文字サイズ変更

ネクストステージ! 最強の国の秘密

#44

物語の終わりへ結末へ。

「オーケー、クワゴンくん!カブタンくん!よろしくね!」
アオハは一人空を飛ぶレガシーの外面にしがみついていた。
宰相仕事で鍛えられた腕は、怪我をしていようが人間離れした力を発揮する。
片手で体を支えつつ、シュゴッドたちに指示を出す。
万一を思って外側につけておいた拘束外しのスイッチ。なんとかたどり着いてよかった。
これでシュゴッドは個々の意思で動けるはず。
聖剣を持って、声で語りかけ行う、たった二人の運命への悪あがき。
ギラの操縦と意思伝達、自分の指示に懸かる皆の命。
普通なら投げ出したくなるほど重ったらしい。けれど、背負い続けてきた二人は、そんなのお構い無し。
自分にできることを、するだけ。
ギラの頭の中では、アオハの心には、いつかの言葉が響いている。
「『王なら見届けろ。国の痛みは、全部、飲み込め。』」
決して軽くはない、その言葉。
自らの知る、ありったけの重みを纏う、ずっしりとした声色。
ヤンマが、アオハが、まだ新米のシュゴッダム国王に向かって放った、そんな言の葉。
『『お願い』で人は動かねぇぞ。』
『前見ろ。で、構えてろ。それが、今お前にできることだよ。』
それぞれの、伝えたい言葉は、かけてほしかった言葉は、少し違った。
それでも最初に出た言葉に、ギラは納得できたし、アオハはこれが正解だと思った。
「王様は、逃げない。どんな結末も、見届けるから。」
「宰相も、一緒に見届ける。王サマ一人だけで苦しませないよ。だから、大丈夫。」
「「行こう!!」」
互いに自分に言い聞かせるように。子守唄のように。
彼らは向かう。長い長い物語の終わりへ。その結末へ。
例えそれが、どれだけ望まぬものであったとしても。
受け入れる覚悟は、全てを負う覚悟は、もうとっくにできている。
「飛ばせ!!ハチスケ!カマリーナ!
トンボックリはスピード調整!!」
「クワゴン!バランス取って!パピント、タランチーノ、ZERO達を繋いで!」
わかっている。自分たちは世界の全て背負ってしまったと。
理解している。一歩間違えれば世界中から恨まれる仕事だと。
チキュー中から。死者の国でも。ずーっと。
知っている。……それでも、やる。
アオハに呼ばれたときから、ギラの直感が危険信号を鳴らしていた。
今だって。でも、大切な兄は言っていた。アオハは、覚悟が違うと。
いつもよりどろりとしたその声で、ラクレスは自分にそう告げた。
「テテ、トト、後ちょっとだから頑張って!」
その覚悟に、応えたかった。
弟であるヤンマみたいに。彼女の主君であるラクレスのように。
自分も彼女の力になりたかった。
関わったのがほんの数日だとしても、なにかできると思った。
だから、今、ここにいる。
姉弟にツッコミつつ、呆れつつ、ここにいる。
世界を救うためでも、大切な人を守りたいからでもあるけれど。


アオハは人に興味がない。
国の民が生きようが死のうが実はどうでもいい。
宰相としての言葉は、全て喝を入れるための方便。
自分の実力が全てのンコソパスラムで育ったからだろう。
でも、そんなアオハでも、自らについてくる人は別。喧嘩屋は大切な居場所だ。
救いたいと思うし、助けるためにできる限りのことをする。
大切だし、守りたい。
けれど、アオハにとってはどこまでもラクレスと弟が全てである。
命、世界、仲間。彼らのためなら全て投げ出せる。何もいらない。
存在してくれればそれでいい。
いいよ、守るよ。だから死なないで。危ない目に遭わないで。
綺麗なままで、生きていて。
ぐっちゃぐちゃで愛とも呼べない醜い感情は、宰相アオハの中で着実に育っていった。
主君と弟。それが自分の生きる理由。それ以外にない。
自分の空っぽの腹に、何を詰め込んだって一杯になってはくれない。
だから、その分を大切な人に分け与えていく。大切な人の、大切な人にも。
それが、生きる意味だってようやく、本当にようやく、気づけた。
「アーリン!パピントのことちゃんと支えてね!」
守らなければ、救わなければならないから。
飛び込む。火山の中へ。必ず、止める。
火山のスイッチを切らない限り、この戦いは終わらない。
「地上は任せるよ、ラクレス。」
民は避難させているだろう。トウフの守りは固めたか?
ンコソパ非常用電源は満タンか?知るすべはない。
残した王と、ラクレスに託そう。
この作戦が成功しようがしまいが必要になる。
ぐ、とレガシーのボディを掴む手を強くした。
「降りるぞ!!捕まれギラ!!」
エンジンが落ちる。真っ逆さまに落ちていく。
神が、守護神が、火山へと。
その姿はさながら神話の世界のようだった。

作者メッセージ

重いですね。重い。ずっしりしとります。
うーん、こんなはずではなかった。もうちょっとライトな感じであったのに。
どこから狂った……?ラクレスとアオハだな。ラクレスはもうちょいなんか知ってる感じだった。
あとヤンマが非常にシスコンであった。(N回目)
うーん、どうしよ。……まぁなんとかなるっしょ!(フラグ)
では!see you again!!

2025/09/27 16:38

ミコト
ID:≫ 8t/IaoonNB37w
コメント

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権はミコトさんに帰属します

TOP