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拝啓、言葉を受け取った君へ
遠い遠い昔、人類が初めて見つめあった時。初めて『言葉』が生まれた時に、彼らは何を思ったのだろうか。
今まで誰もそれを覚えているという証言をした者はいないし、もしいたとしてもそれがあっているという確証は得られない。それでも私は、その初めて『言葉』が生まれた瞬間に近いものを何度も感じてきた。
自分が初めて他人と世界を共有した瞬間を覚えていない。でも、いつの間にか『言葉』による世界の共有は私のすぐそばにあった。
私は内面に映る感情、視界の中の景色、感じた体温をできるだけ近い状態で伝えることができる『言葉』が好きだ。
どんな時代にも『言葉』は人類の近くに寄り添い続けてきた。もし私が生きているこの世界が全て空想の中だとしても、これは揺るぎない事実だということを感じる。
揺るぎない決意、どうしようもない寂しさ、心の中で暖め続けた恋心、さまざまな愛の形、裏切りの悲しさ、また明日の約束をできた嬉しさ、当たり前の日常に漏らす不満、崩れ去った当たり前への絶望。全ての時代の、全てのものに『言葉』は平等に映りこんでいる。
暖かい『言葉』は人類の生きてきた証となる。私はそれをどんな宝石よりも美しいと思う。
だが、冷たい『言葉』がこの美しさを暗幕で覆ってしまう。
使い方によっては鋭利な刃にも毒物にもなる『言葉』によって死を迎えた人類は決して少なくない。私が『言葉』を美しいと思うのは私が『言葉』によって幸せに生きてきたからだ。人を不幸にすることもできる『言葉』を嫌う人がいることも不思議なことではない。
私はそれでも『言葉』は美しいと思う。人間の本質を見事に表す『言葉』。どんなに醜いものでも、私はそれを好きだと思う。
『言葉』の理解は人類への理解。私はこの『言葉』を操る人類であることを、こんなことを考えることができる私であることを誇りに思う。
だが私はもう『言葉』のために生きなくても良くなった。一人この場所に取り残され、もうどれくらい時間が経ったかすらわからない。
世界を共有できる相手がどこにもいないのであれば、『言葉』と『私』に存在意義はない。
最後に、この『言葉』を認識した君へ。君が一人ぼっちなのか、それとも他に人がいるのか私はわからない。『言葉』に対する君の思いも、私は聞くことができない。
もし一瞬でも『言葉』を嫌いになったら、『言葉』を好きだと言った幸せな人類がいることを思い出してほしい。その幸せな人類になる資格が君にもあるということを覚えていてほしい。『言葉』を使う権利は誰にでもあることを忘れないでほしい。
『言葉』を、恐れないでほしい。
全員と仲良くしなくても良いから、『言葉』を大好きにならなくても良いから。どうか、君がそれを怯えることなく『当たり前』に言って心から笑える日が来ますように。
[右寄せ]敬具[/右寄せ] (インクが滲んでいて読めない)[右寄せ]誰もいなくなった世界より[/右寄せ] この言葉を受け取った君へ
今まで誰もそれを覚えているという証言をした者はいないし、もしいたとしてもそれがあっているという確証は得られない。それでも私は、その初めて『言葉』が生まれた瞬間に近いものを何度も感じてきた。
自分が初めて他人と世界を共有した瞬間を覚えていない。でも、いつの間にか『言葉』による世界の共有は私のすぐそばにあった。
私は内面に映る感情、視界の中の景色、感じた体温をできるだけ近い状態で伝えることができる『言葉』が好きだ。
どんな時代にも『言葉』は人類の近くに寄り添い続けてきた。もし私が生きているこの世界が全て空想の中だとしても、これは揺るぎない事実だということを感じる。
揺るぎない決意、どうしようもない寂しさ、心の中で暖め続けた恋心、さまざまな愛の形、裏切りの悲しさ、また明日の約束をできた嬉しさ、当たり前の日常に漏らす不満、崩れ去った当たり前への絶望。全ての時代の、全てのものに『言葉』は平等に映りこんでいる。
暖かい『言葉』は人類の生きてきた証となる。私はそれをどんな宝石よりも美しいと思う。
だが、冷たい『言葉』がこの美しさを暗幕で覆ってしまう。
使い方によっては鋭利な刃にも毒物にもなる『言葉』によって死を迎えた人類は決して少なくない。私が『言葉』を美しいと思うのは私が『言葉』によって幸せに生きてきたからだ。人を不幸にすることもできる『言葉』を嫌う人がいることも不思議なことではない。
私はそれでも『言葉』は美しいと思う。人間の本質を見事に表す『言葉』。どんなに醜いものでも、私はそれを好きだと思う。
『言葉』の理解は人類への理解。私はこの『言葉』を操る人類であることを、こんなことを考えることができる私であることを誇りに思う。
だが私はもう『言葉』のために生きなくても良くなった。一人この場所に取り残され、もうどれくらい時間が経ったかすらわからない。
世界を共有できる相手がどこにもいないのであれば、『言葉』と『私』に存在意義はない。
最後に、この『言葉』を認識した君へ。君が一人ぼっちなのか、それとも他に人がいるのか私はわからない。『言葉』に対する君の思いも、私は聞くことができない。
もし一瞬でも『言葉』を嫌いになったら、『言葉』を好きだと言った幸せな人類がいることを思い出してほしい。その幸せな人類になる資格が君にもあるということを覚えていてほしい。『言葉』を使う権利は誰にでもあることを忘れないでほしい。
『言葉』を、恐れないでほしい。
全員と仲良くしなくても良いから、『言葉』を大好きにならなくても良いから。どうか、君がそれを怯えることなく『当たり前』に言って心から笑える日が来ますように。
[右寄せ]敬具[/右寄せ] (インクが滲んでいて読めない)[右寄せ]誰もいなくなった世界より[/右寄せ] この言葉を受け取った君へ
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