ガタガタとマイルドな振動が、体に直接伝わってくる。座り心地のいい椅子に、目の前には結構な値段がするであろう木の机と食べてしまうのが勿体無いような綺麗な茶菓子を普通に食べるミルシャだった。
隣の席に乗っているケイラも、緊張からかガチガチになっている。それはそうだろう。
私たちは今、人生初の[漢字]キャリッジ[/漢字][ふりがな]高級馬車[/ふりがな]に乗っているのだから。
「お二人とも、そんなに緊張なさらなくても…これくらい普通ですよ?」
「いやいや緊張するってぇ!?」
「ミルシャさん、普通はキャリッジ日常的に乗り回したりしないんですよ!!!!」
「へ?」
ポカンとするミルシャは、流石のお嬢様というべきか。道着の時にも滲み出ていたお嬢様感が私服のおかげでさらにお嬢様している。
コーラルピンクのジャンパースカートに、白いリボンがついたブラウス。ところどころに下品になりすぎない程度にフリルがあしらわれており、彼女が『安物ですよ』と謙遜して見せてくれたネックレスも、庶民の間ではそれに手が届いたものは庶民脱却と言われる代物である。
先ほどから私たちが乗っているキャリッジも、男爵級の豪華な馬車だ。……確か、ミルシャの家って男爵より下の騎士爵だったような気も。
「はぁ……そう言えば、このキャリッジはどこにいくんですか?」
「バレスト王国のニーバ商店街だよ。ケイラは初めてなんだっけ?」
「はい。あんまり国外には出たことなくて……親がめっちゃ過保護で、今回外出れたのも奇跡っていうか…」
バレスト王国とは、私たちが住むスレーブ帝国から1時間ほど馬車に乗ったところにある港街だ。
貿易と漁業が盛んで新しいものがたくさんあり、価格も割と安い。色々な大陸への中継地点でもあるので、多種多様な生物が存在している。
「バレスト王国なら何回かいったことありますが、ニーバ商店街にはいったことないですね…」
「まぁバレストの商店街の中でも一番庶民向けの商店街だからね。ミルシャは行ったことないかも」
「そうなんですか…楽しみです!」
パステルカラーの瞳を輝かせるミルシャと、相変わらずキツイ表情だが少し嬉しそうなケイラ。二人ともニーバ商店街は初めてだし、私が頑張らないと!
バレスト王国の門が、もう面前に見えている。
[水平線]
「すごい、潮の匂いがします」
「流石の中継地点……獣人がたくさんいますね…!」
「ほら、本来の目的忘れないでよ〜?買わなきゃいけないものがたくさんあるんだから!」
はしゃぐ二人を引っ張って、まずはアクセサリーショップへ連れていく。が、あまりにキラキラしすぎて私とケイラが宝石酔いしたため一旦外に出た。
ベンチに座ると、申し訳なさが最初に出てきてケイラに謝り倒す。
「いやぁ、ほんとごめん。私が買い物行こうって言ったのにこんな始末とは…」
「いえいえ…私こそ、せっかく買い物に誘ってくれたのにごめんなさい…」
「二人とも!ちょっとあそこは嗜好にあわなかっただけです!別のお店をたくさん探しましょう!」
流石の宝石慣れと言ったところであろうか、ミルシャはあのキラキラ空間の中にいてピンピンしている。むしろちょっと元気になったようだ。
さぁ!と威勢よく立ち上がったミルシャは、ガヤガヤと騒がしい商店街を見渡して固まった。
さっきまで元気だったのに、やっぱり宝石酔いしたのだろうか。
「ミルシャ?どうしたの?」
「あ…あれ……」
「わお…あれはすごい…」
ミルシャが指を指す方を見ると、そこには──
炎というより血のような鮮やかな赤い髪を一つにまとめた、翠色の目をもつ男。真っ白い絹のような美しい髪に映える冷たい赤の瞳を持つ女。
なんと、見覚えのあるものすっごい美男美女が暇そうに商店街の売れ残りを漁っていた。
隣の席に乗っているケイラも、緊張からかガチガチになっている。それはそうだろう。
私たちは今、人生初の[漢字]キャリッジ[/漢字][ふりがな]高級馬車[/ふりがな]に乗っているのだから。
「お二人とも、そんなに緊張なさらなくても…これくらい普通ですよ?」
「いやいや緊張するってぇ!?」
「ミルシャさん、普通はキャリッジ日常的に乗り回したりしないんですよ!!!!」
「へ?」
ポカンとするミルシャは、流石のお嬢様というべきか。道着の時にも滲み出ていたお嬢様感が私服のおかげでさらにお嬢様している。
コーラルピンクのジャンパースカートに、白いリボンがついたブラウス。ところどころに下品になりすぎない程度にフリルがあしらわれており、彼女が『安物ですよ』と謙遜して見せてくれたネックレスも、庶民の間ではそれに手が届いたものは庶民脱却と言われる代物である。
先ほどから私たちが乗っているキャリッジも、男爵級の豪華な馬車だ。……確か、ミルシャの家って男爵より下の騎士爵だったような気も。
「はぁ……そう言えば、このキャリッジはどこにいくんですか?」
「バレスト王国のニーバ商店街だよ。ケイラは初めてなんだっけ?」
「はい。あんまり国外には出たことなくて……親がめっちゃ過保護で、今回外出れたのも奇跡っていうか…」
バレスト王国とは、私たちが住むスレーブ帝国から1時間ほど馬車に乗ったところにある港街だ。
貿易と漁業が盛んで新しいものがたくさんあり、価格も割と安い。色々な大陸への中継地点でもあるので、多種多様な生物が存在している。
「バレスト王国なら何回かいったことありますが、ニーバ商店街にはいったことないですね…」
「まぁバレストの商店街の中でも一番庶民向けの商店街だからね。ミルシャは行ったことないかも」
「そうなんですか…楽しみです!」
パステルカラーの瞳を輝かせるミルシャと、相変わらずキツイ表情だが少し嬉しそうなケイラ。二人ともニーバ商店街は初めてだし、私が頑張らないと!
バレスト王国の門が、もう面前に見えている。
[水平線]
「すごい、潮の匂いがします」
「流石の中継地点……獣人がたくさんいますね…!」
「ほら、本来の目的忘れないでよ〜?買わなきゃいけないものがたくさんあるんだから!」
はしゃぐ二人を引っ張って、まずはアクセサリーショップへ連れていく。が、あまりにキラキラしすぎて私とケイラが宝石酔いしたため一旦外に出た。
ベンチに座ると、申し訳なさが最初に出てきてケイラに謝り倒す。
「いやぁ、ほんとごめん。私が買い物行こうって言ったのにこんな始末とは…」
「いえいえ…私こそ、せっかく買い物に誘ってくれたのにごめんなさい…」
「二人とも!ちょっとあそこは嗜好にあわなかっただけです!別のお店をたくさん探しましょう!」
流石の宝石慣れと言ったところであろうか、ミルシャはあのキラキラ空間の中にいてピンピンしている。むしろちょっと元気になったようだ。
さぁ!と威勢よく立ち上がったミルシャは、ガヤガヤと騒がしい商店街を見渡して固まった。
さっきまで元気だったのに、やっぱり宝石酔いしたのだろうか。
「ミルシャ?どうしたの?」
「あ…あれ……」
「わお…あれはすごい…」
ミルシャが指を指す方を見ると、そこには──
炎というより血のような鮮やかな赤い髪を一つにまとめた、翠色の目をもつ男。真っ白い絹のような美しい髪に映える冷たい赤の瞳を持つ女。
なんと、見覚えのあるものすっごい美男美女が暇そうに商店街の売れ残りを漁っていた。
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