「オリバさんがあなたのこと好きって、本当なんですか」
不気味なほど明るい赤色の目が、私をまっすぐに見据え爛々と輝いている。彼女のはっきりとした物言いは普段だったら好印象だったが、今は好印象どころか恐怖を感じる。
恋する乙女って恐ろしい。それが私の今の感想だった。
「あ、えっとねぇ…うんとねぇ…」
「……本当なんですね。わかりました」
『それじゃ、外へ』と言われて、いやですという間もなく道場裏へ連行されてしまった。ミルシャは申し訳なさそうな顔をしていたが、お前ケイラに私を売り渡したじゃないか。
先ほどの疑問に瞬時に嘘をつけるほど頭が回る方じゃない。
どもっていると、詰め寄ると言う表現がぴったりなほど近い距離にいた彼女は、急に一歩離れ頭を勢いよくおろした。
それがお辞儀だと言うことに気がつくのに、数秒かかった。
「私、オリバさんのことが好きなんです。もしあなたがオリバさんのことを好きでないなら、思わせぶりをするのをやめてください。彼が可哀想です」
また、数秒の沈黙が流れる。
これは気まずかったからでも、彼女のことが怖いからでもない。誠実で真面目な彼女に、適当な答えではなくしっかりした答えをあげたかったからだ。
だが、一つわからないことがある。
「……思わせぶり?ごめん、ケイラの誠意は受け取りたいところだけど、思わせぶりって何?そんなのしたっけ?ってか顔あげて」
「え、無自覚だったんですか!?」
慌てて顔を上げたケイラは、こちらを驚いたように見つめる。私としても思わせぶりがなんなのか知りたいものである。そうじゃないと対策できないからな。
「肩組んだり、超笑顔だったり、時々『かっこよ!』って彼の容姿を褒めたり……すっごい思わせぶりですけどね」
「えっとね、ツッコミたいことしかないんだけど……ごめん、全部デフォ。他の人にもやってる」
「……え?」
ポカンと口を開けているケイラだが、これは私のデフォルトの性格である。
よくアズやオールには『天性の人たらし』と言われていたが、人から聞いてみるとだいぶやらかしている。
「で、でも……よく、組み手とかしてるじゃないですか。あれ、結構その…体が当たるので基本同性同士で組むはずなんですけど…」
「私は例外。強すぎてオリバしか止められないんだよ。私の本気攻撃くらって気絶で済んでるやつ、この道場にはオリバしかいないから〜、はは…」
なんかすごくごめん。私、超やらかしてた。
「……失礼ですが、オリバさんはなんであなたのこと、好きになったんでしょうかね」
「うん。ほんとにね。そこは私の一生の謎だよ」
ケイラの瞳が、寂しそうに揺れている。あまり表情は変わらないが、結構感情豊かな少女だ。そうと決めたら突っ走るところが少し問題だが、素直でいい子だ。
彼女の恋を、応援したい。
「よし、ねぇケイラ。今度の週末、一緒に新しいアクセサリーを買いに行こう。化粧の仕方も覚えたほうがいい」
「え?」
「オリバを、気合と根性で振り向かせるんだよ。そんで、あわよくば告る。美容と健康、そして強さに気を遣えば、きっとなんとかなる!」
こっちには恋愛マイスター兼良家のお嬢様ミルシャがついている。そんで、化粧もアクセサリーもなんもつけてない素人同然の私!
「そ、そんな…告白とか無理…!余裕で死ねますよ」
「死んでも爆死してもいいから!あ、爆死はダメだ。フラれてる。……まぁ、それはさておき…週末、開けといてね!ちょっとミルシャ呼んでくる〜!」
畳み掛けるようにケイラに告げると、ミルシャを呼びに全力ダッシュ。ふははは、燃えるぜ。
いつもの夕暮れが、また近づいてくる。
不気味なほど明るい赤色の目が、私をまっすぐに見据え爛々と輝いている。彼女のはっきりとした物言いは普段だったら好印象だったが、今は好印象どころか恐怖を感じる。
恋する乙女って恐ろしい。それが私の今の感想だった。
「あ、えっとねぇ…うんとねぇ…」
「……本当なんですね。わかりました」
『それじゃ、外へ』と言われて、いやですという間もなく道場裏へ連行されてしまった。ミルシャは申し訳なさそうな顔をしていたが、お前ケイラに私を売り渡したじゃないか。
先ほどの疑問に瞬時に嘘をつけるほど頭が回る方じゃない。
どもっていると、詰め寄ると言う表現がぴったりなほど近い距離にいた彼女は、急に一歩離れ頭を勢いよくおろした。
それがお辞儀だと言うことに気がつくのに、数秒かかった。
「私、オリバさんのことが好きなんです。もしあなたがオリバさんのことを好きでないなら、思わせぶりをするのをやめてください。彼が可哀想です」
また、数秒の沈黙が流れる。
これは気まずかったからでも、彼女のことが怖いからでもない。誠実で真面目な彼女に、適当な答えではなくしっかりした答えをあげたかったからだ。
だが、一つわからないことがある。
「……思わせぶり?ごめん、ケイラの誠意は受け取りたいところだけど、思わせぶりって何?そんなのしたっけ?ってか顔あげて」
「え、無自覚だったんですか!?」
慌てて顔を上げたケイラは、こちらを驚いたように見つめる。私としても思わせぶりがなんなのか知りたいものである。そうじゃないと対策できないからな。
「肩組んだり、超笑顔だったり、時々『かっこよ!』って彼の容姿を褒めたり……すっごい思わせぶりですけどね」
「えっとね、ツッコミたいことしかないんだけど……ごめん、全部デフォ。他の人にもやってる」
「……え?」
ポカンと口を開けているケイラだが、これは私のデフォルトの性格である。
よくアズやオールには『天性の人たらし』と言われていたが、人から聞いてみるとだいぶやらかしている。
「で、でも……よく、組み手とかしてるじゃないですか。あれ、結構その…体が当たるので基本同性同士で組むはずなんですけど…」
「私は例外。強すぎてオリバしか止められないんだよ。私の本気攻撃くらって気絶で済んでるやつ、この道場にはオリバしかいないから〜、はは…」
なんかすごくごめん。私、超やらかしてた。
「……失礼ですが、オリバさんはなんであなたのこと、好きになったんでしょうかね」
「うん。ほんとにね。そこは私の一生の謎だよ」
ケイラの瞳が、寂しそうに揺れている。あまり表情は変わらないが、結構感情豊かな少女だ。そうと決めたら突っ走るところが少し問題だが、素直でいい子だ。
彼女の恋を、応援したい。
「よし、ねぇケイラ。今度の週末、一緒に新しいアクセサリーを買いに行こう。化粧の仕方も覚えたほうがいい」
「え?」
「オリバを、気合と根性で振り向かせるんだよ。そんで、あわよくば告る。美容と健康、そして強さに気を遣えば、きっとなんとかなる!」
こっちには恋愛マイスター兼良家のお嬢様ミルシャがついている。そんで、化粧もアクセサリーもなんもつけてない素人同然の私!
「そ、そんな…告白とか無理…!余裕で死ねますよ」
「死んでも爆死してもいいから!あ、爆死はダメだ。フラれてる。……まぁ、それはさておき…週末、開けといてね!ちょっとミルシャ呼んでくる〜!」
畳み掛けるようにケイラに告げると、ミルシャを呼びに全力ダッシュ。ふははは、燃えるぜ。
いつもの夕暮れが、また近づいてくる。
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