「…ふぁあぁああぁあぁ……」
目を覚ますと、レンガの天井がまず目に入る。
その後、ベットから落ちているということに気がつく。これが毎朝の恒例行事だ。
「…朝か…よし寝よう」
『させるか〜〜!』
私───シャノン=ウォーカーが二度寝をする覚悟を決めた瞬間、乱暴にドアが空き黒髪の少女が顔を出す。
「おら、シャノン!起きろぼけ!」
「…むぅりぃ…朝ごはんはアズが作ってよ…」
「あたしが料理苦手なの知ってるだろ!?食材全部消し炭にしたこと覚えてねーのかよ!」
私を引っ張っているのは、アズール=ウォーカー。通称アズだ。
彼女は私の[漢字]義妹[/漢字][ふりがな]いもうと[/ふりがな]。
ヌーマイトという宝石のような瞳をしている、綺麗な子。黙っていれば。
「何言ってんの!今日は…」
「そうだった…!」
今日は久しぶりの外出日なのだ。
「わかったよ、じゃあ着替えろ!また30分後見にくる!」
扉が閉められると同時に髪の毛を整える。
銀髪をセンター分けにし、はちまきを巻く。
外出時にもはちまきを巻いて!とアズに怒られるだろうが、これは師範の形見だ。
これくらいは許してくれるだろう。
鏡を眺めると、自分の顔が目に入る。
美しい銀髪、薄灰色の少し闇を含んだような瞳、ニキビ一つ無い肌。
これでも自分の容姿には自信がある。
恋人はいないのかと聞かれることは日常茶飯事だ。
もちろん、恋人はいない。
今はそれどころではないのだ。
アズを守るため、もっと、もっと強くならなくてはいけない。
惚気にうつつを抜かしている場合じゃない。
そう自分に言い聞かせながら、着替えて[漢字]義妹[/漢字][ふりがな]いもうと[/ふりがな]のところへ向かった。
- 1.第一章 姉妹
- 2.第一章 葬式
- 3.第一章 好みどストライク事件
- 4.第一章 武闘大会予選当日
- 5.第一章 武闘大会 本戦『決勝』
- 6.第一章 デート目撃
- 7.第一章 ガトスの好み問題
- 8.第一章 宮殿訪問
- 9.幕間 望まない気づき
- 10.番外編 ある少女の世界観賞
- 11.第二章 シャノンの色恋沙汰
- 12.第二章 ビタミンカラーの脅威
- 13.第二章 天性の人たらし
- 14.第二章 バレスト王国
- 15.第二章 ビンタ嬢と緊急停止
- 16.第二章 一期一会を超えた夕暮れ
- 17.第二章 薬売りのオリバ
- 18.第二章 防御専門家のアドバイス
- 19.幕間 才能の種類
- 20.番外編 恋バナ爆弾、投下。
- 21.第三章 死の気配
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