「オーケー、クワゴンくん!カブタンくん!よろしくね!」
アオハは一人空を飛ぶレガシーの外面にしがみついていた。
宰相仕事で鍛えられた腕は、怪我をしていようが人間離れした力を発揮する。
片手で体を支えつつ、シュゴッドたちに指示を出す。
万一を思って外側につけておいた拘束外しのスイッチ。なんとかたどり着いてよかった。
これでシュゴッドは個々の意思で動けるはず。
聖剣を持って、声で語りかけ行う、たった二人の運命への悪あがき。
ギラの操縦と意思伝達、自分の指示に懸かる皆の命。
普通なら投げ出したくなるほど重ったらしい。けれど、背負い続けてきた二人は、そんなのお構い無し。
自分にできることを、するだけ。
ギラの頭の中では、アオハの心には、いつかの言葉が響いている。
「『王なら見届けろ。国の痛みは、全部、飲み込め。』」
決して軽くはない、その言葉。
自らの知る、ありったけの重みを纏う、ずっしりとした声色。
ヤンマが、アオハが、まだ新米のシュゴッダム国王に向かって放った、そんな言の葉。
『『お願い』で人は動かねぇぞ。』
『前見ろ。で、構えてろ。それが、今お前にできることだよ。』
それぞれの、伝えたい言葉は、かけてほしかった言葉は、少し違った。
それでも最初に出た言葉に、ギラは納得できたし、アオハはこれが正解だと思った。
「王様は、逃げない。どんな結末も、見届けるから。」
「宰相も、一緒に見届ける。王サマ一人だけで苦しませないよ。だから、大丈夫。」
「「行こう!!」」
互いに自分に言い聞かせるように。子守唄のように。
彼らは向かう。長い長い物語の終わりへ。その結末へ。
例えそれが、どれだけ望まぬものであったとしても。
受け入れる覚悟は、全てを負う覚悟は、もうとっくにできている。
「飛ばせ!!ハチスケ!カマリーナ!
トンボックリはスピード調整!!」
「クワゴン!バランス取って!パピント、タランチーノ、ZERO達を繋いで!」
わかっている。自分たちは世界の全て背負ってしまったと。
理解している。一歩間違えれば世界中から恨まれる仕事だと。
チキュー中から。死者の国でも。ずーっと。
知っている。……それでも、やる。
アオハに呼ばれたときから、ギラの直感が危険信号を鳴らしていた。
今だって。でも、大切な兄は言っていた。アオハは、覚悟が違うと。
いつもよりどろりとしたその声で、ラクレスは自分にそう告げた。
「テテ、トト、後ちょっとだから頑張って!」
その覚悟に、応えたかった。
弟であるヤンマみたいに。彼女の主君であるラクレスのように。
自分も彼女の力になりたかった。
関わったのがほんの数日だとしても、なにかできると思った。
だから、今、ここにいる。
姉弟にツッコミつつ、呆れつつ、ここにいる。
世界を救うためでも、大切な人を守りたいからでもあるけれど。
アオハは人に興味がない。
国の民が生きようが死のうが実はどうでもいい。
宰相としての言葉は、全て喝を入れるための方便。
自分の実力が全てのンコソパスラムで育ったからだろう。
でも、そんなアオハでも、自らについてくる人は別。喧嘩屋は大切な居場所だ。
救いたいと思うし、助けるためにできる限りのことをする。
大切だし、守りたい。
けれど、アオハにとってはどこまでもラクレスと弟が全てである。
命、世界、仲間。彼らのためなら全て投げ出せる。何もいらない。
存在してくれればそれでいい。
いいよ、守るよ。だから死なないで。危ない目に遭わないで。
綺麗なままで、生きていて。
ぐっちゃぐちゃで愛とも呼べない醜い感情は、宰相アオハの中で着実に育っていった。
主君と弟。それが自分の生きる理由。それ以外にない。
自分の空っぽの腹に、何を詰め込んだって一杯になってはくれない。
だから、その分を大切な人に分け与えていく。大切な人の、大切な人にも。
それが、生きる意味だってようやく、本当にようやく、気づけた。
「アーリン!パピントのことちゃんと支えてね!」
守らなければ、救わなければならないから。
飛び込む。火山の中へ。必ず、止める。
火山のスイッチを切らない限り、この戦いは終わらない。
「地上は任せるよ、ラクレス。」
民は避難させているだろう。トウフの守りは固めたか?
ンコソパ非常用電源は満タンか?知るすべはない。
残した王と、ラクレスに託そう。
この作戦が成功しようがしまいが必要になる。
ぐ、とレガシーのボディを掴む手を強くした。
「降りるぞ!!捕まれギラ!!」
エンジンが落ちる。真っ逆さまに落ちていく。
神が、守護神が、火山へと。
その姿はさながら神話の世界のようだった。
アオハは一人空を飛ぶレガシーの外面にしがみついていた。
宰相仕事で鍛えられた腕は、怪我をしていようが人間離れした力を発揮する。
片手で体を支えつつ、シュゴッドたちに指示を出す。
万一を思って外側につけておいた拘束外しのスイッチ。なんとかたどり着いてよかった。
これでシュゴッドは個々の意思で動けるはず。
聖剣を持って、声で語りかけ行う、たった二人の運命への悪あがき。
ギラの操縦と意思伝達、自分の指示に懸かる皆の命。
普通なら投げ出したくなるほど重ったらしい。けれど、背負い続けてきた二人は、そんなのお構い無し。
自分にできることを、するだけ。
ギラの頭の中では、アオハの心には、いつかの言葉が響いている。
「『王なら見届けろ。国の痛みは、全部、飲み込め。』」
決して軽くはない、その言葉。
自らの知る、ありったけの重みを纏う、ずっしりとした声色。
ヤンマが、アオハが、まだ新米のシュゴッダム国王に向かって放った、そんな言の葉。
『『お願い』で人は動かねぇぞ。』
『前見ろ。で、構えてろ。それが、今お前にできることだよ。』
それぞれの、伝えたい言葉は、かけてほしかった言葉は、少し違った。
それでも最初に出た言葉に、ギラは納得できたし、アオハはこれが正解だと思った。
「王様は、逃げない。どんな結末も、見届けるから。」
「宰相も、一緒に見届ける。王サマ一人だけで苦しませないよ。だから、大丈夫。」
「「行こう!!」」
互いに自分に言い聞かせるように。子守唄のように。
彼らは向かう。長い長い物語の終わりへ。その結末へ。
例えそれが、どれだけ望まぬものであったとしても。
受け入れる覚悟は、全てを負う覚悟は、もうとっくにできている。
「飛ばせ!!ハチスケ!カマリーナ!
トンボックリはスピード調整!!」
「クワゴン!バランス取って!パピント、タランチーノ、ZERO達を繋いで!」
わかっている。自分たちは世界の全て背負ってしまったと。
理解している。一歩間違えれば世界中から恨まれる仕事だと。
チキュー中から。死者の国でも。ずーっと。
知っている。……それでも、やる。
アオハに呼ばれたときから、ギラの直感が危険信号を鳴らしていた。
今だって。でも、大切な兄は言っていた。アオハは、覚悟が違うと。
いつもよりどろりとしたその声で、ラクレスは自分にそう告げた。
「テテ、トト、後ちょっとだから頑張って!」
その覚悟に、応えたかった。
弟であるヤンマみたいに。彼女の主君であるラクレスのように。
自分も彼女の力になりたかった。
関わったのがほんの数日だとしても、なにかできると思った。
だから、今、ここにいる。
姉弟にツッコミつつ、呆れつつ、ここにいる。
世界を救うためでも、大切な人を守りたいからでもあるけれど。
アオハは人に興味がない。
国の民が生きようが死のうが実はどうでもいい。
宰相としての言葉は、全て喝を入れるための方便。
自分の実力が全てのンコソパスラムで育ったからだろう。
でも、そんなアオハでも、自らについてくる人は別。喧嘩屋は大切な居場所だ。
救いたいと思うし、助けるためにできる限りのことをする。
大切だし、守りたい。
けれど、アオハにとってはどこまでもラクレスと弟が全てである。
命、世界、仲間。彼らのためなら全て投げ出せる。何もいらない。
存在してくれればそれでいい。
いいよ、守るよ。だから死なないで。危ない目に遭わないで。
綺麗なままで、生きていて。
ぐっちゃぐちゃで愛とも呼べない醜い感情は、宰相アオハの中で着実に育っていった。
主君と弟。それが自分の生きる理由。それ以外にない。
自分の空っぽの腹に、何を詰め込んだって一杯になってはくれない。
だから、その分を大切な人に分け与えていく。大切な人の、大切な人にも。
それが、生きる意味だってようやく、本当にようやく、気づけた。
「アーリン!パピントのことちゃんと支えてね!」
守らなければ、救わなければならないから。
飛び込む。火山の中へ。必ず、止める。
火山のスイッチを切らない限り、この戦いは終わらない。
「地上は任せるよ、ラクレス。」
民は避難させているだろう。トウフの守りは固めたか?
ンコソパ非常用電源は満タンか?知るすべはない。
残した王と、ラクレスに託そう。
この作戦が成功しようがしまいが必要になる。
ぐ、とレガシーのボディを掴む手を強くした。
「降りるぞ!!捕まれギラ!!」
エンジンが落ちる。真っ逆さまに落ちていく。
神が、守護神が、火山へと。
その姿はさながら神話の世界のようだった。
- 1.始まり
- 2.ブレスレット
- 3.ロゼアという国
- 4.ゴッドホッパーの反乱?
- 5.ラクレスの隠し事?
- 6.悲劇の始まり
- 7.行方知れず
- 8.ンコソパ国王の過去 【前編】
- 9.ンコソパ国王の過去 【後編】
- 10.マフィアを動かせ
- 11.ハッキング
- 12.マフィアとシエボル?
- 13.ロゼアへの道
- 14.宝石の国
- 15.戦慄のシエボル
- 16.力を以って
- 17.宰相様と国王サマ
- 18.邪智暴虐の
- 19.シスコン総長と呑気な女宰相
- 20.お姉ちゃん
- 21.二人のお兄ちゃん
- 22.スズメのご飯はチキュー1 byアオハ
- 23.スズメとアオハ【前編】
- 24.スズメとアオハ 【中編】
- 25.スズメとアオハ 【後編】
- 26.選ぶ結末、選ぶ未来
- 27.子守唄
- 28.眠る宰相、明けのカラス
- 29.宰相の異変
- 30.終わりの始まり、
- 31.目覚まし時計
- 32.生きる意味ってなんですか
- 33.戦闘民族(?)
- 34.太古の守護神
- 35.王と王妃
- 36.フィナーレ開幕
- 37.宰相の遺産
- 38.ラポネ・リバナラクという男
- 39.宰相たちの墓場【前編】
- 40.宰相たちの墓場【中編】
- 41.宰相たちの墓場【中編その2】
- 42.宰相の墓場 【後編】
- 43.冷却、そして覚悟
- 44.物語の終わりへ結末へ。
- 45.アオハとシエボル【前編】
- 46.アオハとシエボル【中編】
- 47.落下、そして墜落