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暴力表現あります。お気をつけて。
空都side
う…
ハッ
意識を失っていたようだ。
何かに見られているような気がして目を開ける。
空都「は…?」
そこにいたのは鹿、鹿、鹿、鹿。
十匹ほどの鹿が、自分を取り囲んでいる。
空都「鹿…?なんで?」
そう言って体を起こす。
真っ黒な瞳の鹿達は自分を瞬きもせず見つめている。結構気持ち悪い。
「ミツケタ、ミツケタ」
空都「は⁉︎え!?」
鹿が喋り出した。
ミツケタ、と繰り返しながら鹿たちが自分を軸にして円形に歩き始める。
「「「「「「「「「「ミツケタ、ミツケタ、ミツケタ、ミツケタ」」」」」」」」」」
怖すぎて声が出ない。
息が荒くなり、膝の力が抜ける。
鹿の眼が赤くなり、爛々と光りだす。
空都「はぁッ…はぁッ…ガタガタガタ…」
鹿が一斉に口を開ける。
食われる。
本能的にそう感じた。
いやだ。まだ死にたくない…
[大文字][太字]「おい!動け!死ぬぞ!!!!」[/太字][/大文字]
それを聞いた瞬間、反射的に体が動き鹿を飛び越える。
「ちょい吹っ飛ぶから受け身とって!!!!!!」
俺が反応する前に上から人が降ってきて、重そうなハンマーを鹿に叩きつける。
グォッ!!!!
風の音がして、鹿もろとも吹っ飛ぶ。
受け身は…一応取った☆
シュウウウゥゥゥ
鹿は溶けていき、土に吸収されていった。
自分にこんな運動神経があったとは…驚き…
そういやあの人にお礼言わないとな…
空都「あの!」
「?…何さ」
空都「ありがとうございます。」
彼女は「はぁ…」と息をつき、「まずね!!!」と何やらお説教タイムが始まった。
「あんた鈍臭すぎ!なんであんな危険なものが近寄ってきたのに逃げなかったの⁉︎」
空都「あ、あれ危険だったの?」
「そんなことも知らないの⁉︎この世界じゃ常識よ!!!」
「それにその格好!というか顔につけてる四角いやつ!…ってあれ?これ何?」
空都「え?この四角いのはメガネだけど…」
「見たことない…」
空都「は?」
メガネを見たことない?そんなことある?
彼女の格好に目をむける。
奈良時代の女性が来ていたとされる“[漢字]命婦礼服[/漢字][ふりがな]みょうぶらいふく[/ふりがな]”を着ていて、さっき使った重そうなハンマーを片手で持っている。
そういえば、周りもなんか違う。
朱色の柱が立っていたり、中国由来の文様が建物に刻んであったり。
頭の中に、一つの正解が浮かんでくる。
え?もしかしてここ平城京?
え?