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「俺が探偵になった先輩の助手をしていた頃の話」

#5

#3 洋風メイドと和風庭師

そうして迎えた日曜日。

俺は今週の土日が用事で潰れていく事に目を背けて、あの探偵事務所の中で愛と一緒にラキを待ってた。

「......で、なんであんたは待ってる時に百科事典読んでるんですか?」

「あら、分からない? 自分の知らないものを全部知りたいからに決まってるでしょ」

「いやわかんねぇよ!! あんたの知識事情なんざ知らないんだわ!!」

「まあそんなかっかしないで。私も読むものが変だっていう自覚はあるから」

「それなら、自分が社会とは一歩ズレてることも自覚して欲しいですけどね」

「ふ〜ん、その発言は私が[下線][太字]天才[/太字][/下線]ゆえに、先進的な意味で社会より一歩ズレてるっていう意味で捉えてよろしくて?」

「はぁ......そうゆうことで良いですよ。ポジティブ思考の愛さん」

「はい褒め言葉頂きましたぁ〜!!」

と暴言と嫌味にまともとポジティブを返され、少しイラついたところでラキは現れた。

「おまたせしました〜!!」

「本題のラキちゃんも来たし、それじゃ行きましょうか!!」

百科事典を閉じ、笑いながら愛はそう言った。


[水平線]
移動シーンは省くよ!!

[水平線]

というわけで俺達は今和風建築の豪邸の門の前にいる。

「うわぁ、一目で金持ちの家って分かるほどの豪邸だ......」

「なに驚いてるの? 貴方のところも和風か洋風かの違いで充分同じものでしょ?」

「そうですけど、和風でこうゆうの見るの初めてなんですよ」

俺はそう返した。

「ふ〜ん。それじゃあこのままだと足が棒になるからさっさとチャイムを押すわね〜」

そうして愛はインターホンのチャイムを押した。

ピンポーン

「意外にチャイム音普通なんですね......」

「まあ流石にそうでしょ」

『ご要件はなんですか?』

インターホンから事務的な口調でそう言われた。

「えっと、ラキ・ラックルと申します。先週そちらの主人に今週来る事を約束した客人です」

『......少しお待ち下さい』

少し間があったがそう言われた。

「なんか緊張してるかは知らねえけど、自分のことを客人とか言い方おかしくないか?」

「大丈夫よ。敬語なんて多少間違ってても、ですますつけてるだけでも敬語してるから」

「まあ確かにそうっちゃそうですけど」

そんな事を話していると、

『おまたせしました。ご本人の確認が出来ました。』

とインターホンでそう言われた。

「そうですか!! それじゃあ入っても__」

『その前に。そこに居るお二方は?』

「あっ......えっとですねー。私の知り合いで付き添いです」

『分かりました。ですが今後は事前に付き添いを連れて来る事を連絡してくださるようにお願いします』

「すっ、すみません!! つい忘れてしまいまして......」

『いえ、別に構いません。あくまで「お願い」ですので。それではお待たせして申し訳ございません。今から門をお開けします』

そうしてゴゴゴッという擬音が出てきそうな開き方で門が開かれた。

そこから一人のこの豪邸には不似合いの洋風の長スカートの若いメイドがやってきた。

「私の名前は[漢字]一色[/漢字][ふりがな]いしき[/ふりがな][漢字]冥[/漢字][ふりがな]めい[/ふりがな]と申します。華元様に仕えるただのメイドですので名前は別に覚えなくても構いません」

「それでは後ろについてきて下さい」

そう言うとスタスタと早足で豪邸の方へ行く。

「それでは、扉をお開けします」

メイドが丁寧に音を立てずに和式の扉を開く。
そこには。

「うお〜!! スゲー!!」

「綺麗ですね〜」

「和風ならではの上品さがあっていいわねぇ」

簡潔に述べるなら愛が言った通りだ。

畳や障子、和風の靴箱の上に邪魔にならないように置いてある盆栽。

全てが古典的な物なんだが、それらのバランスよく配置されており、上品さを感じさせる。

「あっ、見て下さい!! 中もすごいですけど庭もすごいです!!」

そう言って、一足先に上がっていたラキがそう言う。

「おいおい。先に上がるなって!!」

俺はそう言いながら、つい気になって庭見たさに急いで上がって見る。



そうして見た庭は、植物の配置や切り方まで妖しげな雰囲気で、それが和風さに包まれていて幻想的だった。

「......見たことないほど綺麗だ......」

この言葉を発したと同時に

「いやぁ、褒めて下さってありがとうございます」

と後ろから声が聞こえた。

驚いて後ろを見ると、そこにはさっきのメイドとは正反対の和風さのある庭師の服を着た、ブルーグレーの髪色をした若い男が居た。

「あっ!! 驚かせてしまいましたかね!? それならすみません!!」

「いえいえ、大丈夫ですよ!!」

「それなら良かった......僕の名前は[漢字]守場[/漢字][ふりがな]まもりば[/ふりがな][漢字]守[/漢字][ふりがな]まもる[/ふりがな]と言います。この家で庭師をしている者です」

礼儀正しいその男は、守場守はそう名乗った。

すると横から愛が

「守場守ねぇ......失礼な事を言いますが、なんだか下の名前、わざとそんな感じにつけられたと言うかなんというかその。絶対ネタでつけられてます......よね?」

と割と失礼な事を言った。

俺は思わず

「人の名前になんつー事言ってるんですか!!」

と言うと、守場守は

「ああ、よくそう言われますね。昔、僕もそう思って親に『なんでこんな名前にしたの?』って聞いたんです」

「そしたら親は『前から読もうが後ろから読もうが同じ名前なのは面白いからつけた』って言ったことは今でも忘れられないですよ......」

そんな悲しい事を虚無顔にしていう。

「あっ......古傷抉っちゃってごめんなさいね!!」

「あ、いえいえ。もうこの一連の流れは慣れたので」

「いや、虚しすぎだろ」

あまりにも可哀想過ぎるそれに俺がツッコむと、そこに

「なにをしているんですか? 守場さん?」

と巫女服のような服を着た薄青紫色の髪色をした女が守場の後ろに立って、守場に話しかけた。

「!? 華元様!!」

「あっ、あなた!! なんだか聞いた事があると思ったら!! 最近テレビに出まくってる華元楓!?」

愛は驚いたようにそう言う。

「......ああ、あなたがラキさんの付き添いの方々ですか? まあ、とりあえず『最近テレビに出まくってる』というのはそうですね。確かに出まくってます」

「なんか言葉が若干フランクね......」

愛がそう言った。

「......まあそれはともかく、ラキさんはどこにいらっしゃいますか? 質問などの事前準備を早く済ませたいので」

「ああ、それならラキは庭を夢中で見てますよ」

と俺が言うと

「場所を教えてくださってありがとうございます」

そう淡々と華元は言って、庭の方へと言ってラキに話しかけた。



「と、そこまでは良いんだけど、まさか私達は客室で待機ね......てっきり立会人としてどんな風に作品を作ってるか見れると思ったんだけど......」

「しょうがないですよ。華元さんは『緊張しない為に最小人数で作品を作りたいので』って言ったましたし」

という事で俺らが話してる場所は客室だ。

「いやぁ、しかしまさかあの「華道界の変わり者」呼ばわりされてる華元楓でも緊張ってするものなのね」

愛がそう驚きながら話しているところで、

「雪斗くん、愛さん。ちょっとお話の間に失礼しますね〜」

とラキが襖を開けて、俺達の話に入って来た。

「よっ、ラキ」

そう俺が返すとラキは

「どうもです!! 雪斗くん!!」

と元気一杯に返してきたと同時に愛が愛おしそうにラキの方を見て、こう聞いた。

「ふふふっ、ラキちゃん。ここで休憩でもしてきたの?」

「そうなんです!! ちょっと楓さんが『少し、自室に戻りますので適当に暇を潰してくれると嬉しいです』と言ったので!!」

「あら、そうなの。少し早いとは思ったんだけど。まあ、ちょっと疲れてたのかもね」

「そうなんですかねー? でも確かに少し顔が青くなっていましたし、そうかもしれませんね!!」

とラキがそう返した次の瞬間

「いやぁああっっっ!!」

この豪邸に響き渡るほどの叫び声がした。

声的に恐らく一色だ。

「雪斗。すぐに冥ちゃんが叫んだ場所に行くわよ」

勿論だ。

俺と愛は急いで廊下を走り、その叫び声がした場所に向かう。

「そんな......華元様が......なんで......いやでも......まだ」



そうして着いた場所はとある部屋で、その部屋の襖は閉められておらず開いている。

その開いた襖から俺達は入り、中を見た。

中には尻餅をついて、恐怖と驚きが入り混じった色に染まった顔をした一色冥。

それと。



胸を押さえて壁によりかかって、苦悶の表情をして死んでいた華元楓の死体がいた。

作者メッセージ

書いてて毎度思う。
「文体安定しねぇなぁ」と。
まあそれはともかく、これ書き終わったら一旦短編集とか書きますかねぇ
それか自分の連載したい予定のやつを読切っていう形で書きたい部分だけ詰めたものを1話書くとか。
まあでも結局その時の気分かな(((
あと比較的愛さんが大人しい回になったな......
いやまあ20歳の大人だから外で馬鹿騒ぎされても華元さんも書く私も困るけど。
ちなみに髪色が現実にない色なのは気にするな()
それと今回のタイトルはちょっと不満があるのでいいのが思いついたらあとでそっちに変えます

2025/08/02 07:40

紅葉狩り
ID:≫ 041SeWM/cfQKs
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