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ネクストステージ! 最強の国の秘密

#24

スズメとアオハ 【中編】

スズメは思ったより平和な世界に暇を持て余していた。
トウフでの畑仕事がすでに懐かしい。
「あの御方、本当に子供であらせられ?」
ボソリとつぶやいた言葉は、あの子供についての言葉。
白青のラクレスと色違いのシルクの服にベール。
声は低く大人っぽいが、見ている世界は多分違う。
「それにしても……。」
一つため息。
―あのラクレスという御方。只者じゃないですわ。―
あのとき、私が泣きそうな[漢字]ふり[/漢字][ふりがな]・・[/ふりがな]をしたとき。
あの人まで悲しそうな顔をした。
あの人は飛びかかりそうな勢いで悪口を言ったご令嬢、ご令孫たちを見ていた。
「惚れてしまいますわよ、本当に。」
政略婚約である。愛など微塵もない婚約である。
それなのに今、スズメはラクレスに惚れてしまいそうであった。
殺す気などサラサラなくなってしまった。

[水平線]

「た、助かった。アオハ。」
「ばーか、突っ込む野郎がいるか。」
舞踏会が終わり、ラクレスはアオハの前に正座していた。
「ごめんって!助かった、ほんっとに。」
「はいはい、さっさと立ちなさいな。」
ぐーっとラクレスを引っ張り上げると、アオハは靴を脱ぎ捨て、ボロボロのサンダルに変えると、部屋への道を戻っていく。
ラクレスもそれに続いた。
「っしゃ!帰ったら本読もう!」
「好きだな……。」
「好きだよ!!【王様戦隊の伝説】!!」
「ギラも好きだったやつだ。」
ラクレスの身長はいつの間にかアオハと頭一つ分違っていた。
アオハの身長は二年ほど経っても伸びそうになかった。
それでも、アオハは歩幅を精一杯合わせる。
「アオハ?」
「歩幅デケェんだよバカラクレス!!もーちょい考えろや!」
ほとんどジャンプで済ませているアオハを見て、ラクレスは笑う。
置いてかないよ、と言うが、アオハは怒るばかりだ。
「私はお前の宰相なんだぞ!お前の隣に立つのが役目だろーが!」
「え、あ〜……え?」
「だーかーらぁ!私はお前の隣以外立ちたくねぇの!」
まるで駄々っ子のように。年とはかけ離れた少女のように。
ラクレスの腕にすがりつき、叫ぶ。
見たことがなかった。
普段から無茶振りはすれど、冷たい言葉を吐けど、ワガママはしなかった。
「……なんだよ。嬉しいな。」
「だったらさっさと歩幅を小さくしろぉぉ!!」
ぽかぽかぽかと軽めに殴られるがラクレスにとっては痛くも痒くもない。
あったかくて、ほんわかしてて。
「お前は私の……。。」
アオハが何を言おうとしていたのか、ラクレスはわからない。
でも、それでも。嬉しかった。
「私の……なんだ?」
「なんでもいいだろっ!?」
その顔は少し赤かったことを、ラクレスは知らない。


[水平線]

「あんのばかやろー!!!」
布団に倒れ込みながら、アオハはギャーギャーと叫ぶ。
バタバタと足をばたつかせながら。
ラクレスはといえば今はお風呂中。ほぼ離れることのない二人にとって、唯一のひとり時間はこのときくらい。
ひとり時間も寂しいので最終二人共早くでてこいと風呂に突撃することにはなるのだが……。
「あのバカ……。また一人女堕としやがった……!」
あのとき、スズメの瞳はラクレスを慕ってしまったように見えた。
輝く瞳が、一瞬ではあるがラクレスを見つめていた。
毎回のことではある。ラクレスが鈍いことなんて重々承知だ。
でも、それでも、自分以外の女とつるまれるのはいい気がしない。
そもそもラクレスは、自分のことを女と意識しているのであろうか。
そんな不安が巻き上がる。
「お前は私の、主君で、親友で、恩人で……。」
そこでアオハは言葉に詰まる。
初めて感じた想い。けれどラクレスには婚約者がすでにできてしまった。
なんでこんなときに気づいてしまったのだろう。
後悔してももう遅い。
「大好きなやつだよ……。」
枕に顔を埋めて泣いた。生まれて初めての涙は、恋の涙だった。

作者メッセージ

スズメとアオハの中編です!色々と絡んでまいりました!
短編カフェの方でも色々上げております!最近暴走はじめました!(始めなくてよろしい)
ってなわけで今日は早めに!See you again!

2024/11/24 07:56

ミコト
ID:≫ 8t/IaoonNB37w
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