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ネクストステージ! 最強の国の秘密

#43

冷却、そして覚悟

「待って!!!やめてよ!!」
アオハの叫びはどこまでも悲痛だ。
仕方がない。弟が自らの代わりに犠牲になろうとしているのだから。
「ヤンマ!!何やってんの!!」
宰相の証は何故か使えない。弟がなにか細工をしていたのは確かだ。
レガシーはゆっくり動き出す。バチバチとどこからかショートする音がする。
大昔に作られたものだ。どこか電流回路に間違いがあってもおかしくはない。
「わわっ!?揺れる揺れる!!」
揺れも普通のキングオージャーに比べ、強い。
アオハの思考はその二つに引っ張られた。
「なんかないか、なんかないかっっ……!!!」
コントロール画面を開き、ポチポチ。操縦はもはやギラに任せる。
全員がなんとか生き残れる方法は?エネルギー核を冷却するには?
少しずつ頭が回っていく。冷却用水源と、冷却用熱放出口はまだ残っているはずだ。
起動すれば助かるかもしれない。高電圧については電流制御しか方法はない。
やっぱりヤンマを生き残らせるしか方法はない!!!
でも、レガシーの完璧な操縦には生贄がいる。最高温度で液体エネルギーを作るために。
困ったことにエネルギー核はほぼ密室で、私は戻れない。
ヤンマは生贄にしたくない。すれば世界が終わりかねない。
それをヤンマもわかっているから、あえて自分を囮にしたのだ。
「あのペケポン。」
迷っている暇はない。
冷却できるか否かはおいておいて、冷却しながらでも動かせるようにしなければ。
ラップトップもデスクトップもない中で……なんとかなるだろ!
万年アナログ宰相舐めんな!?
「ギラ、ヤンマは私に任せろ。操縦はお前な!」
「そう言うと思った!」
この姉弟!らしくもないツッコミがギラから飛び出す。
でも、その目は笑っていた。
「任せてよ。」
もはやこの姉弟に振り回されるだけされてやろう。そう、覚悟を決めた。
兄と同じような道。やはり彼らも兄弟だからであろうか?
「ねぇ、お姉ちゃん。」
「なぁに、ギラ。」
「この戦いが終わったらさ、お兄ちゃんのこと、聞かせて?」
その答えは、もう決まっている。


[水平線]


熱い。熱い。熱い。
体の水という水が吹き出てきそうだ。死ぬとか死なないとか以前に地獄。
灼熱地獄ってこういうのを言うのだろうか。何にせよ地獄。
なぜ温度をじわじわ上げるという、自らの首を絞めるような細工をしたのだろう。
いや姉を救いたいという一心か。そう言えば何も考えていなかった。
「はぁっ……はあっ……ふ、ふ、」
少しずつ呼吸の仕方も慣れて、熱い空気で肺が焼けそうになるのもマシになった。
意識がなくなりかけているとも言う。
いろんなことが頭を駆け巡る。熱い。熱い。
自分の遺体をヒメノが見たら、すごい顔をするだろう。
もしかしたら遺体も残らないかもしれない。
はは、と笑ってみるが、冗談じゃない。干からびた死体なんて見せてたまるか。
しかし熱い。核を金属で作らなくてよかった。流石に焼肉になる。
ジュウ。どこからかはじける音がする。
何の音?朦朧とする意識の中ぐい、とそちらを見る。
ザバ、と入ってくる大量の冷水。触覚が言う、温度約5℃。冷たい。
というか感覚がおかしくなりそうだ。ゴクリ、喉を鳴らして水を飲む。
「ふ、ぷはぁっ。」
意識がはっきりしてきた。大丈夫、多分耐えられる。
「この水、どこから?」
上を見上げれば大きな穴。風が通って気持ちいい。
冷却用水。そう言えばそんなのが設計図にあった気がする。
その水を今、姉が解放したのだ。
……ボロに超防水加工施しておいて正解だった。水につかったくらいじゃ問題なし。
「ねえ、ちゃん?」
なぁ、知ってるのか?自らが血の繋がらない弟だと。
わかっているのか?血の繋がらない他人はもとより、血の繋がる家族を守ることすら[漢字]スラム[/漢字][ふりがな]あそこ[/ふりがな]では難しいことだと。
気づいているのか?自分に死ぬ気などなかったことを。
……理解しているのか?このままではチキューは滅ぶということを。
レガシーの中にあるパソコンは、ボロ一つだけ。
デスクトップはもちろん、ラップトップすらない。いきなり冷却して機械が止まらないわけもない。
どうする気なんだ、あの姉は。テレポは使えねぇぞ?
−大丈夫、大丈夫!任せとけって!−
脳天気な声が聞こえた、気がした。

作者メッセージ

さぁ、いよいよクライマックス!!!
ここから三人はどうなっていくのか?
ラクレスは今何をやろうとしているのか?
乞うご期待!では!see you again!!

2025/08/23 14:17

ミコト
ID:≫ 8t/IaoonNB37w
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