「次のテスト範囲はここになります。魔法少女と創造神のところ。それから政府の仕組みについて。ここら辺結構複雑だから、ちゃんと授業聞いといてくださいね。」
魔法少女のことなんか、小学校1年生から習ってきた。
毎年毎年同じ内容で、去年の学習内容に毛が生えただけのものだ。
正直、こんなの習っていて意味はないと思う。
理科では魔法の原理、社会では魔法少女の歴史、国語では魔法少女を讃える文章───なぜ私が大嫌いな魔法少女が毎授業現れるのだ。
こっちとしては『魔法少女』『創造神』の単語すら聞きたくないというのに。
どちらかというと『魔法少女』より平和ボケした『阿呆少女』な気がしてくるが。
社会は得意教科だが、阿呆少女の範囲のテストだけ赤点取ってやろうかな。
「破壊神は──」
破壊神、というワードが耳に飛び込んできた瞬間、自分が授業を聞いていなかったことに気がつく。
「創造神の敵であり、悪です。人間を虐殺したり、魔法少女を拷問したり、しています。」
破壊神についてこれだけ具体的なことを聞かされたのは全員初めてのようで、手紙を回していた友達も、机の下で本を読んでいたクラスメイトも、顔をあげる。
それにしても、酷い言われようだ。
有る事無い事言われまくっている。さすが悪の親玉。
ここまで達観視できるのも、私が魔法少女の敵のリーダーという立場だからだ。
破壊神様に味方し、綺麗事や魔法少女を憎む存在。
だが、個人的に破壊神様には興味がない。
私は、阿呆…じゃなかった、魔法少女と対立することが目的だから。
そのためなら、自分を偽って、優等生のふりをすることなど朝飯前だ。
「尾嵜さん。ここに当てはまる言葉わかりますか?」
自分が呼ばれたことに気がつくと、座ったまま発言する。
さっきまでの冷たい表情を直し、少しはにかんだような笑みを貼り付ける。
「え〜っと…魔物、ですか?」
「お、正解です。さすがですね。魔物はこの世界に存在して───」
まだ授業開始から10分しか経っていないが、もう飽きてしまった。
あ、いいこと思いついた。
阿呆少女の授業は、アニメだと思って受けることにしよう。
テストは赤点の自信しかないけど。
余計なことを思いつつ、残りの40分を練り消し作りに充てることを決めた。
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