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死んだと思ってた猫が生きてた話

突然だが、俺は猫を飼っている。
猫の名前はモモ。保護施設から引き取って子猫のころから育てていた、俺の大切な家族だ。
だが、最近モモは重い病気にかかってしまった。
もう治せないくらいの、大きな。
俺は……どうすればいいのか分からなかった。

そして、いつからかモモは居なくなっていた。

インターネットでこんなことを聞いたことがある。「猫は、死ぬ時は飼い主に姿を見せない。」
やっぱり、モモもそうなのだろうか。そう思わずにはいられなかった。
いつしかモモがいない日常が当たり前になった。

[中央寄せ]5年後[/中央寄せ]
俺はモモが死んでからも相変わらず怠惰な生活を送っていた。
モモが死んだことすらも忘れかけていたその時、ベランダの付近から「にゃ~」という鳴き声が聞こえた。
「…え?」思わず驚きの声を出す。
「にゃ~」
再度、声が聞こえた。
俺は声の聞こえるベランダの方を見、ゆっくりと近づいた。
そして、ベランダの窓をそろりと開けてみた。

そこには、死んだはずのモモがいた。
「いっ、生きてたの!?!?」
モモはこちらをまっすぐに見つめている。
「にゃ~」
声が聞こえる。だが、モモは口を動かしていない。
あれ?どういうことだ?
小脇にモゾモゾと動く何かが見えた。それが何かはすぐに分かった。
子供。
俺はしばらく沈黙していた。
長い沈黙の後に、俺はようやく言葉を紡ぐ力が湧いた。
「モモ…もしかして……」
[太字]「その年で子供産んだの…!?」
[/太字]
俺が記憶している間のモモでも、相当年をとっていた。
こんなおばあちゃんと交尾するオスなんてどこにいるんだよッ!?
怖い…怖いよぉ…。
でも、俺は唯一の家族が戻ってきてくれたことが無性に嬉しかった。
だが、あることに引っかかった。
「モモ…??なんで、何も鳴かないんだ…?」
質問をしても、何も答えてくれない。
ただこちらを見つめているだけだ

どうして?
どうして?
どうして?
……………。

俺は目を覚ました。
右手には血のついたナイフのようなものを握っている。
俺の頬には返り血のようなものが付いている。
これは何だ?俺はただ、モモと話していただけなのに。
久しぶりの再会だったのに。
ふと、床に目を落とす。
床には、モモが落ちていた。今でもその目はしっかりと俺を見つめていた。
だが、もうモモの肉体は機能を失っている。
子猫が鳴いている。
助けを求めるような声だ。
俺が助けに行ってあげなくちゃ。
だってモモの子供なんだから…
俺が、[太字]守らなくちゃ……。[/太字]
ナイフを片手に、その子猫のもとへ向かう。
あぁ。そうか。
モモは、俺が“救ってあげた”のか。
子猫のもとへ行く。
足が、床に落ちる。
それは、絶叫する。
心地良い。
美しい。
モモを見ると、相変わらず、その鋭い目をこちらに向けていた。

俺は、ただ愛しただけなんだ。

モモはこちらをまっすぐに見つめている

ただ まっすぐに 見つめている。

作者メッセージ

こんにちは、みのむしです。
今回は猫シリアス系の物語にしてみました。
というよりも、最初はほんわか系にしようと思っていたのですが、つい癖で。
猫シリアス系、ぜひチャレンジしてみては?

2025/11/23 23:50

みのむし
ID:≫ 08nlFWdXgofRE
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PG-12 #暴力表現

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