文字サイズ変更

ネクストステージ! 最強の国の秘密

#26

選ぶ結末、選ぶ未来

「そんなこともありましたね〜。」
「お、おい、どこまで仲が進んでいるんだスズメ!?」
「あら?ご嫉妬?お可愛らしい。」
王たちは何も見ていないと言わんがばかりに黙々と食べ物を口に詰め込む。
2年も経てば、このイチャつきにもなれるものだ。
_____兄馬鹿を除き。
「仲の良いことは素晴らしきことぉ!!」
バキン。衝撃で持っていた扇子が折れる。
こういうやつなのだ。カグラギという男は。
「兄馬鹿。」「兄馬鹿。」「兄馬鹿。」
そして王たちからの兄馬鹿三重奏。
ニコニコ笑っていたカグラギも流石にシュン。
そんな中でも二人のイチャイチャは止まらない。
流石にアオハに帰ってこいと王たちがいいたくなった、その時だった。
ピンポロピロロン。
ラクレスの携帯がなった。
「もしもし?」
向こうからはスピーカーを付けずとも聞こえるどでかいアオハの声。
その声は、少し焦っているようだった。
『おいラクレス!!!地下の危険レベル上がってるぞ!!
王たち連れていつものとこ来い!』
「本当か!?すぐ行く。スズメ、支度を。」
アオハの言葉を受けて、ラクレスはすぐに立ち上がる。
スズメも慣れた手つきで荷物をラクレスにもたせると、頭を下げた。
「御武運を、ラクレス様。」
「あぁ。……ヒメノ、裁判長、カグラギ、ジェラミー。来てくれ。」
「なぁに、命令しないで。」
「……緊急事態か。」
「仕方ありませぬなぁ。」
「おっとぉ。のんびりしている暇はなさそうだ。」



[水平線]


「アオハ!」
「おせーぞラクレス!!」
いつものとこ、とは城の奥深くにある研究室だったらしい。
何やらよくわからない機械がそこら中に散りばめられている。
「それで?今のレベルは。」
「最高56。現在48。」
「高いな……。どこが一番高い?」
「リニエッラ海底火山。」
「まずくないか?」
「まずいどころじゃねぇよ。」
専門用語のような言葉を並べながら二人は互いに画面を見る。
リニエッラ海底火山とは、チキューのトウフ・ゴッカン・シュゴッダムの間に位置する巨大な火山のことだ。
一回の噴火で人類の三割が死亡すると予測されているほどの。
「な、何のこと?」
「あぁ、まだ話していなかったか。」
ラクレスがヒメノの言葉に反応し、王たちの方を向く。
「ロゼアは火山も司っている。
チキューの最深部はロゼアの中でも大切なエネルギー源だ。
そこをロゼアの者は[太字]コーオン[/太字]と呼ぶ。」
「ちなみにそこの守護神がゴッドスコーピオン。」
フォワンフォワンという音とともに、画面が大きくなり、王たちの前に映し出される。
そこには、リニエッラ海底火山の断面図が描かれていた。
「リニエッラ海底火山はこれまで一度も噴火したことはないと考えられている。
むしろ火山であるかどうかすら怪しいくらいだ。
でも、ここ最近異常に地下のエネルギーが高まってんだ。特にそこ付近は。」
アオハが画像を動かしながら解説する。
「ロゼアとなにか関係が?」
カグラギがそう問うてみる。
しかしアオハは腕を組んで応えようとしない。
「わかんねぇな……。ロゼアだった場合、何をしたいのかが読めねぇし、
自然だった場合は偶然が過ぎる。」
「リニエッラ海底火山が今噴火した場合の被害予想は?」
リタの言葉に、アオハは目を伏せる。
しかしそれは一瞬のことですぐに顔を上げるとキーボードを打ち始めた。
程なくして画面にチキューが映し出される。
「今、噴火した場合。」
ドンッ。画面の中で火山が火を噴く。いや、土煙を噴いた。
その土煙はたちまちにチキューを覆い、最終的にどこもかしこも灰色になってしまった。
「まず津波は世界各国を襲う。
むしろ襲わないところのほうが珍しいだろ。
高さは人類が体感してきたどの津波よりも高い。」
煙が除かれ、波が国を襲うのがみえる。
一瞬のうちに国々が水に飲み込まれていく。
「そして。ンコソパの電源は全部落ちる。
そこからは……わかるだろ。」
チキュー中についていた明かりがパッと消える。
そしてその後は……。想像するのも恐ろしい。
「そして世界は冬になる。どこでもゴッカン並の寒さになるだろうな。
むしろそれ以上かもしれねぇ。電気がない分凍死者が続出し、
食料も安定供給できねぇから餓死者も続出する。
最低でもそれが……数ヶ月続く。長いと2、3年。」
王たちの背筋が伸びる。
神の怒りより恐ろしいかもしれない災害が、今目の前に迫ってきていることが信じられなかった。
「ま、これは考えられる中で一番ひでえやつだ。
小規模な場合も考えられる。
けど、災害は最悪を想定するのが一番手っ取り早い。
考えたくはねぇけどな。」
アオハはため息をつきながらまたキーボードを叩く。
次に映し出されたのは先程見たゴッドタランチュラZEROとゴッドコーカサスカブトZERO。
「こいつらが完璧に仕上がったらヤンマとギラくんが、目覚めさせた宰相たちを呼び出して、またロゼアを封印する。」
「封印?それだけでいいの?」
ヒメノが訝しげに首を傾げる。
アオハはキーボードを叩く手を止めると、その場においてあったゲーミングチェアに腰掛けた。
「逆にそれしかねぇよ。ロゼアは倒しきれない。
……ロゼアの王の証は複製。体を複製して、いつまでも生きながらえる。
あぁ、言っとくけど女王サマ。あんたの王の証も使えっこないぜ。
あいつらは命の予備も大量に複製して持ってる。」
永遠の命。ジェラミーがそうつぶやいた。
「そう。でも、お前とはずいぶん使い方が違うみてぇだ。」
ぐるりと回転すると、アオハは背もたれに深く体を預けた。
「封印だけじゃ足りねぇのはわかってる。
根本的にやんなきゃならねぇ。
そうじゃなきゃまた、ラクレスみたいな。ヤンマみたいなやつを増やしちまう。
でも。あの証がある限りは……それは無理そうだな。」
頭を引っ掻き回しながらそうつぶやくアオハ。
その姿に王たちは、[漢字]叡智の王[/漢字][ふりがな]ヤンマ・ガスト[/ふりがな]を重ねた。
「……善処はする。
できる限り未来にも、現在にも問題を残さず、過去にケジメつけられる結末を選んでみる。
でも、無理だったら、、、、、後は任せる。王様たち。」
まっすぐに王たちの目を見つめたその瞳は、ベールではっきり見えないのに普段以上に輝いて見えた。
そしてアオハは椅子から降り、ラクレスの方へ走っていき、何かを耳打ちした。
「……それは。」
たちまちラクレスの顔が青くなる。
しかしアオハの決意は変わらないようだ。
「わかった。スズメに頼んでみよう。」
「……できれば巻き込みたくないんだけどな。」
ラクレスの走っていく背中を見送った後、アオハは王たちの方を振り返った。
「さぁ、作戦会議しようぜ。」

作者メッセージ

おひさです!え〜……結構打った気がする……。
リニエッラ海底火山って何から取ったかわかります?
最古の昆虫の学名から取ったんですよ!(リニエッラ・プラエクルソル)
っていう小話と、アオハの口調が色々迷子と言う。悲しいかな。
短編カフェでもどんどん更新しております!遊びに来てね!
では!See you again!

2024/12/03 18:20

ミコト
ID:≫ 8t/IaoonNB37w
コメント

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権はミコトさんに帰属します

TOP