ラクレスは地下で一人呆然と立っていた。
五人の宰相が走り去った方をずっと見ていた。
全てが終わるのだ。今日。……全てが終わり、また、始まる。
ヤンマはどう思うのだろう。私を恨むだろうか。もう恨んでいるか。
ロゼアを滅ぼすと躍起になるだろうか。やりすぎないことを願おう。
隣にそっと寄り添うスズメは、自分よりずっと、覚悟は決まっているように見える。
「……私は、王であれただろうか。」
「えぇ。ラクレス様は、きっと、アオハ様が考える主君であり、王であったのでしょう。」
妻の笑顔に、どれほど救われたかわからない。
ラクレスはぐっと手を握りしめた。
五人の宰相は目覚めた。あとは彼らに任せるしかない。
これは宰相の戦いだ。宰相が繋いできたバトンだ。
王がやすやすと足を突っ込んでいいわけがない。
でも、それでも。ラクレスはZEROに手をかけた。
「……宰相を、仲間を、親友を。なぜ見捨てなければならない。」
たった一人の【仲間】であった。
たった一人の【親友】であった。
もはや【家族】ですらあった。自覚していないだけで。
自分はやっぱり諦められない。ラクレスはわかっていた。
諦められないのに、助けるための力がない。
ずっと、ずっと、ずっと。
母親の時も。コーサスの時も。ギラの時も。『神の怒り』の時も。
バグナラクの進行の時も。……宇蟲王の時さえも。
何度人のいないところで願ったか、叫んだか、泣いたか、想像もつかない。
なのに、運命は残酷で。自分に息つく暇を与えなかった。
半分狂っていたのかもしれない。というか狂ったかもしれない。……アオハがいなければ。
大切だった。妹のようだった。守りたいと思った。けれど守られてばかりだった。
笑うその顔が。好きで好きで仕方なかった。
「ラクレス様がそう思うのであらば、それに従い、行動なさいませ。」
はっと、芯の通ったその言葉で我に返る。
「貴方様は王。しかし邪智暴虐の王でございましょう?
ならば、世界の理など知ったことではありません。自らの思いのとおりに、行動なさいませ。」
真っ直ぐ、真っ直ぐ。彼女はラクレスを見つめていた。
そうだ。ならば、もう、やることは決まっている。
「スズメ!避難民の誘導を優先!兵たちを手伝ってやってくれ!」
「わかりましたわ。」
スズメに指示を出し、私たちは出口へ急ぐ。
走ればそこまで長い距離ではない。
別れる寸前、彼女は振り向いて、真面目な顔で言った。。
「……アオハ様を、よろしくお願い致します。」
ラクレスは、言葉を返さず頷くことで、返事とした。
[水平線]
外の状況は思ったより良かった。
なぜか兵たち(人形であったであろう土)が真ん中に道を作ったように避けて転がされている。
騒ぎを聞くに、もう戦いは始まってるようだ。
急がなければ。既にサクトたちと相対しているのだとしたら時間はもうないぞ。
いそげ、急げ。キングオージャーレガシーが見える場所へ。
そこが、そこが___
宰相たちの墓場になってしまうのだから。
・・・
一方その頃 宰相たちは。
「やるなぁ、おい、」
「6対1とは卑怯な………。」
サクトと戦っていた。
まだ世界に出てきて数分しか経っていないからか、宰相たちの動きは鈍い。
アオハはアオハで、アドレナリンが切れてきて肩で息をしている。
「何をする気だ?俺達は死んでも生き返るぞ。
体の予備など、命の予備など、無限にある。」
余裕を持って、サクトはいう。
ラポネへの恐怖は残れど、争いの国を生き抜いてきた王である。
「命を、何だと思っている?」
最初にキレたのは美と医療の国イシャバーナ出身のフォリア。
ぴきりと青筋が立つ。がサクトはひょうひょうとかわしてニコっと笑う。
あぁ、やはり。このままにしてくのは危ないか。
アオハはそうっと、しかし確実に、ポケットの中のボタンを押した。
五人の宰相が走り去った方をずっと見ていた。
全てが終わるのだ。今日。……全てが終わり、また、始まる。
ヤンマはどう思うのだろう。私を恨むだろうか。もう恨んでいるか。
ロゼアを滅ぼすと躍起になるだろうか。やりすぎないことを願おう。
隣にそっと寄り添うスズメは、自分よりずっと、覚悟は決まっているように見える。
「……私は、王であれただろうか。」
「えぇ。ラクレス様は、きっと、アオハ様が考える主君であり、王であったのでしょう。」
妻の笑顔に、どれほど救われたかわからない。
ラクレスはぐっと手を握りしめた。
五人の宰相は目覚めた。あとは彼らに任せるしかない。
これは宰相の戦いだ。宰相が繋いできたバトンだ。
王がやすやすと足を突っ込んでいいわけがない。
でも、それでも。ラクレスはZEROに手をかけた。
「……宰相を、仲間を、親友を。なぜ見捨てなければならない。」
たった一人の【仲間】であった。
たった一人の【親友】であった。
もはや【家族】ですらあった。自覚していないだけで。
自分はやっぱり諦められない。ラクレスはわかっていた。
諦められないのに、助けるための力がない。
ずっと、ずっと、ずっと。
母親の時も。コーサスの時も。ギラの時も。『神の怒り』の時も。
バグナラクの進行の時も。……宇蟲王の時さえも。
何度人のいないところで願ったか、叫んだか、泣いたか、想像もつかない。
なのに、運命は残酷で。自分に息つく暇を与えなかった。
半分狂っていたのかもしれない。というか狂ったかもしれない。……アオハがいなければ。
大切だった。妹のようだった。守りたいと思った。けれど守られてばかりだった。
笑うその顔が。好きで好きで仕方なかった。
「ラクレス様がそう思うのであらば、それに従い、行動なさいませ。」
はっと、芯の通ったその言葉で我に返る。
「貴方様は王。しかし邪智暴虐の王でございましょう?
ならば、世界の理など知ったことではありません。自らの思いのとおりに、行動なさいませ。」
真っ直ぐ、真っ直ぐ。彼女はラクレスを見つめていた。
そうだ。ならば、もう、やることは決まっている。
「スズメ!避難民の誘導を優先!兵たちを手伝ってやってくれ!」
「わかりましたわ。」
スズメに指示を出し、私たちは出口へ急ぐ。
走ればそこまで長い距離ではない。
別れる寸前、彼女は振り向いて、真面目な顔で言った。。
「……アオハ様を、よろしくお願い致します。」
ラクレスは、言葉を返さず頷くことで、返事とした。
[水平線]
外の状況は思ったより良かった。
なぜか兵たち(人形であったであろう土)が真ん中に道を作ったように避けて転がされている。
騒ぎを聞くに、もう戦いは始まってるようだ。
急がなければ。既にサクトたちと相対しているのだとしたら時間はもうないぞ。
いそげ、急げ。キングオージャーレガシーが見える場所へ。
そこが、そこが___
宰相たちの墓場になってしまうのだから。
・・・
一方その頃 宰相たちは。
「やるなぁ、おい、」
「6対1とは卑怯な………。」
サクトと戦っていた。
まだ世界に出てきて数分しか経っていないからか、宰相たちの動きは鈍い。
アオハはアオハで、アドレナリンが切れてきて肩で息をしている。
「何をする気だ?俺達は死んでも生き返るぞ。
体の予備など、命の予備など、無限にある。」
余裕を持って、サクトはいう。
ラポネへの恐怖は残れど、争いの国を生き抜いてきた王である。
「命を、何だと思っている?」
最初にキレたのは美と医療の国イシャバーナ出身のフォリア。
ぴきりと青筋が立つ。がサクトはひょうひょうとかわしてニコっと笑う。
あぁ、やはり。このままにしてくのは危ないか。
アオハはそうっと、しかし確実に、ポケットの中のボタンを押した。
- 1.始まり
- 2.ブレスレット
- 3.ロゼアという国
- 4.ゴッドホッパーの反乱?
- 5.ラクレスの隠し事?
- 6.悲劇の始まり
- 7.行方知れず
- 8.ンコソパ国王の過去 【前編】
- 9.ンコソパ国王の過去 【後編】
- 10.マフィアを動かせ
- 11.ハッキング
- 12.マフィアとシエボル?
- 13.ロゼアへの道
- 14.宝石の国
- 15.戦慄のシエボル
- 16.力を以って
- 17.宰相様と国王サマ
- 18.邪智暴虐の
- 19.シスコン総長と呑気な女宰相
- 20.お姉ちゃん
- 21.二人のお兄ちゃん
- 22.スズメのご飯はチキュー1 byアオハ
- 23.スズメとアオハ【前編】
- 24.スズメとアオハ 【中編】
- 25.スズメとアオハ 【後編】
- 26.選ぶ結末、選ぶ未来
- 27.子守唄
- 28.眠る宰相、明けのカラス
- 29.宰相の異変
- 30.終わりの始まり、
- 31.目覚まし時計
- 32.生きる意味ってなんですか
- 33.戦闘民族(?)
- 34.太古の守護神
- 35.王と王妃
- 36.フィナーレ開幕
- 37.宰相の遺産
- 38.ラポネ・リバナラクという男
- 39.宰相たちの墓場【前編】
- 40.宰相たちの墓場【中編】
- 41.宰相たちの墓場【中編その2】
- 42.宰相の墓場 【後編】
- 43.冷却、そして覚悟
- 44.物語の終わりへ結末へ。
- 45.アオハとシエボル【前編】
- 46.アオハとシエボル【中編】
- 47.落下、そして墜落