[中央寄せ]*[/中央寄せ]
火影が長老様の出した本に触れた瞬間、表紙に描かれている魔法陣が紅に染まった。
驚く間もなく魔法陣から火が出ると、指先を伝って彼の全身に火が回り出した。
火影「俺燃えてるんだけど!?」
「ふむ、お前は火属性か。白亜、来なさい。」
白亜「はぁ〜い!」
白亜が手をかざすと、今度は黄色に魔法陣が輝いた。
周りに人魂を漂わせながら、得意げに笑っている。
「利水。」
利水「はい。」
水の塊が利水の体を取り囲みだした。
彼は少し嬉しそうにそれを突いている。
「風樹。」
風樹「は、はい…」
びゅぉぉ、と音がして彼の体を風が取り巻いた。
小さな竜巻のようになっているそれを驚くように見つめると、少しはにかんだ。
「…飛花。」
飛花「はいっ!」
鈴を転がすように返事をして、手を本にかざす。
すると、誰よりも眩しく美しい光が魔導書から発せられた。
夜雨「ぅわ…!?」
颯樹「まぶしっ…」
「ほう…飛花は光属性か。珍しい素質を持っているんじゃな…」
感心したように呟く長老様を見ていると、嫉妬に飲まれそうになる。
まだ私の属性はわからない。でも、もしかしたら光属性より優れた属性かもしれない。
そんなこと、ないのかもしれない。
そもそも、選ばれてすらなかったのかもしれない。
「夜雨。最後は君だ。」
期待と緊張で心臓を弾ませながら、本に手をかざした。
視界が急に真っ暗になる。
どくどくと何かが流れ込んできて、気を張っていないと倒れてしまいそうだ。
この感じは、あいつに抱く感情に似ている。
まさか──。
飛花「夜雨!?」
火影「大丈夫か!?」
「な…なんと…そんな…」
長老様は明らかに動揺している。
白亜「夜雨ちゃんは何属性なの!?」
「や、闇属性…まさか、生きているうちに見ることになるとは…」
闇、と聞いた瞬間思い浮かぶのは、ならず者たちだ。
ならず者とは憎悪の心に飲まれてしまった人間がなる妖怪のようなものであり、私たちと敵対する。
私の嫉妬心から、ならずものになってしまってもおかしくはない。
夜雨「や、み?」
「あぁ。だが、案ずることはない。お前は正真正銘、正義の闇じゃ。」
そういう村長様の顔色は、だいぶ悪かった。
気を遣われている。そう感じた。
やはり、私は正義の味方になんてなれないんだ。
飛花のように優れた容姿も、誰にでもすぐ手を差し伸べる優しさも、裏で努力をする堅実さも。
何も、ないんだ。
飛花「…夜雨っ!大丈夫だって!」
こちらに向けられた輝くような笑顔に、胸が痛くなる。
心臓がずぶりと刺されてかき回されているようだ。
こっちにその顔を向けないで。お願い、お願い。
「夜雨。よく聞きなさい。」
夜雨「…っ、はいっ…」
「闇とは、使い方によってはならず者に転じる危険な技じゃ。…だが、光属性と対等にやりあえるほど強力な技でもある。」
光属性と、対等に。
飛花と、対等に。
「命を懸けてでも、自分が敵に回ることを阻止しなさい。そして、ならず者を憎みなさい。」
夜雨「…はい。」
言葉が重く、息ができない。正直返事を絞り出すのもやっとだった。
それでも、飛花と対等な立場に立てるということが、私の重たい心を支えていた。
まるで、夜空を支える桜の巨木のように。
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火影が長老様の出した本に触れた瞬間、表紙に描かれている魔法陣が紅に染まった。
驚く間もなく魔法陣から火が出ると、指先を伝って彼の全身に火が回り出した。
火影「俺燃えてるんだけど!?」
「ふむ、お前は火属性か。白亜、来なさい。」
白亜「はぁ〜い!」
白亜が手をかざすと、今度は黄色に魔法陣が輝いた。
周りに人魂を漂わせながら、得意げに笑っている。
「利水。」
利水「はい。」
水の塊が利水の体を取り囲みだした。
彼は少し嬉しそうにそれを突いている。
「風樹。」
風樹「は、はい…」
びゅぉぉ、と音がして彼の体を風が取り巻いた。
小さな竜巻のようになっているそれを驚くように見つめると、少しはにかんだ。
「…飛花。」
飛花「はいっ!」
鈴を転がすように返事をして、手を本にかざす。
すると、誰よりも眩しく美しい光が魔導書から発せられた。
夜雨「ぅわ…!?」
颯樹「まぶしっ…」
「ほう…飛花は光属性か。珍しい素質を持っているんじゃな…」
感心したように呟く長老様を見ていると、嫉妬に飲まれそうになる。
まだ私の属性はわからない。でも、もしかしたら光属性より優れた属性かもしれない。
そんなこと、ないのかもしれない。
そもそも、選ばれてすらなかったのかもしれない。
「夜雨。最後は君だ。」
期待と緊張で心臓を弾ませながら、本に手をかざした。
視界が急に真っ暗になる。
どくどくと何かが流れ込んできて、気を張っていないと倒れてしまいそうだ。
この感じは、あいつに抱く感情に似ている。
まさか──。
飛花「夜雨!?」
火影「大丈夫か!?」
「な…なんと…そんな…」
長老様は明らかに動揺している。
白亜「夜雨ちゃんは何属性なの!?」
「や、闇属性…まさか、生きているうちに見ることになるとは…」
闇、と聞いた瞬間思い浮かぶのは、ならず者たちだ。
ならず者とは憎悪の心に飲まれてしまった人間がなる妖怪のようなものであり、私たちと敵対する。
私の嫉妬心から、ならずものになってしまってもおかしくはない。
夜雨「や、み?」
「あぁ。だが、案ずることはない。お前は正真正銘、正義の闇じゃ。」
そういう村長様の顔色は、だいぶ悪かった。
気を遣われている。そう感じた。
やはり、私は正義の味方になんてなれないんだ。
飛花のように優れた容姿も、誰にでもすぐ手を差し伸べる優しさも、裏で努力をする堅実さも。
何も、ないんだ。
飛花「…夜雨っ!大丈夫だって!」
こちらに向けられた輝くような笑顔に、胸が痛くなる。
心臓がずぶりと刺されてかき回されているようだ。
こっちにその顔を向けないで。お願い、お願い。
「夜雨。よく聞きなさい。」
夜雨「…っ、はいっ…」
「闇とは、使い方によってはならず者に転じる危険な技じゃ。…だが、光属性と対等にやりあえるほど強力な技でもある。」
光属性と、対等に。
飛花と、対等に。
「命を懸けてでも、自分が敵に回ることを阻止しなさい。そして、ならず者を憎みなさい。」
夜雨「…はい。」
言葉が重く、息ができない。正直返事を絞り出すのもやっとだった。
それでも、飛花と対等な立場に立てるということが、私の重たい心を支えていた。
まるで、夜空を支える桜の巨木のように。
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