「うっうう......」
森に覆われた国、フォレストにある王城のとある部屋、この国を収める「[漢字]王[/漢字][ふりがな]私[/ふりがな]」の部屋にその泣き声は聞こえた。
コンコンコン。
「[漢字]炎[/漢字][ふりがな]えん[/ふりがな]君、そこにいるかい?」
そう言いながらドアをノックする者がいた。
「いるが......」
「よかった!! 許可を得ずに「女王」や君の部屋に入るなんて重罪だからね!!」
「いや別にいると言っただけで許可したわけじゃな__」
「それじゃあ開けるよ!!」
私の声も聞かずに「騎士」は、仮面を着けた女、「[漢字]騎士[/漢字][ふりがな]雷[/ふりがな]」は颯爽と勢いよくドアを開ける。
「うぅ......なんで勝手に入るんだ......ヒグッ」
「あっ、許可したんじゃなかったのかい? まあ謝るから一旦泣き止んで欲しいな」
そう彼女に言われるが私の怒りと悲しみは収まらない。
「泣いてるのはッ......雷が来る前からだッ!!」
「ああ......すまない、どうも私は今日人に対して配慮出来ないらしい」
「はあ......そうかそうか、つまりお前はそうゆう日なんだな」
「うーん、どこかのエーミールを彷彿させるね......まあ一旦落ち着いたし「女王」から報告が」
「なんだ?」
「ええとね、デーモンVで新キャラの限定UR衣装が来たからギフトカード一万円のやつ数十枚くらい買いたいからお金を出してと__」
「いやダメだが? たかだかゲームに数十万出すのか? 出さないだろ普通」
「フレンドのラブ&ピースちゃんが乱数調整して配布の30連で当てたらしくてね。それで自分も早くお揃いで遊びたいから欲しいらしいよ」
「申し訳ないがそれでも嫌だな。あとで伝えてくれないか?『自分の数十万をゲームに課金する金にさせられたとした私の気持ちになってくれ』と。」
「分かったよ、まあ薄々わかってはいたからね」
「雷が分かってくれて良かった。」
「いやいや、こちらこそどうもどうもだよ」
「それじゃあ私は庭で散歩でもしようかな。「[漢字]女王[/漢字][ふりがな]水[/ふりがな]」の金貸せ命令に、すっかり泣く気力も無くなったしな」
「そうかい。あっ、それでなんだけどね。今君にちょっと伝えたい事が......」
「んっ、なんだ?」
「君の顔さ。ほら」
そう言って彼女は指で私の頬に触る。
その指に付いていたのは......
「ああ、すまない。危うく拭い忘れるところだった」
ドロッとした黒い液状、私の[漢字]涙[/漢字][ふりがな]タール[/ふりがな]だった。
「礼はいらないよ。ただの「騎士」としての配慮さ。ほらタオルだよ!!」
「はあ......本当にすまない。こうゆう事が今後起こらないように、泣くことは控えておく事にしよう」
タオルで粘着質な涙が中々取れない事に苦戦しながら私がそう言うと雷は
「別に大丈夫さ。同じ事が起こったら私達が、「[漢字]騎士[/漢字][ふりがな]私[/ふりがな]」が、「[漢字]女王[/漢字][ふりがな]水[/ふりがな]」が「[漢字]宮廷道化師[/漢字][ふりがな]木花[/ふりがな]」が、きっと言ってくれるよ」
「そうか......励ましてくれてありがとう」
「どういたしまして」
「......実は、私からも顔についてちょっと言いたい事があるんだがいいか?」
「どうぞ」
「お前がいつも付けているその仮面なんだが。右頬の端部分が少し欠けてて、素顔?、いや素肌?が見えているんだが......」
そう言った私の目線の先にある彼女の仮面の右頬の端が、少し欠けている。
その部分から見えている肌はどこからどう見ても真っ黒であり、そこだけ見ていると気が狂いそうな、光を一切反射しない黒さだ。
「そうなのかい!? どれどれ......あっそうだね!! すまないね〜、あんな事を言った矢先にまさか君と同じ事をしてしまうとは()」
私が、「騎士」の私が、欠けた部分を自分で[漢字]直[/漢字][ふりがな]生成[/ふりがな]しながらそういうと「[漢字]王[/漢字][ふりがな]彼女[/ふりがな]」は
「えっ、あのその、あっ、ぁ......」
と曖昧な返事を返しながら項垂れていた。
「ん?どうかしたのかい?」
「......おとうさまごめんなさいつぎはかならずひゃくてんとるからおねがいゆるしてここからだしてだしてくださいおねがいしますほんとうですからだから」
......[漢字]炎[/漢字][ふりがな]君[/ふりがな]のその細かい観察力は好きだけど、ときに自分に不幸をもたらすから気をつけることだね。
私は恐らく本人には聞こえてないあろうそんな事を言いながら、彼女に目覚めの言葉をかける。
「ほ〜ら、白昼夢は終わりだよ?」
「えっ、あっ、え?」
「ほら、庭へ散歩に行くんだろう?もう[漢字]涙[/漢字][ふりがな]タール[/ふりがな]も取れたし」
「ああ、そうだったな。涙も取れたなら早速行くか」
「その前にだ」
「その前に?」
「炎君。君がどんなに辛い過去を背負っていようがなんだろうが、君は[漢字]フォレスト[/漢字][ふりがな]ここ[/ふりがな]を支配する「王」なんだ。辛い過去に決して目を向けるんじゃないよ? なんでかって? 辛い過去に目を向けても辛いだけだからさ。まあもっとも我々には「過去」という物が存在したこともあったこともないけどね」
「は、はあ?」
「まあ、心に刻んでおくのが一番いいと思うよ」
「わっ、分かった。とりあえずそうしとく」
「あっ、そうそう。そうえばさ、さっきはどうして泣いてたんだい?」
「昨日数十万の請求書が来たからビックリして今日使った先を確認したら、全部ゲームのアプリだったから恐らく、いや100%水が勝手にクレカ使ったんだって気づいてそれで泣いてた」
「『自分の数十万をゲームに課金する金にさせられたとした私の気持ちになってくれ』ってどうにも日本語がおかしいと思ったら、そうゆうことだったんだね......」
終わり
森に覆われた国、フォレストにある王城のとある部屋、この国を収める「[漢字]王[/漢字][ふりがな]私[/ふりがな]」の部屋にその泣き声は聞こえた。
コンコンコン。
「[漢字]炎[/漢字][ふりがな]えん[/ふりがな]君、そこにいるかい?」
そう言いながらドアをノックする者がいた。
「いるが......」
「よかった!! 許可を得ずに「女王」や君の部屋に入るなんて重罪だからね!!」
「いや別にいると言っただけで許可したわけじゃな__」
「それじゃあ開けるよ!!」
私の声も聞かずに「騎士」は、仮面を着けた女、「[漢字]騎士[/漢字][ふりがな]雷[/ふりがな]」は颯爽と勢いよくドアを開ける。
「うぅ......なんで勝手に入るんだ......ヒグッ」
「あっ、許可したんじゃなかったのかい? まあ謝るから一旦泣き止んで欲しいな」
そう彼女に言われるが私の怒りと悲しみは収まらない。
「泣いてるのはッ......雷が来る前からだッ!!」
「ああ......すまない、どうも私は今日人に対して配慮出来ないらしい」
「はあ......そうかそうか、つまりお前はそうゆう日なんだな」
「うーん、どこかのエーミールを彷彿させるね......まあ一旦落ち着いたし「女王」から報告が」
「なんだ?」
「ええとね、デーモンVで新キャラの限定UR衣装が来たからギフトカード一万円のやつ数十枚くらい買いたいからお金を出してと__」
「いやダメだが? たかだかゲームに数十万出すのか? 出さないだろ普通」
「フレンドのラブ&ピースちゃんが乱数調整して配布の30連で当てたらしくてね。それで自分も早くお揃いで遊びたいから欲しいらしいよ」
「申し訳ないがそれでも嫌だな。あとで伝えてくれないか?『自分の数十万をゲームに課金する金にさせられたとした私の気持ちになってくれ』と。」
「分かったよ、まあ薄々わかってはいたからね」
「雷が分かってくれて良かった。」
「いやいや、こちらこそどうもどうもだよ」
「それじゃあ私は庭で散歩でもしようかな。「[漢字]女王[/漢字][ふりがな]水[/ふりがな]」の金貸せ命令に、すっかり泣く気力も無くなったしな」
「そうかい。あっ、それでなんだけどね。今君にちょっと伝えたい事が......」
「んっ、なんだ?」
「君の顔さ。ほら」
そう言って彼女は指で私の頬に触る。
その指に付いていたのは......
「ああ、すまない。危うく拭い忘れるところだった」
ドロッとした黒い液状、私の[漢字]涙[/漢字][ふりがな]タール[/ふりがな]だった。
「礼はいらないよ。ただの「騎士」としての配慮さ。ほらタオルだよ!!」
「はあ......本当にすまない。こうゆう事が今後起こらないように、泣くことは控えておく事にしよう」
タオルで粘着質な涙が中々取れない事に苦戦しながら私がそう言うと雷は
「別に大丈夫さ。同じ事が起こったら私達が、「[漢字]騎士[/漢字][ふりがな]私[/ふりがな]」が、「[漢字]女王[/漢字][ふりがな]水[/ふりがな]」が「[漢字]宮廷道化師[/漢字][ふりがな]木花[/ふりがな]」が、きっと言ってくれるよ」
「そうか......励ましてくれてありがとう」
「どういたしまして」
「......実は、私からも顔についてちょっと言いたい事があるんだがいいか?」
「どうぞ」
「お前がいつも付けているその仮面なんだが。右頬の端部分が少し欠けてて、素顔?、いや素肌?が見えているんだが......」
そう言った私の目線の先にある彼女の仮面の右頬の端が、少し欠けている。
その部分から見えている肌はどこからどう見ても真っ黒であり、そこだけ見ていると気が狂いそうな、光を一切反射しない黒さだ。
「そうなのかい!? どれどれ......あっそうだね!! すまないね〜、あんな事を言った矢先にまさか君と同じ事をしてしまうとは()」
私が、「騎士」の私が、欠けた部分を自分で[漢字]直[/漢字][ふりがな]生成[/ふりがな]しながらそういうと「[漢字]王[/漢字][ふりがな]彼女[/ふりがな]」は
「えっ、あのその、あっ、ぁ......」
と曖昧な返事を返しながら項垂れていた。
「ん?どうかしたのかい?」
「......おとうさまごめんなさいつぎはかならずひゃくてんとるからおねがいゆるしてここからだしてだしてくださいおねがいしますほんとうですからだから」
......[漢字]炎[/漢字][ふりがな]君[/ふりがな]のその細かい観察力は好きだけど、ときに自分に不幸をもたらすから気をつけることだね。
私は恐らく本人には聞こえてないあろうそんな事を言いながら、彼女に目覚めの言葉をかける。
「ほ〜ら、白昼夢は終わりだよ?」
「えっ、あっ、え?」
「ほら、庭へ散歩に行くんだろう?もう[漢字]涙[/漢字][ふりがな]タール[/ふりがな]も取れたし」
「ああ、そうだったな。涙も取れたなら早速行くか」
「その前にだ」
「その前に?」
「炎君。君がどんなに辛い過去を背負っていようがなんだろうが、君は[漢字]フォレスト[/漢字][ふりがな]ここ[/ふりがな]を支配する「王」なんだ。辛い過去に決して目を向けるんじゃないよ? なんでかって? 辛い過去に目を向けても辛いだけだからさ。まあもっとも我々には「過去」という物が存在したこともあったこともないけどね」
「は、はあ?」
「まあ、心に刻んでおくのが一番いいと思うよ」
「わっ、分かった。とりあえずそうしとく」
「あっ、そうそう。そうえばさ、さっきはどうして泣いてたんだい?」
「昨日数十万の請求書が来たからビックリして今日使った先を確認したら、全部ゲームのアプリだったから恐らく、いや100%水が勝手にクレカ使ったんだって気づいてそれで泣いてた」
「『自分の数十万をゲームに課金する金にさせられたとした私の気持ちになってくれ』ってどうにも日本語がおかしいと思ったら、そうゆうことだったんだね......」
終わり