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『ジョジョの奇妙な冒険:ゼロ・クロニクル ―静止する砂時計と鋼鉄の執行者―

#8

第8話:砂塵の愚者(フール)と、共鳴する誇り

[太字][大文字]1. 砂漠の再会[/大文字][/太字]
エジプト上陸を果たした空条承太郎一行を待っていたのは、SPW財団のヘリコプター、そして「新たな仲間」だった。
紅海の海風が、熱を帯びた砂漠の熱気に取って代わる。カイロへと続く果てしない砂の海を前に、ジョセフ・ジョースターは複雑な表情で小型犬を抱きかかえていた。
「おい、じじい。そいつが新しい助っ人だってのか? 冗談はやめてくれ、ただの生意気なボストン・テリアじゃあねえか」
ポルナレフが呆れたように鼻を鳴らす。その犬――イギーは、返事の代わりにポルナレフの顔面に屁を放ち、好物のコーヒー味のガムを要求した。
佐藤匠人は、その光景を少し離れた場所から眺めていた。
彼の耳に届く「振動」は、この小さな犬が抱える底知れない精神エネルギー(スタンドパワー)を的確に捉えていた。
「……承太郎。その犬、ただの犬じゃないぜ。あいつの周りだけ、砂の粒子が『生きた音』を立ててやがる」
「……ああ。俺もさっきから背筋が寒いくらいだぜ」
承太郎は学ランの襟を立て、イギーを鋭い目で見据えた。
だが、一行の再会を祝う時間は長くは続かなかった。
突如として、砂漠の地平線から巨大な「砂の壁」が立ち上がり、太陽の光を遮ったのだ。
[太字][大文字]2. 九栄神の先遣:砂の処刑場[/大文字][/太字]
「ヒハハハ! ようこそ、絶望の地エジプトへ! 私はDIO様が九栄神の影、砂塵の使い手・セト!」
(※原作のセト神とは異なる、本作オリジナルの九栄神候補)
砂の中から現れたのは、全身を砂の防具で固めた巨漢の男だった。彼のスタンド『サンド・ハザード』は、周囲数キロメートルの砂を自在に操り、対象を生き埋めにする。
「承太郎! 匠人! 下がれ、砂の中に引きずり込まれるぞ!」
アヴドゥルが叫ぶが、既に一行の足元は流砂と化していた。ポルナレフの足が、ジョセフの腕が、底なしの砂の中に飲み込まれていく。
「やれやれだぜ。どいつもこいつも、砂遊びが好きらしいな」
承太郎がスタープラチナを出すが、砂は殴っても手応えがなく、逆に拳を絡め取ってしまう。
「無駄だ! 物理的な力ではこの『砂の海』は止められん! さあ、窒息して果てるがいい!」
その時、イギーが動いた。砂で構成された怪鳥のようなスタンド『ザ・フール(愚者)』を出現させ、砂を滑空して敵へと肉薄する。だが、敵の砂の操作量は圧倒的で、イギーの『愚者』さえも砂の嵐に包まれ、翼を奪われて墜落した。
「チッ……。犬っころにいい格好をさせるわけにはいかないな」
匠人が一歩、流砂の上に踏み出した。
普通なら沈み込むはずのその足元は、微かな青い光を放ち、氷のように固まっていた。
[太字][大文字]3. ゼロ・ディレイ:予約執行「分子崩壊」[/大文字][/太字]
匠人の背後に、歯車を静かに回転させる『ゼロ・ディレイ』が顕現する。
「お前の砂が『流れる』のは、重力と摩擦という『遅延(ディレイ)』があるからだ。……その法則、今ここで書き換えてやる」
匠人が右手を空に向け、指を弾く。
「能力1――『ザ・ワールド』」
ドォォォォォォン……!
吹き荒れる砂嵐が、空中で一粒一粒の粒子のまま静止した。
静寂。音が死に絶えた世界で、匠人は砂の壁の中へと歩いていく。
「能力2――『ゼロ・ディレイ(遅延なき執行)』」
匠人は「予約(プレ・オーダー)」を開始した。
ターゲットは、砂漠全体ではない。砂を操っている「敵のスタンドエネルギーの指向性」そのものだ。
「予約(プレ・オーダー):因果の逆転(エントロピー・リバース)」
匠人は、止まった時間の中で敵の本体の首根っこを掴んだ。そして、『ゼロ・ディレイ』の拳を敵の胸元にそっと置く。
「砂を操る『原因』を消去し、砂が自らを粉砕する『結果』を上書きする。……時は動き出す」
[太字][大文字]4. 砂漠に響く無駄無駄ラッシュ[/大文字][/太字]
カチリ。
時が動き出した瞬間、敵のセトは絶叫した。
「な……!? 砂が、私の言うことを聞かない!? 逆だ、砂が私を食い破ろうとしている!?」
匠人の予約執行により、敵が操っていた砂の全てが「敵を攻撃する凶器」へと反転した。さらに、匠人は逃げ場を失った敵に対し、至近距離からのラッシュを叩き込む。
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」
物理的な予備動作を一切持たない、零秒の連撃。
敵は「殴られた」という感覚さえ抱く暇がなく、全身の骨が砂と共に粉砕される衝撃を、同時に受け止めた。
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!!」
最後の一撃が敵を砂漠の彼方へと吹き飛ばし、巨大な砂の壁は一瞬にして崩壊した。
[太字][大文字]5. 鋼鉄の覚悟と、新しい仲間[/大文字][/太字]
砂嵐が晴れ、一行は解放された。
イギーは不機嫌そうに砂を払い、匠人の顔を一度だけじっと見つめると、またコーヒーガムを噛み始めた。
「……ふん。あの犬、お前のことだけは認めたみたいだな、匠人」
承太郎が歩み寄り、匠人の肩に手を置く。
だが、承太郎はその手のひらから伝わる「震え」に気づいていた。
「……匠人、お前。さっきの『予約』、かなり無理をしたんじゃないか?」
「……。問題ない。ただの立ちくらみだ」
匠人はヘッドホンを直し、視線を逸らした。
実は、広範囲の物質の因果を書き換える『ゼロ・ディレイ』の行使は、匠人の脳細胞に「未来の記憶」を無理やり流し込むという激痛を伴っていた。
ジョセフが心配そうに二人を見つめる。
「エジプト九栄神……。これまでの刺客とは格が違う。匠人君、無理は禁物だ。君の力は、DIOとの最終決戦まで温存しなければならない」
「わかってるさ。……だが、俺が止まれば、誰かが死ぬ。それだけは『予約』させない」
匠人の強い言葉に、アヴドゥルも花京院も、そしてポルナレフも無言で頷いた。
彼ら一行に、新たに加わったイギー。
六人と一匹となった「スターダストクルセイダース」は、沈みゆく夕日を背に、DIOの館が潜むカイロ市街地へと向けて、再びその一歩を踏み出した。
砂時計の砂は、確実に減り続けている。
だが、その一粒一粒を、匠人と承太郎は決して見逃さない。
第8話 完:[下線][明朝体]残り40話[/明朝体][/下線]

作者メッセージ

えー、現在大変なことが起きました。
2500文字以上で書こうと思っていたのが、どんどん文字数が減ることと、このまま進行していたら、48話までたどり着かず、終わってしまいそうなので、オリジナルエピソードを入れようと思います
なので、皆さん見てくださいね?てか、もちろん見てくれるよね(圧)ゴゴゴゴゴゴゴゴ

2026/02/14 15:19

taku203503
ID:≫ 17/UklnAAecq6
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