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今宵、灯篭の日が灯る。

#11

文字の読める人と読めない人

櫻井国出発の日──
飛花「今日からついに別の国だね…この国ともしばらくお別れだぁ…」
白亜「飛花ちゃんはやり残したことある?」
飛花「ん〜、あるっちゃあるけど…ナイショっ!」
可愛らしく指を唇に当てると、白亜はニヤニヤしながらそういうことか、と言っている。
白亜が恋バナしよ恋バナ!といい、無理矢理飛花を外に連れて行った。

火影「で、夜雨は何してんだ?」
そんな白亜に呆れながらも、夜雨は分厚い本に目を戻す。
夜雨「もうこの国の本読めなくなるから詰め込んでる。」
火影「へぇ…文字、読めるんだなぁ…俺ちょっとしか読めねぇ…」
しょんぼりと語尾を落とすと、夜雨は本の山から絵本を取り出す。

夜雨「これなら比較的読みやすいと思う。今暇なら読む?」
火影「読む…ありがとう。」
火影は本を受け取り、夜雨と微妙な距離を開けた場所に腰掛けてから開いた。

火影「あ…さ?…さ…の…」
時々文字を飛ばしながら読む姿に、夜雨は少し顔を緩める。
そして、また分厚い本に目を向けた。

風樹「あの…火影さん、僕…少しならわかりますけど…教えましょうか…?」
火影「頼む!っと…まずこれ…」
風樹「これは『ら』ですね。」

この国では全く文字を読めない者も多い。
貧しいものは教養がなく、物乞いや地主の奴隷程度にしかなれない。
火影が貧しい身寄りだということはこの部屋にいる全員が察したが、流石に聞けない。

利水「荷物の最終確認だけしてくる。」
夜雨「じゃあ私も行く。二人は?」
火影「俺はこれ読み終わったら行く。風樹先行ってていいよ。」
風樹「僕もまだここにいます。」

利水「そうか。行ってくる。」
利水がそう言い残すと、二人は荷物置き場まで走って行った。

2025/04/20 17:53

すい
ID:≫ 0.LEY4vV85UM2
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