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ネクストステージ! 最強の国の秘密

#16

力を以って

「……テスルク。」
ロゼア国の王、サクトは玉座に腰掛けつつその低い声で灼熱州統括者を呼び寄せる。
「はっ。」
名を呼ばれた彼の額には、シュゴッダム王家の証の入れ墨。
しかし、その入れ墨の線は一本だけで、赤色に少し黒みがかかっている。
「これより、捕らえし二人の王の処刑を始める。全世界に報道せよ。
逃がした王も、王の側近も、民も。絶望の底に沈めろ。」
「御意に。」
テスルクにとってギラたちは、憎むべき相手。
自らの手で終わらせることをずっと望んでいた。
「シュゴッダムを我等の手に。地上は我らのものにございます。」
「あぁ。」
ブラックダイヤモンドで彩られた玉座は、鈍く光っていた。







「来いよ。」
シエボルの声が、牢屋中に響く。
ギラとヤンマは顔を見合わせ、思考を巡らす。
この状況から生きて帰れる可能性は奇跡が一万回起きても無理だろう。
暗殺か、自殺を選ばされるのか、はたまた処刑か。
どれも嫌だなとギラは眉をひそめる。
「俺を殺したって、意味はねぇぞ。
ンコソパもシュゴッダムも、本気でお前らのことを恨むだけだ。」
「恨まれて結構。王を失った国はすぐ荒れだす。問題はない。」
ヤンマの言葉も、シエボルは軽く一蹴。
毎度のことだがその声に感情はこもっていなかった。
「立て。」
その声に反抗することはできない。
体が知っている。こいつに逆らってはいけないと。
「処刑の時間だ。」
その言葉はひどく冷たかった。
けれどヤンマたちは動じなかった。
二人の王は抜け殻のようで、ある意味の恐怖を思い起こさせた。
「[小文字]ごめんな。[/小文字]」
そんな小さな声を、彼らが聞くことはない。





[水平線]

十字架は全て金でできていた。
金と、少し混ざる銀が、キラキラと洞窟の中で光り輝く。
ンコソパのネオンも、敵わないような光。美しい、光。
「……。」
二人の王は何も言わず、十字架に縛り付けられた。
その目の色も、その表情も、読み取れない。
パッとつけられたスポットライトは、二人を嘲笑うかのように回りだす。
カメラ型シュゴッドが、十字架に近づいていく。
その後、すぐに人々がやってきた。
テスルク・ハスティー、シエボル・アトノガス、サクト・ロゼアも。
トーカやカーデらしき人物もいた。
人々は、まるで興味などないかのような無表情でこちらを見つめる。
高い高い十字架の上からは、城がよく見える。
美しい城。全ての宝石を集めても、これほどの美しいものはないだろう。
「……[小文字]ヤンマ。[/小文字]」
ギラの、その一言が全てを始めた。
ギラがいきなり縄を切り、地面に着地。
手には、小さな小さな、カミソリが。
「ギラ!!」
ギラは何人もの男たちをなぎ倒すと、牢へと戻る。
そのうちにヤンマも、縄を切りロゼアの大臣たちに銃を向ける。
「俺達がそう簡単に頭下げるわけねぇだろーが!!!」
全ては、叡智の王の計略どおりである。
「なっ……。」

「お兄ちゃん!!みんな!!」
ギラは王たちとラクレスのことを探していた。
厳密には王たちはこの場にはいない。
あれはシエボルのはったりに過ぎないが、あの状況では本当に思ってしまうのも無理はない。
「お兄ちゃん!!みんなぁ……。」
タッタッタという足音は、静かな牢獄によく聞こえる。
急がなくてはと足を速めた、その時だった。
「……[小文字]ら[/小文字]」
小さな声が、聞こえた気がした。
「お兄ちゃん!?」
ギラは急いでその声の方へ駆けていく。
牢獄の、一番奥の部屋に、ラクレスはいた。
「お兄ちゃん!!!!」
「ギラ、ここに王たちはいない。皆無事だ。」
ラクレスは手短に事実を伝えると、逃げろと指を指す。
「なん、お兄ちゃんも……。」
「洗脳が解けきれていない。
いつまたお前たちを襲うかしれたものじゃない。
私をおいて逃げろ。ギラ。」
苦しそうにそうラクレスは告げる。
ギラは急いで牢の鍵を開けようとするが、次第にラクレスの目の色が変わってきた。
「にげ、ろ、ギラ!!!!!」
その時だった。
いきなりラクレスが剣を取ったかと思うと、牢屋の格子を吹き飛ばした。
「え、お兄ちゃん!?」
また暴走してしまったラクレスに、ギラは驚きを隠せない。
しかし、今のラクレスに、大切な人という概念はない。
ギラに襲いかかっていく。
「わわっ!?」
武器も、なにもないギラは避けることが精一杯。
いつの間にか吹き飛ばされて、先程の処刑場に来てしまった。
「……タコメンチ!」
「ヤンマ!」
ヤンマはやはり捕まっていて、奇跡は起きなかったかとギラは唇を噛む。
そのうちにラクレスもやって来て、ギラにとどめを刺そうとする。
「お兄ちゃん、帰ってきてよ。」
周りを取り囲むはロゼアの軍勢。
ここでラクレスが自我を取り戻したとしても生きて帰れる確率は低い。
わかっていながらギラは叫んだ。
もう、失いたくなかった。自らを守ってくれていた、兄のことを。
「……シエボル、[漢字]あの男[/漢字][ふりがな]ラクレス・ハスティー[/ふりがな]に止めを。
テスルクはシュゴッダム国王に。ンコソパ国王は牢に放り込んでおけ。」
静かに淡々と、サクトは命ずる。ここまでかと、二人は思った。
ニヤリと笑った、テスルクに反抗することはできそうにもなかった。
「先祖代々の恨み!!!」
しかしギラは不死の体を持つ治癒能力の化け物。
そう簡単に死にはしない。

テスルクがギラに苦戦している間に、シエボルはラクレスに近づく。
そして、何事かを囁いた後、銃を向けた。
「おにいっ「さよなら、暴虐の王よ。」









[太字]パンッ[/太字]













「い゙っ……!?」
「何をするのだ、シエボル!!!!」
シエボルの銃弾は、ラクレスではなく、ギラを痛めつけるテスルクの腕を貫いていた。
「いつまで寝てんの、ラクレス。」
その声と同時に、ラクレスが目を開く。
「あ、お前か。」
「洗脳はといた。とりあえずは大丈夫だからな。
ま、帰ろっか。話したいこともたくさんあるし。」
顔見知りのように淡々と、慣れたように言葉を並べていくシエボルとラクレス。
そんな二人を、皆は口を開けて見ていることしかできなかった。
「っしゃ!!久しぶりにアレ、やりますか!!」
「あれか?ま、いいけどな。




[太字][大文字]知を尽くし、絢爛を操り、力を以て支配する。
地を舐め、泥をすすり、天の裁きを受けようと、
語り継がるるは我が覇道!!!![/大文字][/太字]」

「[太字][大文字]知を束ね、絢爛を廃し、暴力に溺れ邪者となる。
地にひれ伏し、へつらい、世界が我を嫌うとも、
語り継がるは我が邪道!!![/大文字][/太字]」
シエボルの声ははっきりと。澄んだように高い声だった。
その声に、ヤンマは目を見開く。
「「一人なれば、覇と邪の道をゆく、我ら二人!!!
力合わせば、語り継がるるは我らが王道!!」」
ビリリとシエボルが分厚いローブを切り裂く。
「暴虐の王!!ラクレス・ハスティー!!!」
「それに従いし邪の宰相、アオハ・ガスト!!!!」
「「私たちが、世界を支配する!!!」」

作者メッセージ

はいどうも。えっと、ライト版の方の小説が、見ないうちに閲覧数80を超えてひっくり返っております、主です。
シエボルの本性明らかに!?ラクレスと知り合いでしかもヤンマのお姉ちゃん?
情報量が多いですよね〜。書いてる私も思いました。
ライト版の方も好評ありがとうございます。(好評かどうかもわからんけど。)
感想、コメントよろしくお願いします!
では!!See you again!

2024/09/22 12:07

ミコト
ID:≫ 8t/IaoonNB37w
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