宮殿訪問から数ヶ月、私は自己流で鍛錬を続けていた。
オールが残した道場にはたくさんの門下生がいて、私の練習に付き合ってくれる。が、本気を出すとほとんどの門下生たちを殺してしまうため私の練習になっているかどうかは謎だが。
ふと隣を見ると、先ほど私の開発中の技を喰らい気絶している同期が勢いよく起き上がった。
「あーっ、いてぇ!!!!お前、マジで手加減とかしろよな!」
彼はオリバ=ディアスト。南方出身の母親に似たらしい褐色肌に、切れ長の青い瞳が映えている。前までは結構綺麗な顔してるなーと思っていたが、キルンたちを見てしまってからはフツメンの範囲内である。
それはさておき、技の応用と正確な防御を得意とする私の同期だ。基礎攻撃力はイマイチだが、防御魔法を巧みに操りそれを使い攻撃もできる優れた技量の持ち主である。
「あはっ、ごめんごめん!ちょっとまだ開発中でさぁ、この道場で私の攻撃受けて気絶で済む人オリバしかいないでしょ?」
「お前が強すぎるだけだろ!全く、何がどうなってこんな強さになるんだか…」
呆れ顔のオリバがツボに入り、思いっきり笑い転げる。ほとんどの門下生がいなくなっている夕方の道場に、きゃははっという自分の笑い声が響き渡っていた。
「まぁ、強さに関しては……惚れた人のため?っちゅーか!」
治らない笑いのノリで惚気を口走ると、つられて笑っていたオリバの表情がぴたりと固まった。
「……はい?」
数秒の沈黙ののち、彼は明らかに動揺を顔に出しながら喋り出した。
「え、お前好きな人とかいたの?」
「え?うん」
アレンちゃんというマドンナに惚れましたよ私は。ガッツリね。
オリバに関してはよく他の門下生の恋バナに興味津々だったからこういう話は好きかと思っていたが、はたまた数秒の沈黙ののち『へー…』というつれない返事が帰ってきてしまった。ありゃ、ミスったか。
笑いすぎて喉が渇いたので、オリバの分も水を汲んで戻ってくる。
「えー、恋バナ嫌い?めっちゃ好きだと思ってたんだけどねぇ。はい、水」
「…ども。や、嫌いじゃないけどさ…」
じゃあなんでそんなにつれないんだよ。『その人には好きな人がいてッッ!』っていうおまけ要素付きだぞ?
改めて観察してみると、キョロキョロと目を泳がせて明らかに挙動不審である。まぁまぁ…と適当に誤魔化しながらも、表情は普通に泣きそうである。
……あれ、これはまさか?
「ねぇあのさー、もしかしてさー」
「なんだよ」
「オリバって私のこと好きだったりする?」
その瞬間、オリバは口に運んでいた水を思いっきり吹き出した。そのままむせこんでいる彼を見て、まさかの図星説が私の中に浮上する。
しばらくして水の後処理を済ますと、私は案の定彼を揶揄いに行った。
「で?結局どうなの?」
「フツーそんなの聞くかよ!」
「すごい顔真っ赤だけど…」
「……悪ぃかよ」
思いっきり図星っぽかった。マジかよ。
えちょっと可愛いんだけど!アレンちゃんには匹敵しないけどね。
さてさてそろそろオリバを一人にしてあげようと立ち上がり、下を向いて座り込んだままのオリバに告げた。
「ま、私に惚れるんだったらアレンちゃんを超えてからにするんだな!」
「アレンちゃん…?って誰!」
パッと顔を上げて訝しむオリバに、私はガトスに頼み込んで入手したパーティーの3人が映る写真を見せた。
「絶世の美女で、私のマドンナ。彼女はこの赤髪の男が好きだから応援してる。アレンちゃんを苦しめるようなことしたらこの男絶対殺そうと思って、修行してるんだ〜!」
満面の笑みでオリバを見つめると、決まりが悪そうに目を逸らし『でてけ!』と追い出されてしまった。
そんなに拗ねなくても、可愛いまんまでいてくれるならちょっとは望みあるんじゃない?
先ほどの写真を片手に、鼻歌を歌う。途中からオリバの様子を思い出して、人目があるにも関わらずくすりと笑った。
さて、アズのご飯を作るとするか!
夕暮れが、写真の中のアレンちゃんを照らしていた。
オールが残した道場にはたくさんの門下生がいて、私の練習に付き合ってくれる。が、本気を出すとほとんどの門下生たちを殺してしまうため私の練習になっているかどうかは謎だが。
ふと隣を見ると、先ほど私の開発中の技を喰らい気絶している同期が勢いよく起き上がった。
「あーっ、いてぇ!!!!お前、マジで手加減とかしろよな!」
彼はオリバ=ディアスト。南方出身の母親に似たらしい褐色肌に、切れ長の青い瞳が映えている。前までは結構綺麗な顔してるなーと思っていたが、キルンたちを見てしまってからはフツメンの範囲内である。
それはさておき、技の応用と正確な防御を得意とする私の同期だ。基礎攻撃力はイマイチだが、防御魔法を巧みに操りそれを使い攻撃もできる優れた技量の持ち主である。
「あはっ、ごめんごめん!ちょっとまだ開発中でさぁ、この道場で私の攻撃受けて気絶で済む人オリバしかいないでしょ?」
「お前が強すぎるだけだろ!全く、何がどうなってこんな強さになるんだか…」
呆れ顔のオリバがツボに入り、思いっきり笑い転げる。ほとんどの門下生がいなくなっている夕方の道場に、きゃははっという自分の笑い声が響き渡っていた。
「まぁ、強さに関しては……惚れた人のため?っちゅーか!」
治らない笑いのノリで惚気を口走ると、つられて笑っていたオリバの表情がぴたりと固まった。
「……はい?」
数秒の沈黙ののち、彼は明らかに動揺を顔に出しながら喋り出した。
「え、お前好きな人とかいたの?」
「え?うん」
アレンちゃんというマドンナに惚れましたよ私は。ガッツリね。
オリバに関してはよく他の門下生の恋バナに興味津々だったからこういう話は好きかと思っていたが、はたまた数秒の沈黙ののち『へー…』というつれない返事が帰ってきてしまった。ありゃ、ミスったか。
笑いすぎて喉が渇いたので、オリバの分も水を汲んで戻ってくる。
「えー、恋バナ嫌い?めっちゃ好きだと思ってたんだけどねぇ。はい、水」
「…ども。や、嫌いじゃないけどさ…」
じゃあなんでそんなにつれないんだよ。『その人には好きな人がいてッッ!』っていうおまけ要素付きだぞ?
改めて観察してみると、キョロキョロと目を泳がせて明らかに挙動不審である。まぁまぁ…と適当に誤魔化しながらも、表情は普通に泣きそうである。
……あれ、これはまさか?
「ねぇあのさー、もしかしてさー」
「なんだよ」
「オリバって私のこと好きだったりする?」
その瞬間、オリバは口に運んでいた水を思いっきり吹き出した。そのままむせこんでいる彼を見て、まさかの図星説が私の中に浮上する。
しばらくして水の後処理を済ますと、私は案の定彼を揶揄いに行った。
「で?結局どうなの?」
「フツーそんなの聞くかよ!」
「すごい顔真っ赤だけど…」
「……悪ぃかよ」
思いっきり図星っぽかった。マジかよ。
えちょっと可愛いんだけど!アレンちゃんには匹敵しないけどね。
さてさてそろそろオリバを一人にしてあげようと立ち上がり、下を向いて座り込んだままのオリバに告げた。
「ま、私に惚れるんだったらアレンちゃんを超えてからにするんだな!」
「アレンちゃん…?って誰!」
パッと顔を上げて訝しむオリバに、私はガトスに頼み込んで入手したパーティーの3人が映る写真を見せた。
「絶世の美女で、私のマドンナ。彼女はこの赤髪の男が好きだから応援してる。アレンちゃんを苦しめるようなことしたらこの男絶対殺そうと思って、修行してるんだ〜!」
満面の笑みでオリバを見つめると、決まりが悪そうに目を逸らし『でてけ!』と追い出されてしまった。
そんなに拗ねなくても、可愛いまんまでいてくれるならちょっとは望みあるんじゃない?
先ほどの写真を片手に、鼻歌を歌う。途中からオリバの様子を思い出して、人目があるにも関わらずくすりと笑った。
さて、アズのご飯を作るとするか!
夕暮れが、写真の中のアレンちゃんを照らしていた。
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