「待って!!!やめてよ!!」
アオハの叫びはどこまでも悲痛だ。
仕方がない。弟が自らの代わりに犠牲になろうとしているのだから。
「ヤンマ!!何やってんの!!」
宰相の証は何故か使えない。弟がなにか細工をしていたのは確かだ。
レガシーはゆっくり動き出す。バチバチとどこからかショートする音がする。
大昔に作られたものだ。どこか電流回路に間違いがあってもおかしくはない。
「わわっ!?揺れる揺れる!!」
揺れも普通のキングオージャーに比べ、強い。
アオハの思考はその二つに引っ張られた。
「なんかないか、なんかないかっっ……!!!」
コントロール画面を開き、ポチポチ。操縦はもはやギラに任せる。
全員がなんとか生き残れる方法は?エネルギー核を冷却するには?
少しずつ頭が回っていく。冷却用水源と、冷却用熱放出口はまだ残っているはずだ。
起動すれば助かるかもしれない。高電圧については電流制御しか方法はない。
やっぱりヤンマを生き残らせるしか方法はない!!!
でも、レガシーの完璧な操縦には生贄がいる。最高温度で液体エネルギーを作るために。
困ったことにエネルギー核はほぼ密室で、私は戻れない。
ヤンマは生贄にしたくない。すれば世界が終わりかねない。
それをヤンマもわかっているから、あえて自分を囮にしたのだ。
「あのペケポン。」
迷っている暇はない。
冷却できるか否かはおいておいて、冷却しながらでも動かせるようにしなければ。
ラップトップもデスクトップもない中で……なんとかなるだろ!
万年アナログ宰相舐めんな!?
「ギラ、ヤンマは私に任せろ。操縦はお前な!」
「そう言うと思った!」
この姉弟!らしくもないツッコミがギラから飛び出す。
でも、その目は笑っていた。
「任せてよ。」
もはやこの姉弟に振り回されるだけされてやろう。そう、覚悟を決めた。
兄と同じような道。やはり彼らも兄弟だからであろうか?
「ねぇ、お姉ちゃん。」
「なぁに、ギラ。」
「この戦いが終わったらさ、お兄ちゃんのこと、聞かせて?」
その答えは、もう決まっている。
[水平線]
熱い。熱い。熱い。
体の水という水が吹き出てきそうだ。死ぬとか死なないとか以前に地獄。
灼熱地獄ってこういうのを言うのだろうか。何にせよ地獄。
なぜ温度をじわじわ上げるという、自らの首を絞めるような細工をしたのだろう。
いや姉を救いたいという一心か。そう言えば何も考えていなかった。
「はぁっ……はあっ……ふ、ふ、」
少しずつ呼吸の仕方も慣れて、熱い空気で肺が焼けそうになるのもマシになった。
意識がなくなりかけているとも言う。
いろんなことが頭を駆け巡る。熱い。熱い。
自分の遺体をヒメノが見たら、すごい顔をするだろう。
もしかしたら遺体も残らないかもしれない。
はは、と笑ってみるが、冗談じゃない。干からびた死体なんて見せてたまるか。
しかし熱い。核を金属で作らなくてよかった。流石に焼肉になる。
ジュウ。どこからかはじける音がする。
何の音?朦朧とする意識の中ぐい、とそちらを見る。
ザバ、と入ってくる大量の冷水。触覚が言う、温度約5℃。冷たい。
というか感覚がおかしくなりそうだ。ゴクリ、喉を鳴らして水を飲む。
「ふ、ぷはぁっ。」
意識がはっきりしてきた。大丈夫、多分耐えられる。
「この水、どこから?」
上を見上げれば大きな穴。風が通って気持ちいい。
冷却用水。そう言えばそんなのが設計図にあった気がする。
その水を今、姉が解放したのだ。
……ボロに超防水加工施しておいて正解だった。水につかったくらいじゃ問題なし。
「ねえ、ちゃん?」
なぁ、知ってるのか?自らが血の繋がらない弟だと。
わかっているのか?血の繋がらない他人はもとより、血の繋がる家族を守ることすら[漢字]スラム[/漢字][ふりがな]あそこ[/ふりがな]では難しいことだと。
気づいているのか?自分に死ぬ気などなかったことを。
……理解しているのか?このままではチキューは滅ぶということを。
レガシーの中にあるパソコンは、ボロ一つだけ。
デスクトップはもちろん、ラップトップすらない。いきなり冷却して機械が止まらないわけもない。
どうする気なんだ、あの姉は。テレポは使えねぇぞ?
−大丈夫、大丈夫!任せとけって!−
脳天気な声が聞こえた、気がした。
アオハの叫びはどこまでも悲痛だ。
仕方がない。弟が自らの代わりに犠牲になろうとしているのだから。
「ヤンマ!!何やってんの!!」
宰相の証は何故か使えない。弟がなにか細工をしていたのは確かだ。
レガシーはゆっくり動き出す。バチバチとどこからかショートする音がする。
大昔に作られたものだ。どこか電流回路に間違いがあってもおかしくはない。
「わわっ!?揺れる揺れる!!」
揺れも普通のキングオージャーに比べ、強い。
アオハの思考はその二つに引っ張られた。
「なんかないか、なんかないかっっ……!!!」
コントロール画面を開き、ポチポチ。操縦はもはやギラに任せる。
全員がなんとか生き残れる方法は?エネルギー核を冷却するには?
少しずつ頭が回っていく。冷却用水源と、冷却用熱放出口はまだ残っているはずだ。
起動すれば助かるかもしれない。高電圧については電流制御しか方法はない。
やっぱりヤンマを生き残らせるしか方法はない!!!
でも、レガシーの完璧な操縦には生贄がいる。最高温度で液体エネルギーを作るために。
困ったことにエネルギー核はほぼ密室で、私は戻れない。
ヤンマは生贄にしたくない。すれば世界が終わりかねない。
それをヤンマもわかっているから、あえて自分を囮にしたのだ。
「あのペケポン。」
迷っている暇はない。
冷却できるか否かはおいておいて、冷却しながらでも動かせるようにしなければ。
ラップトップもデスクトップもない中で……なんとかなるだろ!
万年アナログ宰相舐めんな!?
「ギラ、ヤンマは私に任せろ。操縦はお前な!」
「そう言うと思った!」
この姉弟!らしくもないツッコミがギラから飛び出す。
でも、その目は笑っていた。
「任せてよ。」
もはやこの姉弟に振り回されるだけされてやろう。そう、覚悟を決めた。
兄と同じような道。やはり彼らも兄弟だからであろうか?
「ねぇ、お姉ちゃん。」
「なぁに、ギラ。」
「この戦いが終わったらさ、お兄ちゃんのこと、聞かせて?」
その答えは、もう決まっている。
[水平線]
熱い。熱い。熱い。
体の水という水が吹き出てきそうだ。死ぬとか死なないとか以前に地獄。
灼熱地獄ってこういうのを言うのだろうか。何にせよ地獄。
なぜ温度をじわじわ上げるという、自らの首を絞めるような細工をしたのだろう。
いや姉を救いたいという一心か。そう言えば何も考えていなかった。
「はぁっ……はあっ……ふ、ふ、」
少しずつ呼吸の仕方も慣れて、熱い空気で肺が焼けそうになるのもマシになった。
意識がなくなりかけているとも言う。
いろんなことが頭を駆け巡る。熱い。熱い。
自分の遺体をヒメノが見たら、すごい顔をするだろう。
もしかしたら遺体も残らないかもしれない。
はは、と笑ってみるが、冗談じゃない。干からびた死体なんて見せてたまるか。
しかし熱い。核を金属で作らなくてよかった。流石に焼肉になる。
ジュウ。どこからかはじける音がする。
何の音?朦朧とする意識の中ぐい、とそちらを見る。
ザバ、と入ってくる大量の冷水。触覚が言う、温度約5℃。冷たい。
というか感覚がおかしくなりそうだ。ゴクリ、喉を鳴らして水を飲む。
「ふ、ぷはぁっ。」
意識がはっきりしてきた。大丈夫、多分耐えられる。
「この水、どこから?」
上を見上げれば大きな穴。風が通って気持ちいい。
冷却用水。そう言えばそんなのが設計図にあった気がする。
その水を今、姉が解放したのだ。
……ボロに超防水加工施しておいて正解だった。水につかったくらいじゃ問題なし。
「ねえ、ちゃん?」
なぁ、知ってるのか?自らが血の繋がらない弟だと。
わかっているのか?血の繋がらない他人はもとより、血の繋がる家族を守ることすら[漢字]スラム[/漢字][ふりがな]あそこ[/ふりがな]では難しいことだと。
気づいているのか?自分に死ぬ気などなかったことを。
……理解しているのか?このままではチキューは滅ぶということを。
レガシーの中にあるパソコンは、ボロ一つだけ。
デスクトップはもちろん、ラップトップすらない。いきなり冷却して機械が止まらないわけもない。
どうする気なんだ、あの姉は。テレポは使えねぇぞ?
−大丈夫、大丈夫!任せとけって!−
脳天気な声が聞こえた、気がした。
- 1.始まり
- 2.ブレスレット
- 3.ロゼアという国
- 4.ゴッドホッパーの反乱?
- 5.ラクレスの隠し事?
- 6.悲劇の始まり
- 7.行方知れず
- 8.ンコソパ国王の過去 【前編】
- 9.ンコソパ国王の過去 【後編】
- 10.マフィアを動かせ
- 11.ハッキング
- 12.マフィアとシエボル?
- 13.ロゼアへの道
- 14.宝石の国
- 15.戦慄のシエボル
- 16.力を以って
- 17.宰相様と国王サマ
- 18.邪智暴虐の
- 19.シスコン総長と呑気な女宰相
- 20.お姉ちゃん
- 21.二人のお兄ちゃん
- 22.スズメのご飯はチキュー1 byアオハ
- 23.スズメとアオハ【前編】
- 24.スズメとアオハ 【中編】
- 25.スズメとアオハ 【後編】
- 26.選ぶ結末、選ぶ未来
- 27.子守唄
- 28.眠る宰相、明けのカラス
- 29.宰相の異変
- 30.終わりの始まり、
- 31.目覚まし時計
- 32.生きる意味ってなんですか
- 33.戦闘民族(?)
- 34.太古の守護神
- 35.王と王妃
- 36.フィナーレ開幕
- 37.宰相の遺産
- 38.ラポネ・リバナラクという男
- 39.宰相たちの墓場【前編】
- 40.宰相たちの墓場【中編】
- 41.宰相たちの墓場【中編その2】
- 42.宰相の墓場 【後編】
- 43.冷却、そして覚悟
- 44.物語の終わりへ結末へ。
- 45.アオハとシエボル【前編】
- 46.アオハとシエボル【中編】
- 47.落下、そして墜落