「本日はお招きいただき、ありがとうございます。」
『かまわん。面をあげよ。』
顔を上げた先にいるのは、この国──スレーブ帝国の王様である。
慣れない敬語に口元がむずむずする。
宮殿なので、いつも通りの稽古着でくることは流石に気が引けた。
現在は青いサテンのワンピースで、頭に小さな飾りをつけている。これが私の最大限のおしゃれだ。
オールの形見の鉢巻は身につけておきたかったので、腕にリストバンドのように巻いている。
「まず、武闘大会での優勝おめでとう。これからも、功績を上げてほしい。」
「光栄です。」
「そして本題だな。望んだものを下賜することになっているが…何が欲しい?王位などのものは譲れないが、実物を見てもらうこともできるぞ。」
さて、欲しいもの……私はあまり欲がない方だ。
特にないのでアズに欲しいものを聞いたところ、『シャノンが勝ったんだろ!』と怒られてしまった。
ふと、頭の中に妙案が降りてくる。
……これくらい、いいよな。
「……それでは、魔導書を。」
「魔導書とな!珍しい。わかった。[漢字]召使い[/漢字][ふりがな]メイド[/ふりがな]に書物庫まで案内させよう。とても広いからな、1日かかっても構わん。」
「ありがとうございます。」
王様が手を叩くと、ものの数秒で長いスカートのメイドがやってきた。
丸いメガネをかけていて、髪をきっちりまとめている。メイド長だろうか。
「いきましょう。ついてきてください。」
「はい。」
返事をすると、廊下に出る。
廊下の装飾一つ一つが洗練されていて、美しい。壁の欠片一個でも100万レークになるだろう。
階段を登ったり下がったりしていると、メイドが一つの扉の前で止まった。
「こちらでございます。鍵は空いていますのでどうぞ中へ。私は扉のそばで待機していますので、何かあったらお申し付けください。」
「ありがとうございます。」
扉の中に入ると、そこは一面の本棚だった。
一つ一つに魔導書がぎっしり詰まっていて、思わず感嘆の声が漏れる。
このコーナーは…西洋の魔導書だ。
回ってみると東側には東洋の魔導書、西側には西洋の魔導書があることがわかった。
一階二階…三階まであるようだ。
あまりの広さに呆気に取られながら、三階に向かう。
三階はこの国の魔導書があると聞いた。
もしかしたら、あるかもしれない。
[水平線]
半日ほど経った気がする。
魔導書を探して読んで探して…頭がそろそろバグってきた。
目当ての本は見つからない。適当な本を持って帰るか?
ふと、煤だらけの魔導書が目に入る。
立派な表紙だが、煤と焦げに塗れていて題名が把握できない。
「もしかして…」
その魔導書を引っ張り出すと、その場で開いてみる。
魔法と武闘の共生について書かれている。挿絵がたくさんあってわかりやすい。子供向けだろうか?
次のページを開くと、何か書かれているようだった。
あぁ、この字。この匂い。
「こんなところにおったか。どうだ?めぼしいものは見つかったか?」
「あの…」
やってきた王様に、失礼とはわかりながら声をかける。
涙が溢れ出す。顔を上げると、王様が驚いた顔をしていた。
「この魔導書を、いただけますか?」
これを、私は読んだことがある。あの懐かしい人と共に。
『かまわん。面をあげよ。』
顔を上げた先にいるのは、この国──スレーブ帝国の王様である。
慣れない敬語に口元がむずむずする。
宮殿なので、いつも通りの稽古着でくることは流石に気が引けた。
現在は青いサテンのワンピースで、頭に小さな飾りをつけている。これが私の最大限のおしゃれだ。
オールの形見の鉢巻は身につけておきたかったので、腕にリストバンドのように巻いている。
「まず、武闘大会での優勝おめでとう。これからも、功績を上げてほしい。」
「光栄です。」
「そして本題だな。望んだものを下賜することになっているが…何が欲しい?王位などのものは譲れないが、実物を見てもらうこともできるぞ。」
さて、欲しいもの……私はあまり欲がない方だ。
特にないのでアズに欲しいものを聞いたところ、『シャノンが勝ったんだろ!』と怒られてしまった。
ふと、頭の中に妙案が降りてくる。
……これくらい、いいよな。
「……それでは、魔導書を。」
「魔導書とな!珍しい。わかった。[漢字]召使い[/漢字][ふりがな]メイド[/ふりがな]に書物庫まで案内させよう。とても広いからな、1日かかっても構わん。」
「ありがとうございます。」
王様が手を叩くと、ものの数秒で長いスカートのメイドがやってきた。
丸いメガネをかけていて、髪をきっちりまとめている。メイド長だろうか。
「いきましょう。ついてきてください。」
「はい。」
返事をすると、廊下に出る。
廊下の装飾一つ一つが洗練されていて、美しい。壁の欠片一個でも100万レークになるだろう。
階段を登ったり下がったりしていると、メイドが一つの扉の前で止まった。
「こちらでございます。鍵は空いていますのでどうぞ中へ。私は扉のそばで待機していますので、何かあったらお申し付けください。」
「ありがとうございます。」
扉の中に入ると、そこは一面の本棚だった。
一つ一つに魔導書がぎっしり詰まっていて、思わず感嘆の声が漏れる。
このコーナーは…西洋の魔導書だ。
回ってみると東側には東洋の魔導書、西側には西洋の魔導書があることがわかった。
一階二階…三階まであるようだ。
あまりの広さに呆気に取られながら、三階に向かう。
三階はこの国の魔導書があると聞いた。
もしかしたら、あるかもしれない。
[水平線]
半日ほど経った気がする。
魔導書を探して読んで探して…頭がそろそろバグってきた。
目当ての本は見つからない。適当な本を持って帰るか?
ふと、煤だらけの魔導書が目に入る。
立派な表紙だが、煤と焦げに塗れていて題名が把握できない。
「もしかして…」
その魔導書を引っ張り出すと、その場で開いてみる。
魔法と武闘の共生について書かれている。挿絵がたくさんあってわかりやすい。子供向けだろうか?
次のページを開くと、何か書かれているようだった。
あぁ、この字。この匂い。
「こんなところにおったか。どうだ?めぼしいものは見つかったか?」
「あの…」
やってきた王様に、失礼とはわかりながら声をかける。
涙が溢れ出す。顔を上げると、王様が驚いた顔をしていた。
「この魔導書を、いただけますか?」
これを、私は読んだことがある。あの懐かしい人と共に。
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