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今宵、灯篭の日が灯る。

#14

櫻井国から現在三里

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二つ目の国境の門を越えると、そこは野原でしかなかった。
どこを見渡しても、草、山、木。

生えている木は桜だが、蕾が少しほころんでいる程度だ。

白亜「お〜っ!やっぱ雰囲気違うねぇ〜」
風樹「ですね…」
いつの間にか仲良くなっている白亜と風樹。
そして、その後ろでは利水と飛花が剣術に対して議論を繰り広げていた。

火影「夜雨ーっ!何読んでんだ?」
暇になったのか声をかけてくる火影をさておき、私は持ってきた本を歩きながら読んでいる。
我ながらなんとも統率力のない集団だ。

夜雨「命の灯火についての文献。選ばれたとか言われても、ろくな説明もなく旅に出されたからちょっとはわかっておこうと思ってね。」
火影「へぇ〜。やっぱ努力家なんだな。」
感心する火影だが、私は努力家と言われて少し嬉しかった。
けれど、悟られればいじられるかもしれない。
そんなことを思い、緩んでいた表情を固くする。

というか、火影こそどこか元気がない。
先ほどの一連のやり取りから彼の生い立ちは把握できなくもない。が、確証はない。
やはり、気になるのだろうか。

[中央寄せ]*[/中央寄せ]
飛花「もうすぐ次の国に着くよ〜!」
白亜「え…まだ歩くの…?」
疲れた。ほんっとうに疲れた。
やはり、幻術師という職業柄あまり動かないから、[漢字]三里[/漢字][ふりがな]十二キロ[/ふりがな]歩くのはきつかったか…

風樹「大丈夫ですか?」
この中で一番ひ弱そうな風樹は意外と体力があるようで、[漢字]三里[/漢字][ふりがな]十二キロ[/ふりがな]を歩くどころか走れそうな勢いである。
そりゃそうか。薬売りだったら国中を回るはず。一日に[漢字]五里[/漢字][ふりがな]二十キロ[/ふりがな]はザラだろう。

夜雨「水、飲む?」
利水「あぁ…」
いや、へばっているのは私だけではなさそうだ。
良家のおぼっちゃまの移動手段は大体人力車だ。こんな距離そうそう歩かないだろう。
馬車のようなものをもらってもよかったが、それだとならず者を見逃しそうだからと夜雨が断った。

火影「夜雨…水…ください…」
夜雨「はい。」
水の管理がかりである夜雨は、火影に水筒をぶん投げた。
火影「うぉっと……俺にだけなんか雑くない?」
夜雨「気のせいでしょ。」

そっけなく返すと夜雨はまた先陣切って歩き出した。
そのあとに風樹が続き、飛花が水を飲みながら追いかける。

さすが飛脚と薬売り、そして忍だ。

[中央寄せ]*[/中央寄せ]

2025/05/11 07:30

すい
ID:≫ 0.LEY4vV85UM2
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