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ネクストステージ! 最強の国の秘密

#32

生きる意味ってなんですか

物心ついたときから両手は穢れていた。
今より数倍、いや、数十倍治安の悪かったンコソパで生きていくために。
やれることはすべてやった。
幼い、赤ん坊のヤンマを抱いて、街を駆けずり回った。
ミルクは盗った。盗るしかなかった。
それで生きれるなら良かった。
飢えて死ぬ仲間が大勢いた。店の主人に捕まって、ゴッカン行きになる子どもがたくさんいた。
生きていられるだけ、ここにいられるだけ良かった。
腹はいつだって空っぽだった。
満腹なんて考えたことすらなかった。
今だって、自分は愛に飢え、寂しさが愛しさを消し去っていく。
自分はいつだって、空っぽの存在だった。
生きるための知識も、技術も身に着けた。
生きること。生き延びること。それだけを目標に生きてきた。
手が汚れようが、体が傷もうが、生きているならそれでいい。
そういう精神でやってきた。それが、喧嘩屋にして宰相アオハの生き方だ。
……だから、ヤンマにはそんなふうになってほしくなかった。
自分のために、自分の好きなことをやって、生きていてほしい。
ずっとそう願って、そのために根回しもした。
ヤンマの手は決して汚してはならない。13番ストリート喧嘩屋の鉄則である。
彼が総長になったと聞いて、飛び上がるほど嬉しかった。
大切な弟が、大切なものを見つけ出せたのだから。

自分はどうだろう。この19年で大切なものを見つけ出せたのだろうか。
ここまで生きていて良かったのだろうか。
たまにふと、そう思ってしまうことがある。
この戦いの結果がどうでも、自分は約2000年の眠りにつく。
家族や主人から離れて、未来の王たちのために。
はてさて、自分は生まれるときから生贄になる運命だったとしたならば、
ここまでの道のりに意味はあるのだろうか。
たまに浮かんでくるそんな思いは、ラクレスが蹴飛ばしてくれた。
彼はいつだって自分を包みこんでくれた。
不安なときは側にいてくれた。
それにどれだけ救われたことか。
……なんでラクレスは、こんな犯罪者のことを宰相としてくれたのだろう。
最初に一度だけ、そう思ったこともある。
極度のお人好しがそうさせたのか、はたまた定めというものか。
そう。昔からだ。彼のお人好しは、ずっとずっと、変わらなかった。
今までも、これからも。ずぅぅっと、永久に。
だから彼には、生きていてほしい。いつまでも。
そのお人好しで、みんなを守ってあげてほしい。
「ねぇ?ラクレス。」
淡い気持ちが混ざったこともあった。
でも、それは今の自分にはいらない気持ち。
現世への未練と心残り、悲しさや苦しさを残すお荷物。
ここにおいていこう。戦場において。
敵が崩れ去る。足がぐらつく。前へいかなければ。
敵を、幹部格を叩き潰さなければ。
それが、自分に残された最後の仕事なのだから。
「どけどけぇ!!創造の宰相様のお通りじゃぁ!!」
自分の全てを、この戦いにかけて。
これが創造の宰相、アオハ・ガストの生き方だ。




「来たのか。シエボル。」
「まだその名で呼んでおられるのですか。サクト様。」
皮肉るようにアオハは笑った。
ロゼアの幹部が勢揃いしている中、全く動じていないのは流石といったところだろうか。
「裏切り者めが何を言うておる。」
「お、まだ腕治ってねぇの。悪い事したね。」
アオハが言う通りテスルクの利き腕は治ってないらしい。
利き腕とは逆の方の手に槍が握られていた。
テスルクはそれに憤慨したようで、すぐに飛びかかっていこうとしたが、カーデに止められた。
「テスルク様。俺にお任せください。
灼熱州統括長の腕を借りるまでもございませぬ。」
「カーデ、無理するなよ。俺も加勢しようか。」
「一人でできるわ、バカ兄貴。」
カーデは剣を構え、アオハの方に向き直った。
さすがは軍隊長。構えに一切隙がないことをアオハは内心褒めた。
楽しみだな、そう思ってしまう自分がいる。
戦闘民族の血のような。アオハの中に眠る喧嘩民の性格が。
「さぁ、お手並み拝見?」
「戦慄のシエボルの名は返上してもらいますよ。」

作者メッセージ

こんにちは!ミコトです。お久に投稿いたしました。
なんかライト版の方も結構見られてて嬉しいです!
どっちもご愛顧よろしくお願いします!
では!See you again!

2025/02/24 09:44

ミコト
ID:≫ 8t/IaoonNB37w
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