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ネクストステージ! 最強の国の秘密

#45

アオハとシエボル【前編】

火山の中は思ったよりも暑くなかった。
というか、中身は完全な人工物であった。
海中へと飛び込んだ先のことは、なぜか覚えていない。
冷たい水の感覚もなかったし、水を吸った服の重さも感じない。
レガシーに捕まっていた手を離し、降りてみる。
周りは研究所のような大きな建物に囲まれている以外は普通の、静かな野原。
ンコソパでは、シュゴッダムでは見れない、トウフかイシャバーナ限定の風景だ。
「よう、やっと来たか、シエボル。」
「……、私はアオハだと、何度言えばわかるのでしょう。サクト様。」
にぃ、と笑う偽の主君は先程までの傷一つなくその場に立っている。
人知では計り知れない技術を持った創造の道具はもう、壊れている。
「お前、何個予備壊した?」
「さぁ?数えてないので。」
ハッタリだ。残っている予備は幹部全員一体ずつのはず。
ちゃんと数えた。裏切ったあとの処理も万全。増やされてはいないだろう。
先ほどとは違う、余裕たっぷりの様子。勝てると踏んでんのか。
甘く見られちゃ困る。
のらりくらりと、けれども獲物は必ず仕留める蛇となれ。さて、どう料理してやろうか。
焼いても、煮ても、揚げても美味しくはなるまいが。
食べられるくらいの情報と、金は落としてくれるだろう。
「あぁ、思い出しました。もう予備は全員一つしか残ってませんでしたね。
あなたも。トーカとカーデも。テスルクも。残基は一つ。」
「でもな、俺たちには切り札がある。わかってるだろ。」
[漢字]リニエッラ海底火山[/漢字][ふりがな]ココ[/ふりがな]。
あぁ、わかってんよ。わかってるから飛び込んだんだろ。
やっぱりココは人工火山だった。エネルギーを濃縮した、人工物だ。
……自然の力は止められない。けれど、人工の災害は、止められる可能性がある。
神の怒りがそうであったように。この災害も、きっと止められる。
「止めてみせましょう。その、邪神の戯れ。」
「我らの至高神を、救世主を、邪神とは失礼な。
そう、お前たちへの【神の怒り】だ。」
そうはさせない。三度目の怒りにだけはさせない。未然に防ぐ。
だから、、、、、
「地上は任せるよ、ラクレス。」

「大丈夫。」
知ってるよ。お前の考えていることなんて。
何年一緒にいたと思っている。
「ヒメノ、カグラギ、裁判長。国へ戻ってくれ。
ジェラミーも万一に備えて国で準備を頼む。」
「え!?」
「まだ事情を聞けていないが。」
事情なんて言っていられない。
ギラとヤンマ、アオハが戦っているのに呑気に喋っていられない。
「カグラギ、いつロゼアが上がってくるともわからん。
トウフに帰り守りを固めたほうがいい。
私だってアイツが勝てる保証などないからな。」
「いつになく直接的なお言葉ですな、ラクレス殿。」
「こんな緊急時に回りくどく言ってられん。
例え相手がお前でも、な。」
わかりました。この説明でわかってくれる彼に感謝したい。
ヒメノと裁判長もジェラミーも。カグラギにつられて頷いてくれる。
よし、これで各国の準備は始まる。
あとは起こらないことを願って。三人を信じて。
「私も戦わなければ、か。」
最悪を想定して、準備をするだけ。


「変わらんなぁ。」
いつにも増して陽気な元主君はアオハを指さし笑っている。
「変わらない?もう私はあなたの臣下などではありませんよ。」
「そうじゃないなァ。そういうところが優しいんだ、……甘いんだよ。シエボル。」
滑らかで粘着質な大嫌いな声。
どんな悪人ですらその声を上回ることはないだろう。
どこまでも自分のテリトリーなら余裕を隠さないやつだ。
「お前はシエボルだ。」
「はぁ?」
知らん知らん。コイツついに狂ったか。と脱力してしまう。
そんなアオハを尻目にサクトは続ける。
「わかっていないようだな。教えてやろう。
アオハ・ガストはもうお前の中で死んでいる。」
声が出なかった。何を言っている。その言葉も音にならなかった。
ココがどこなのかすら忘れていた。
「お前らが『アオハ』と呼んでいるのはシエボルの上にある皮に過ぎない。
残虐で、非道で、卑劣で、最低。
世界中の負の性格全てをまぜこぜにしたのが、シエボル。お前だろう。」
言うなよ。わかってんだ、だから言葉にすんなよ。
自分がスラムの最低野郎なんてのは承知してるわ。ずっと昔から。
言葉はやっぱり紡げない。
「逃げんなよ、なァ、シエボル。アオハの皮なんて被らずに。
見せろよ、お前の全部を。シエボル・アトノガス。」
知っている。知っている。自分は感情のない最低野郎だ。
感情は、いらない。感情は、邪魔。ヤンマが持っていれば、それでいい。
それが私のスタンスだった。家族への愛情だけは削れなかったけれど。
「その敬語も。その行動も。全部アオハのものだろう。
ラクレス……だったか?アイツに捧げた命も行動もアオハとして。
弟への愛も。……なぁ?」
「うるせぇ!!黙れ!!!」
敬語が抜けてしまったことにハッとする。
まずい、これじゃノセられているだけじゃないか。
急ぎ腰の剣を構え、向かっていく。
しかし、サクトにはあたりまえだが当たらない。
「おいおい、落ち着いてからやりな。」
だめだ、殺れない。このままじゃ。














みんなが死ぬ。









感情は消したはずだった。
ずっと昔にミルクを盗んだあの日から。
救えないクズになった。
潰すことだけ考えて、ただの戦闘狂になった。
さっきサクトと戦ったときみたいな。
「もう少し右、いや左。」
ムカつく。絶対私より弱いはずなのに。
余裕ぶるな、そこどけ。邪魔。ヤンマもギラも待ってんの。
「うるさい、黙って。」
あぁ、もうなんでもいい。宰相とか国とか。
面倒なことこの上ない。コイツとアイツとそいつをぶっ潰してそれでおしまい。
そうだ、そうしよう。
「私より弱いんだから偉そうにすんな。」

作者メッセージ

ちょーおひさです!!
書いていくうちにわけがわからんくなったなぁ。ハハハ。
短編カフェの方でもいっぱい書いてあるのでそちらもどうぞ。
では!See you again!!

2025/10/04 09:24

ミコト
ID:≫ 8t/IaoonNB37w
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