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白狼クストーデ

#17

第二章 薬売りのオリバ

──数ヶ月後。

「おひさー!私が来た!」
「……シャノン、久々だな」
 スレーブ帝国の西方面、私の家から30分ほど歩いたところにある大通り。レンガ造りの集合住宅と庶民向けの店が多く建ち並んでいる。普段は自分の家の近くに商店街があるのと、買い出しはアズに任せているのでこの商店街にはにはあまり来ない。
 そんな私が商店街にやってきた理由は、ここの北側にある薬屋の息子、オリバに会いに来たからだった。

「ごめん、ちょっと武術に関して相談があるんだけど……」
「珍しいな……俺にアドバイスできることあんのか?」
 少々気まずげな雰囲気を漂わせたオリバは、できるだけ意識しないように気をつけたような口調でそう聞いた。ええすごく。あなたにアドバイスがもらいたいんです。

「うんすごく。あ、でも今忙しいよね?やっぱ出直すわ」
「いいって!もうすぐ母親が帰ってくるから、それまでそこ座って待っててくれ」
 私が帰ろうとすると、焦ったように従業員席に通してくれた。そのままオリバの接客風景を眺めていると、彼の母親が帰ってきた。

 全体的にこの辺にいない、それこそ南方の人のような顔立ちをしている。生き生きとした褐色肌に少しふっくらした体型、黒々とした大きな目元には笑いジワが入っていた。美人が綺麗に歳をとったっていう表現が相応しいかも。
 彼女は私を見ると、ただでさえ丸い目をもっと丸くしてオリバのほうを見た。

「オリバ、この子は?」
「こんにちは、オリバと同じ道場のシャノン=ウォーカーです!よろしく〜」
「メーベル=ディアストよ。オリバの母です」
 オリバが返事をする前に自己紹介を終えると、彼女に握手を求める。にこやかに握手をしてくれたメーベルさんは、オリバの近くで囁いた。
「ちょっと、こんな美人の彼女いるんだったら紹介しなさいよ!」

 ……ガッツリ聞こえてるんだよなぁ。
 オリバは数秒硬直した後、『ちげぇって!!!!』と真っ赤になって否定していた。ちょっとときめいちゃうじゃない。
 その後誤解は解けたものの、意地悪な顔をしたメーベルさんによって私とオリバは彼の部屋に放り込まれてしまった。流石の私でも付き合ってもない男の部屋に上がるのはどうかと思って遠慮したのだが、『お茶入れるから!』となってしまっただけだから。よって私は悪くない。でもケイラごめん。

 まぁ上がっちゃったもんは仕方ない。割り切ってオリバに向かい合うと、夜通し悩んでもよくわからなかった相談を持ちかけた。

作者メッセージ

オリバさん久々の登場です。
オリバの母、メーベルさんも初登場。シャノンを可愛がってくれそうです。

2026/02/26 06:45

すい
ID:≫ 0.LEY4vV85UM2
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