。
でも、自らの過去に誰かが触れるのを極端に嫌う。
初めて会う人には誰でも敵対心を隠さない。
それは全て、おれたちを守るため?
じゃぁ……







「師匠。」
この一言が、師匠に届いていますように。
「ら……る………ら……。」
この歌が、師匠に届きますように。
おれたちは、いつでも、あんたを待っているから。

2024/10/26 20:30

ミコト
ID:≫ 8t/IaoonNB37w
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