ドゴッとすごい音がリビングに響く。
「いったぁ〜!」
私こと、[漢字]月乃神楓華[/漢字][ふりがな]つきのかみふうか[/ふりがな]は[漢字]月乃神月世[/漢字][ふりがな]つきのかみつくよ[/ふりがな]の子孫である。
今はたぶん寝落ちしようとして、頭を机に打ったのだろう。
今、私は十四歳。
兄ちゃん曰く、私はもうそろそろ能力が使えるようになるはずだと。
「お〜い?楓華?大丈夫か〜?さっきすごい音したけど?」
「うん、大丈夫、たぶん」
兄ちゃんの薄い茶色の髪が揺れる。
私の兄ちゃんは[漢字]櫛名田比売[/漢字][ふりがな]くしなだひめ[/ふりがな]の共有。
あ、共有っていうのは、神様と契約して、その神様の力を使えるようになった人のことを言うんだ。
神の力、すなわち人智を越える力を使えるようになる。
兄ちゃんが契約してる神様、櫛名田比売は、[漢字]須佐之男命[/漢字][ふりがな]すさのおのみこと[/ふりがな]の妻で、稲穂の神様。
綺麗な金色の瞳と薄い茶色の髪を持つ兄ちゃん。
私とはぜんぜんちがう。
私は黒い髪に黒い目の地味な子。
でも、もしかすると私も容姿が変わるかもしれないんだ!
私の兄ちゃんは、櫛名田比売と契約してから目が金色に、髪が薄い茶色に変わったんだし。
うん、そう信じよう。
あぁ、早く神様と契約できるようにならないかなぁ。
兄ちゃんは神様と契約してもいいことばかりじゃないって言うけど、どうなんだろう。
とにかく、私も人のために役に立ちたい!
―その晩―
ここどこ…?
確か、眠って…。
ってことは夢の中⁉︎
「いいえ、夢じゃないわ」
すごく尖った、でも綺麗で透き通った声。
声のする方を向くとこの世の者と思えない綺麗な女性がいた。
神…様…?
「誰…ですか…?」
「私は[漢字]天照[/漢字][ふりがな]あまてらす[/ふりがな]。あなたを探していたのよ」
私を…?
「まさかっ、契約してくださるんですか⁉︎」
「いいえ、契約はしないわ」
えっ…。
勝手に期待した私がバカみたいだ。
「ごめんなさいね、私はもう誰とも契約する気はないの」
「い、いえ…謝らないでください!」
でも…
じゃあ、なんで私を探していたの…?
「あなた、なぜ神力と霊力を持っているの?」
えっと…、どういうこと?
そもそも霊力って…何?
「その様子だとなぜ持っているのかわかっていないみたいね」
「ごめんなさい…」
天照大御神はふぅ、とため息をついた。
「謝らなくていいわ。ただし、あなたに監視役をつけることにする」
彼女はニヤリと笑った。
うわぁ、綺麗。
「姉様、どうされましたか?」
「ちょうどいいところに来たわね、[漢字]月読[/漢字][ふりがな]つくよみ[/ふりがな]。この子と契約して欲しいの」
「はい…?このおなごと?」
月読命はぽかんとしてる。
そりゃそうか。
突然契約しろと言われてもねぇ。
「月世…?」
「えっ…?」
懐かしそうな、でも悲しそうな表情でジッと見つめてくる。
「いや、すまぬ。いいだろう、お前と契約してやる」
月世って、始祖の?
なんで私と見間違えるんだろう。
「おい、女」
「えっ…はい、ごめんなさい」
月読命ははぁ、とため息をつく。
さすが姉弟というべきか、ため息のつき方が似てる。
…じゃなくて!
そうだ、誓いの契り。
「月読命。私は[漢字]貴神[/漢字][ふりがな]あなた[/ふりがな]を主神とし、貴神の共有となることを誓います」
「我もよろしく頼む」
私も神様の力を使えるようになるのかな?
…そういえば、天照大御神って人の心、読めるの?
「いいえ、すべての人は読めないわ。あなたとか、[漢字]陽世[/漢字][ふりがな]ひよ[/ふりがな]や月世の直系の子孫だけ」
へぇ…え?
ってことは月読命も?
ぐるりと月読命の方に首を回す。
彼はこくりとうなづいた。
「月読命、あの…使える術って…」
「ああ、えっと[漢字]月詠[/漢字][ふりがな]つきよみ[/ふりがな]とか[漢字]薄月[/漢字][ふりがな]うすづき[/ふりがな]とか…月に関わるものだな」
月詠って…予言のこと⁉︎
へぇ、予言ができるんだ…。
これから月読命の共有として、精進しなきゃ!
そう、熱にうなされながら誓った。
「いったぁ〜!」
私こと、[漢字]月乃神楓華[/漢字][ふりがな]つきのかみふうか[/ふりがな]は[漢字]月乃神月世[/漢字][ふりがな]つきのかみつくよ[/ふりがな]の子孫である。
今はたぶん寝落ちしようとして、頭を机に打ったのだろう。
今、私は十四歳。
兄ちゃん曰く、私はもうそろそろ能力が使えるようになるはずだと。
「お〜い?楓華?大丈夫か〜?さっきすごい音したけど?」
「うん、大丈夫、たぶん」
兄ちゃんの薄い茶色の髪が揺れる。
私の兄ちゃんは[漢字]櫛名田比売[/漢字][ふりがな]くしなだひめ[/ふりがな]の共有。
あ、共有っていうのは、神様と契約して、その神様の力を使えるようになった人のことを言うんだ。
神の力、すなわち人智を越える力を使えるようになる。
兄ちゃんが契約してる神様、櫛名田比売は、[漢字]須佐之男命[/漢字][ふりがな]すさのおのみこと[/ふりがな]の妻で、稲穂の神様。
綺麗な金色の瞳と薄い茶色の髪を持つ兄ちゃん。
私とはぜんぜんちがう。
私は黒い髪に黒い目の地味な子。
でも、もしかすると私も容姿が変わるかもしれないんだ!
私の兄ちゃんは、櫛名田比売と契約してから目が金色に、髪が薄い茶色に変わったんだし。
うん、そう信じよう。
あぁ、早く神様と契約できるようにならないかなぁ。
兄ちゃんは神様と契約してもいいことばかりじゃないって言うけど、どうなんだろう。
とにかく、私も人のために役に立ちたい!
―その晩―
ここどこ…?
確か、眠って…。
ってことは夢の中⁉︎
「いいえ、夢じゃないわ」
すごく尖った、でも綺麗で透き通った声。
声のする方を向くとこの世の者と思えない綺麗な女性がいた。
神…様…?
「誰…ですか…?」
「私は[漢字]天照[/漢字][ふりがな]あまてらす[/ふりがな]。あなたを探していたのよ」
私を…?
「まさかっ、契約してくださるんですか⁉︎」
「いいえ、契約はしないわ」
えっ…。
勝手に期待した私がバカみたいだ。
「ごめんなさいね、私はもう誰とも契約する気はないの」
「い、いえ…謝らないでください!」
でも…
じゃあ、なんで私を探していたの…?
「あなた、なぜ神力と霊力を持っているの?」
えっと…、どういうこと?
そもそも霊力って…何?
「その様子だとなぜ持っているのかわかっていないみたいね」
「ごめんなさい…」
天照大御神はふぅ、とため息をついた。
「謝らなくていいわ。ただし、あなたに監視役をつけることにする」
彼女はニヤリと笑った。
うわぁ、綺麗。
「姉様、どうされましたか?」
「ちょうどいいところに来たわね、[漢字]月読[/漢字][ふりがな]つくよみ[/ふりがな]。この子と契約して欲しいの」
「はい…?このおなごと?」
月読命はぽかんとしてる。
そりゃそうか。
突然契約しろと言われてもねぇ。
「月世…?」
「えっ…?」
懐かしそうな、でも悲しそうな表情でジッと見つめてくる。
「いや、すまぬ。いいだろう、お前と契約してやる」
月世って、始祖の?
なんで私と見間違えるんだろう。
「おい、女」
「えっ…はい、ごめんなさい」
月読命ははぁ、とため息をつく。
さすが姉弟というべきか、ため息のつき方が似てる。
…じゃなくて!
そうだ、誓いの契り。
「月読命。私は[漢字]貴神[/漢字][ふりがな]あなた[/ふりがな]を主神とし、貴神の共有となることを誓います」
「我もよろしく頼む」
私も神様の力を使えるようになるのかな?
…そういえば、天照大御神って人の心、読めるの?
「いいえ、すべての人は読めないわ。あなたとか、[漢字]陽世[/漢字][ふりがな]ひよ[/ふりがな]や月世の直系の子孫だけ」
へぇ…え?
ってことは月読命も?
ぐるりと月読命の方に首を回す。
彼はこくりとうなづいた。
「月読命、あの…使える術って…」
「ああ、えっと[漢字]月詠[/漢字][ふりがな]つきよみ[/ふりがな]とか[漢字]薄月[/漢字][ふりがな]うすづき[/ふりがな]とか…月に関わるものだな」
月詠って…予言のこと⁉︎
へぇ、予言ができるんだ…。
これから月読命の共有として、精進しなきゃ!
そう、熱にうなされながら誓った。