「……なんかあっさり本戦出場が決まったんだが。」
なんかあっけなかったなー。
でも、隣のブロックはすごかった。
キルンが口をぱくぱくしていたあの男──ルノアと言うらしい。あいつが無双していた。
それも頭脳戦型だから、直感的に戦う私とは相性が悪い。
キルンも無双しているという話を聞いた。どっかでキルンと戦うことになりそうだな。
水筒を空っぽにして立ち上がると、本戦への歩みを進めた。
[水平線]
味気ねー。
するすると決勝戦まで勝ち上がってしまったんだが。
というか、ルノアが人を殺したせいで決勝戦がだいぶ遅れている。
今日中になんとかなればいいな。
『それでは、準決勝戦の両勝者はフィールドに上がってきてください!』
出番だ。
目の前にいるのは──キルン。
「やっぱり、ここまで残ったか。」
「勝たせてもらうね?……私の、今後に関わるから。」
『はじめっ!』
何を考えているのかわからない表情をしながら宙を見ているキルンめがけて、先手必勝と言わんばかりに攻撃を放つ。
「いくよ!【烈土殴打】!」
手を叩く乾いた音が脳内に響くと、手足がオレンジのオーラを帯びる。
最初は飛び蹴りで行くか。
足をバネのように働かせ、キルンの方へ標的を定める。
「うわっ!」
間一髪で避けたキルンと地面に着地する私。
強力な呪文を発するキルンは強敵だ。離れておいて損はない。
「一回でも食らったらやばいな…かなり吹っ飛ばされる。早めに決着をつけさせてもらうぞ。」
キッとこちらを睨む彼の迫力に背中がゾゾっとする。
あぁ、この感覚はいつぶりだろうか。
背中のゾクゾクと歓喜の気持ちが抑えられない。
「古より燃え盛りわれらに恵みを与えるヒノカの神よ、我に燃え盛る加護を!二百段式展開【ファメラーテ・古】!」
キルンの手から発せられた炎の──矢のような閃光のような魔法は、美しかった。そして、恐ろしい。
当たったらやばいと言うオーラが内臓までビリビリと響く。
「【石壁の護】!」
地面に手をつけると、そこから魔力を流し込む。
すると、目の前に石とも土とも取れない不思議な壁が現れ、攻撃を全て弾く。
「…マジか、防ぎ切られた…」
驚くキルンの隙をつき、ある呪文を唱える。
「【土裂連打】!」
いくつもの地割れで場内を破壊する。
毎年主催者泣かせだと言われるこの呪文で、キルンの体制を──崩した!
「隙あり!【列土殴打】!!!!!」
右足と両拳に魔力を込めると、一気にキルンの方へ跳ぶ。
見えた隙に向かって一直線に拳を叩き込もうとすると、彼はとんでもない技を使った。
「【メライリー】」
「嘘!?」
今のは…なんだ?
火炎魔法と氷結魔法の初歩的なものを、[漢字]融合させて自分に放った[/漢字][ふりがな]・・・・・・・・・・・[/ふりがな]?
そんなことができるのか。やはり、彼は天才だ。
思わず笑いが漏れた、その瞬間。
「古より燃え盛りわれらに恵みを与えるヒノカの神よ、我に燃え盛る加護を!二百段式展開【ファメラーテ・古】!」
不意を突かれたが、幸いにも手が地面についている。
「【石壁の護】!」
「悪いな、それはもう見た。【[漢字]領域破壊[/漢字][ふりがな]エリアブレイカー[/ふりがな]】!」
不敵に微笑んだキルンの翠色の瞳が、破られた壁の隙間から見える。
「【石壁の護】が…破れるなんて…!」
「もう対処法は見えたからな。」
壊された。けれど、これで彼の攻撃の特性がわかった。
まっすぐだ。ひたすらに。
このクソ真面目な対戦相手に敵う技は──これだ。
「【土裂連打】!」
「…!何が目的だ?」
砕かれた【石壁の護】。そのかけらをさらに砕き、石礫サイズにする。
そして──
「【列土殴打】!!!!!!!!」
風圧で、思いっきりキルンの方へ飛ばす!
油断していたのか、キルンに石礫は直撃した。
「しまっ──」
場内ギリギリの場所で戦っていたキルンは、そのまま吹っ飛ばされ場外に落ちた。
『キルン選手、場外!勝者、シャノン選手!!!!!!』
高らかに宣言する審判の声を聞くと、安心して地面にへたり込む。
歓声の中、キルンは状況を理解できていないようで混乱の眼差しをこちらに向けている。
「へへ、騙し討ちだ…」
聞こえているかはわからない。ただの独り言だ。
『よって、シャノン選手には望むものを王から下賜していただける名誉が与えられます!!!!』
キルンが何か言ったような気がした。けれど、離れすぎていて聞こえない。
勝ったぞ、勝った。初優勝だ。
それも、誰よりも嬉しい。頂点だ。
天国にいるか地獄にいるかもわからない師範に向けて、拳を遠くに突き上げた。
見てたか、オール!
なんかあっけなかったなー。
でも、隣のブロックはすごかった。
キルンが口をぱくぱくしていたあの男──ルノアと言うらしい。あいつが無双していた。
それも頭脳戦型だから、直感的に戦う私とは相性が悪い。
キルンも無双しているという話を聞いた。どっかでキルンと戦うことになりそうだな。
水筒を空っぽにして立ち上がると、本戦への歩みを進めた。
[水平線]
味気ねー。
するすると決勝戦まで勝ち上がってしまったんだが。
というか、ルノアが人を殺したせいで決勝戦がだいぶ遅れている。
今日中になんとかなればいいな。
『それでは、準決勝戦の両勝者はフィールドに上がってきてください!』
出番だ。
目の前にいるのは──キルン。
「やっぱり、ここまで残ったか。」
「勝たせてもらうね?……私の、今後に関わるから。」
『はじめっ!』
何を考えているのかわからない表情をしながら宙を見ているキルンめがけて、先手必勝と言わんばかりに攻撃を放つ。
「いくよ!【烈土殴打】!」
手を叩く乾いた音が脳内に響くと、手足がオレンジのオーラを帯びる。
最初は飛び蹴りで行くか。
足をバネのように働かせ、キルンの方へ標的を定める。
「うわっ!」
間一髪で避けたキルンと地面に着地する私。
強力な呪文を発するキルンは強敵だ。離れておいて損はない。
「一回でも食らったらやばいな…かなり吹っ飛ばされる。早めに決着をつけさせてもらうぞ。」
キッとこちらを睨む彼の迫力に背中がゾゾっとする。
あぁ、この感覚はいつぶりだろうか。
背中のゾクゾクと歓喜の気持ちが抑えられない。
「古より燃え盛りわれらに恵みを与えるヒノカの神よ、我に燃え盛る加護を!二百段式展開【ファメラーテ・古】!」
キルンの手から発せられた炎の──矢のような閃光のような魔法は、美しかった。そして、恐ろしい。
当たったらやばいと言うオーラが内臓までビリビリと響く。
「【石壁の護】!」
地面に手をつけると、そこから魔力を流し込む。
すると、目の前に石とも土とも取れない不思議な壁が現れ、攻撃を全て弾く。
「…マジか、防ぎ切られた…」
驚くキルンの隙をつき、ある呪文を唱える。
「【土裂連打】!」
いくつもの地割れで場内を破壊する。
毎年主催者泣かせだと言われるこの呪文で、キルンの体制を──崩した!
「隙あり!【列土殴打】!!!!!」
右足と両拳に魔力を込めると、一気にキルンの方へ跳ぶ。
見えた隙に向かって一直線に拳を叩き込もうとすると、彼はとんでもない技を使った。
「【メライリー】」
「嘘!?」
今のは…なんだ?
火炎魔法と氷結魔法の初歩的なものを、[漢字]融合させて自分に放った[/漢字][ふりがな]・・・・・・・・・・・[/ふりがな]?
そんなことができるのか。やはり、彼は天才だ。
思わず笑いが漏れた、その瞬間。
「古より燃え盛りわれらに恵みを与えるヒノカの神よ、我に燃え盛る加護を!二百段式展開【ファメラーテ・古】!」
不意を突かれたが、幸いにも手が地面についている。
「【石壁の護】!」
「悪いな、それはもう見た。【[漢字]領域破壊[/漢字][ふりがな]エリアブレイカー[/ふりがな]】!」
不敵に微笑んだキルンの翠色の瞳が、破られた壁の隙間から見える。
「【石壁の護】が…破れるなんて…!」
「もう対処法は見えたからな。」
壊された。けれど、これで彼の攻撃の特性がわかった。
まっすぐだ。ひたすらに。
このクソ真面目な対戦相手に敵う技は──これだ。
「【土裂連打】!」
「…!何が目的だ?」
砕かれた【石壁の護】。そのかけらをさらに砕き、石礫サイズにする。
そして──
「【列土殴打】!!!!!!!!」
風圧で、思いっきりキルンの方へ飛ばす!
油断していたのか、キルンに石礫は直撃した。
「しまっ──」
場内ギリギリの場所で戦っていたキルンは、そのまま吹っ飛ばされ場外に落ちた。
『キルン選手、場外!勝者、シャノン選手!!!!!!』
高らかに宣言する審判の声を聞くと、安心して地面にへたり込む。
歓声の中、キルンは状況を理解できていないようで混乱の眼差しをこちらに向けている。
「へへ、騙し討ちだ…」
聞こえているかはわからない。ただの独り言だ。
『よって、シャノン選手には望むものを王から下賜していただける名誉が与えられます!!!!』
キルンが何か言ったような気がした。けれど、離れすぎていて聞こえない。
勝ったぞ、勝った。初優勝だ。
それも、誰よりも嬉しい。頂点だ。
天国にいるか地獄にいるかもわからない師範に向けて、拳を遠くに突き上げた。
見てたか、オール!
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