文字サイズ変更

『ジョジョの奇妙な冒険:ゼロ・クロニクル ―静止する砂時計と鋼鉄の執行者―

#7

第7話:女教皇の牙と、深海の無駄無駄

[太字][大文字]1. 沈みゆく潜水艦[/大文字][/太字]
エジプト上陸を目前に控えた一行は、SPW財団から提供された潜水艦で紅海を潜航していた。だが、その閉鎖空間こそが、DIOの新たな刺客――ミドラーの放つスタンド『女教皇(ハイプリエステス)』にとって絶好の狩場だった。
「……ッ! コーヒーカップが噛みつきやがった!」
ポルナレフが叫ぶ。彼の持つカップが突然、鋭い牙を持つ金属の顔へと変貌したのだ。女教皇は潜水艦の計器、壁、さらには酸素ボンベに至るまで、あらゆる無機物と同化し、変幻自在に襲いかかる。
「やれやれだぜ。どこを殴っても手応えがねえ。潜水艦そのものが敵だっていうのか」
空条承太郎は、浸水が始まった船内でスタープラチナを構えるが、敵は水や油に紛れて神出鬼没に姿を消す。
佐藤匠人は、浸水し始めた床に素足を浸し、水の「振動」を探っていた。
「……承太郎、こいつは潜水艦を壊して俺たちを外へ引きずり出すつもりだ。水深100メートル……生身で出れば水圧で潰される」
「フン……。なら、外に出る前に、この鉄の箱ごと叩き潰すしかねえな」
「いや、無茶だ。ここは俺が……『予約』で道を切り拓く」
[太字][大文字]2. 地海底の巨大な罠[/大文字][/太字]
潜水艦が破壊され、一行は脱出用のアクアラングを装備して海中へと放り出された。目指すは数百メートル先のエジプト海岸。だが、海底の岩盤そのものが巨大な「顔」へと形を変えた。
「ヒハハハハ! 逃げ場はないわ! この海底の鉱物すべてが私の体よ!」
ミドラーの声が海底に響き渡る。女教皇は海底の岩石を巨大な歯へと変え、一行を一飲みしようと巨大な口を開いた。
「じじい! 離れてろ!」
承太郎が叫ぶ。だが、ダイヤモンドの硬度を持つ岩石の歯に、スタープラチナの拳さえも弾き返される。
「無駄よ! 私の歯はダイヤモンドと同じ硬度! どんなスタンドのパワーも通じないわ!」
「……ダイヤモンドか。いい『硬度(データ)』だな」
匠人が、泡に包まれながら不敵に笑った。
[太字][大文字]3. ゼロ・ディレイ:因果の逆転(物質置換)[/大文字][/太字]
匠人の背後に、冷徹な銀の光を放つ『ゼロ・ディレイ』が顕現する。
「能力1――『ザ・ワールド』」
ドォォォォォォン……!
海水の揺らぎも、迫りくる巨大な岩の歯も、すべてが静止する。
匠人は止まった時間の中で、自分たちを飲み込もうとする巨大な「ダイヤモンドの歯」に触れた。
「能力2――『因果の逆転(リバース・エフェクト)』」
匠人は「予約(プレ・オーダー)」を開始した。
本来なら「硬いから壊れない」という因果を、「壊れたという結果」から逆算し、その物質の結合エネルギーそのものを「予約執行」によって書き換える。
「お前はダイヤモンドのつもりだろうが……。俺が今から行う動作によって、この岩は『バターより脆い泥』へと上書きされる」
匠人は止まった時間の中で、『ゼロ・ディレイ』の指先で巨大な歯を軽く叩いた。
ただそれだけだ。
「時は動き出す。……承太郎、あとは任せたぜ」
[太字][大文字]4. 共闘の無駄無駄ラッシュ[/大文字][/太字]
カチリ。
時が動き出した瞬間、女教皇の「最強の牙」に異変が起きた。
「な……!? なぜ!? 私の歯が……ドロドロに溶けて……!?」
匠人の予約執行により、ダイヤモンドの硬度は一瞬で崩壊し、ただの砂の塊へと変貌していた。
「今だ、承太郎ッ!」
匠人の合図と共に、承太郎が裂帛の気合で踏み込む。
「オラァッ!!」
スタープラチナの拳が、砂と化した牙を次々と粉砕していく。それと同時に、匠人の『ゼロ・ディレイ』も、実体化した「残像」と共に全方位から打撃を叩き込んだ。
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!」
空前絶後のダブル・ラッシュ。
海底を揺るがす衝撃波が走り、女教皇の本体である岩盤そのものが粉々に爆散した。
本来ならスタープラチナの拳でも時間がかかるはずの巨大な敵が、匠人の「零秒の執行」による物質弱体化を受け、コンマ数秒で消滅したのだ。
ミドラーの悲鳴が海に消え、巨大な顔はただのガレキへと戻っていった。
[太字][大文字]5. エジプト上陸[/大文字][/太字]
激戦を終え、一行はついにエジプトの海岸へと辿り着いた。
夕日に染まる砂浜。遠くに見えるカイロの街並み。
「……ついに着いたな。エジプトだ」
ポルナレフが砂を噛み締めるように言う。
承太郎は海を背に、匠人を見つめた。
「……匠人。さっきの攻撃、お前が物質の『因果』をいじらなきゃ、俺の拳も危なかった。助かったぜ」
「……礼には及ばない。俺はただ、最短のルートを『執行』しただけだ」
匠人は相変わらず素っ気なく答えるが、その額には深い疲労の色が見えていた。Sスペックの力を使い続けることは、彼の精神力(スタミナ)を確実に削り取っている。
「ジョセフさん。ここからが本当の地獄ですね」
花京院が静かに告げる。
「ああ。DIOの館は、この街のどこかにある。……行くぞ、諸君!」
承太郎という太陽。そして匠人という、時を止める冷徹な執行者。
二つの最強の力が重なり合い、物語はついに、最終決戦の地・エジプト編へと突入する。
第7話 完:[下線][明朝体]残り41話[/明朝体][/下線]

2026/02/14 15:13

taku203503
ID:≫ 17/UklnAAecq6
コメント

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権はtaku203503さんに帰属します

TOP