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鋼鉄の時空の朝鮮戦争編を見てからこの作品を見たほうが良いです(そのほうが内容などがわかるので(一番オススメなのは、第二次世界大戦編を見てからが良いと強くおすすめします))
1950年7月、横須賀。
青く輝く海を背景に、歴史上類を見ない「超法規的軍事会議」が執り行われていた。統合幕僚監部の重鎮たち、そして山本五十六元帥、さらにはアメリカから急遽飛来したトルーマン大統領の特使までが顔を揃える中、その会議の焦点は、兵器でも弾薬でもなく「精神(スタンド)」に絞られていた。
世界で3億人が目醒めた生命エネルギーのヴィジョン。それは核兵器をも凌駕する「戦略兵器」としての価値を剥き出しにしていた。
[太字][大文字]第1章:断罪の会議[/大文字][/太字]
会議室の空気は、物理的な重圧を伴っていた。参加者の多くがスタンド使いであり、無意識に放たれるプレッシャーが室内の温度を数度上げているかのようだった。
「……結論を申し上げます」
山本五十六が、沈痛な、しかし断固とした表情で書類を置いた。
「世界同時多発的に発生したこの『精神の力』は、もはや個人の所有物として扱うには危険すぎます。特に、共産圏においてもこの力が軍事利用され始めたという報告がある以上、我々に選択肢はありません。――スタンド能力保持者は、その能力の特性に関わらず、全員を最前線部隊として編成・投入することが決定されました」
その決定は、個人の自由を完全に剥奪する「聖域なき動員」であった。特に、強力なスタンドを発現させた者は、一兵卒として戦場の最前線で肉を削り合う盾となることが求められたのだ。
匠人三等海佐は、その席で静かに立ち上がった。
「……それは、私も例外ではないということですね」
「そうだ、匠人君。君のスタンド『ネオ・ジェネシス』のスペックは、現存する全能力者の中でも群を抜いている。全項目Sという神の如き力……。君を護衛艦の艦橋に座らせておくのは、世界に対する損失だ。君には、一人の『スタンド使い』として、北朝鮮軍のスタンド部隊が跋扈する最前線の泥濘(ぬかるみ)へ向かってもらう」
「了解しました。……本日を以て、護衛艦『はぐろ』艦長の職を辞します」
匠人の言葉に、同席していた自衛官たちから動揺が走った。2026年の盾であった「はぐろ」を降りるということは、彼が「最新鋭のシステム」という守りを捨て、生身の精神力だけで死線へ潜ることを意味していた。
[太字][大文字]第2章:艦長としての最期[/大文字][/太字]
会議後、匠人は最後の手続きのために、夕日に染まる横須賀港へ向かった。そこには、自分の半身とも言える護衛艦「はぐろ」が静かに停泊していた。
タラップを上がり、CIC(戦闘指揮所)を通り、艦長室へ向かう。すれ違う乗員たちは、既に決定事項を知っていた。彼らの目は、敬愛する艦長を失う悲しみと、死地へ向かう英雄への敬畏で潤んでいた。
「……最後のアナウンスを許可する」
匠人はマイクを握り、艦内に自らの声を響かせた。
『全乗員へ。私は本日、本艦を降りる。皆と共に海を渡り、歴史の荒波を越えてきた日々は、私の誇りだ。だが、世界は変貌した。今、最も危険な場所には、最も強い力を持つ者が行かねばならない。……「はぐろ」は、君たちのものだ。私が不在の間も、この艦が自由の盾であることを証明してくれ。……以上だ』
艦内全域から、嗚咽混じりの「敬礼!」という声が聞こえてきた。匠人は艦長帽をデスクに置き、代わりに支給されたばかりの、戦場での機動性を重視したタクティカル・ウェアに袖を通した。
腰には2026年製の拳銃、そして背後には、彼にしか見えない黄金の守護神――『ネオ・ジェネシス』が、静かにその時を待っていた。
[太字][大文字]第3章:星の十字軍、上陸[/大文字][/太字]
匠人がタラップを降りた時、そこには異様な集団が待っていた。
学ランを纏った冷徹な眼差しの青年、空条承太郎。
老練な風格の中に不屈の意志を秘めた、ジョセフ・ジョースター。
そして、花京院典明、モハメド・アヴドゥル、ジャン=ピエール・ポルナレフ……。
彼ら「星の十字軍(スターダスト・クルセイダース)」もまた、この世界の歪みに引き寄せられ、国連軍の特別前線部隊として徴用されていた。
「あんたが、全能力Sのスタンド使いか」
承太郎が帽子のつばを指で上げ、匠人を射抜くように見た。
「……やれやれ。軍人の規律ってやつは、俺の性分には合わねえが、あんたの背後にいる『ソレ』は、本物の匂いがするぜ」
「……匠人と呼んでくれ。今日から私も、君たちと同じ、泥にまみれる一人の兵士だ」
匠人は、承太郎の手を固く握った。現代の軍事技術と、エジプトを旅した宿命の戦士たち。彼らが一つの部隊として編成され、共産圏のスタンド部隊が待ち構える朝鮮半島へと送り込まれる。
ジョセフが、機械の義手で地図を広げた。
「いいかい、匠人君。北朝鮮側には、自衛隊の技術とスタンド能力を掛け合わせた、サイボーグ型のスタンド使い『シュトロハイム・改』が率いる特殊部隊が展開しているという情報がある。奴らは精神の力を化学的に増幅させている。……まともな戦いにはならないだろうよ」
「……望むところです」
匠人の瞳に、かつての冷静な艦長の光ではなく、一人の戦士としての闘志が宿った。
[太字][大文字]第4章:能力の極致 ―ゼロ・ディレイの試射―[/大文字][/太字]
部隊が輸送機に乗り込む直前、港の空き地で訓練が行われた。匠人の能力を、承太郎たちに見せておく必要がある。
「承太郎、君の『スタープラチナ』で私を殴ってみてくれ。全力でだ」
「……本気か? 骨も残らねえぜ」
承太郎の背後からスタープラチナが現れ、マッハを越える速度で拳を繰り出した。
その瞬間、匠人は『ザ・ワールド』を発動させ、時を止めた。
止まった世界の中で、匠人は承太郎の拳を紙一重で回避し、空中に指で文字を書くように動作を「予約」した。
能力2:『ゼロ・ディレイ(遅延なき執行)』。
時が動き出した瞬間、承太郎の拳は空を切り、逆に承太郎の腹部には「既に受けた衝撃」が炸裂した。承太郎が「攻撃を空振った」と認識するよりも早く、ダメージという結果が肉体を支配したのだ。
「……なっ!? 何が起きた……!? スタープラチナが、反応できなかっただと?」
承太郎が膝をつき、驚愕の表情を浮かべる。匠人は静かに言った。
「これが『因果の逆転』。そして……」
匠人が軽く手を振ると、承太郎の周囲に、匠人の実体を持った「残像」が10人、同時に現れた。
多機能型能力:多重存在。
「止まった時の中で動いた私の軌跡は、すべて『実体』として固定される。君が時の中で一撃を放つ間に、私は全方位から君を100回殴ることができる」
「……オー、ノー! こいつはとんでもないバケモノだ!」
ジョセフが叫ぶ中、承太郎は不敵な笑みを浮かべた。
「……フン、頼もしいぜ。地獄の最前線には、あんたのような死神が必要だ」
[太字][大文字]第5章:凍れる戦場への飛翔[/大文字][/太字]
1950年7月15日。
横須賀から飛び立った数機のC-2輸送機。その中には、自衛官としての肩書きを捨てた匠人、そして承太郎たちスタンド使いの精鋭部隊が乗っていた。
目標は、北朝鮮軍の「スタンド増幅研究所」が置かれた、極寒の長津湖(チョシンコ)周辺。
そこでは、ソ連が遺した「未来の技術」と、人の精神を悪魔に変える「スタンド研究」が融合し、人類史上最も凄惨な地獄が完成しつつあった。
匠人は機内の窓から、夕闇に包まれる朝鮮半島を見つめた。
あと36話。この戦争が終わり、自分が再び艦橋に立つ日は来るのか。それとも、この力と共に歴史の塵となるのか。
「……行こう。星の宿命を終わらせるために」
匠人の『ネオ・ジェネシス』が黄金の光を放ち、輸送機のハッチが開いた。
高度8000メートルからのダイブ。
パラシュートを開く間もなく、匠人たちは自らのスタンドを翼に変え、戦火の渦巻く大地へと降下を開始した。
青く輝く海を背景に、歴史上類を見ない「超法規的軍事会議」が執り行われていた。統合幕僚監部の重鎮たち、そして山本五十六元帥、さらにはアメリカから急遽飛来したトルーマン大統領の特使までが顔を揃える中、その会議の焦点は、兵器でも弾薬でもなく「精神(スタンド)」に絞られていた。
世界で3億人が目醒めた生命エネルギーのヴィジョン。それは核兵器をも凌駕する「戦略兵器」としての価値を剥き出しにしていた。
[太字][大文字]第1章:断罪の会議[/大文字][/太字]
会議室の空気は、物理的な重圧を伴っていた。参加者の多くがスタンド使いであり、無意識に放たれるプレッシャーが室内の温度を数度上げているかのようだった。
「……結論を申し上げます」
山本五十六が、沈痛な、しかし断固とした表情で書類を置いた。
「世界同時多発的に発生したこの『精神の力』は、もはや個人の所有物として扱うには危険すぎます。特に、共産圏においてもこの力が軍事利用され始めたという報告がある以上、我々に選択肢はありません。――スタンド能力保持者は、その能力の特性に関わらず、全員を最前線部隊として編成・投入することが決定されました」
その決定は、個人の自由を完全に剥奪する「聖域なき動員」であった。特に、強力なスタンドを発現させた者は、一兵卒として戦場の最前線で肉を削り合う盾となることが求められたのだ。
匠人三等海佐は、その席で静かに立ち上がった。
「……それは、私も例外ではないということですね」
「そうだ、匠人君。君のスタンド『ネオ・ジェネシス』のスペックは、現存する全能力者の中でも群を抜いている。全項目Sという神の如き力……。君を護衛艦の艦橋に座らせておくのは、世界に対する損失だ。君には、一人の『スタンド使い』として、北朝鮮軍のスタンド部隊が跋扈する最前線の泥濘(ぬかるみ)へ向かってもらう」
「了解しました。……本日を以て、護衛艦『はぐろ』艦長の職を辞します」
匠人の言葉に、同席していた自衛官たちから動揺が走った。2026年の盾であった「はぐろ」を降りるということは、彼が「最新鋭のシステム」という守りを捨て、生身の精神力だけで死線へ潜ることを意味していた。
[太字][大文字]第2章:艦長としての最期[/大文字][/太字]
会議後、匠人は最後の手続きのために、夕日に染まる横須賀港へ向かった。そこには、自分の半身とも言える護衛艦「はぐろ」が静かに停泊していた。
タラップを上がり、CIC(戦闘指揮所)を通り、艦長室へ向かう。すれ違う乗員たちは、既に決定事項を知っていた。彼らの目は、敬愛する艦長を失う悲しみと、死地へ向かう英雄への敬畏で潤んでいた。
「……最後のアナウンスを許可する」
匠人はマイクを握り、艦内に自らの声を響かせた。
『全乗員へ。私は本日、本艦を降りる。皆と共に海を渡り、歴史の荒波を越えてきた日々は、私の誇りだ。だが、世界は変貌した。今、最も危険な場所には、最も強い力を持つ者が行かねばならない。……「はぐろ」は、君たちのものだ。私が不在の間も、この艦が自由の盾であることを証明してくれ。……以上だ』
艦内全域から、嗚咽混じりの「敬礼!」という声が聞こえてきた。匠人は艦長帽をデスクに置き、代わりに支給されたばかりの、戦場での機動性を重視したタクティカル・ウェアに袖を通した。
腰には2026年製の拳銃、そして背後には、彼にしか見えない黄金の守護神――『ネオ・ジェネシス』が、静かにその時を待っていた。
[太字][大文字]第3章:星の十字軍、上陸[/大文字][/太字]
匠人がタラップを降りた時、そこには異様な集団が待っていた。
学ランを纏った冷徹な眼差しの青年、空条承太郎。
老練な風格の中に不屈の意志を秘めた、ジョセフ・ジョースター。
そして、花京院典明、モハメド・アヴドゥル、ジャン=ピエール・ポルナレフ……。
彼ら「星の十字軍(スターダスト・クルセイダース)」もまた、この世界の歪みに引き寄せられ、国連軍の特別前線部隊として徴用されていた。
「あんたが、全能力Sのスタンド使いか」
承太郎が帽子のつばを指で上げ、匠人を射抜くように見た。
「……やれやれ。軍人の規律ってやつは、俺の性分には合わねえが、あんたの背後にいる『ソレ』は、本物の匂いがするぜ」
「……匠人と呼んでくれ。今日から私も、君たちと同じ、泥にまみれる一人の兵士だ」
匠人は、承太郎の手を固く握った。現代の軍事技術と、エジプトを旅した宿命の戦士たち。彼らが一つの部隊として編成され、共産圏のスタンド部隊が待ち構える朝鮮半島へと送り込まれる。
ジョセフが、機械の義手で地図を広げた。
「いいかい、匠人君。北朝鮮側には、自衛隊の技術とスタンド能力を掛け合わせた、サイボーグ型のスタンド使い『シュトロハイム・改』が率いる特殊部隊が展開しているという情報がある。奴らは精神の力を化学的に増幅させている。……まともな戦いにはならないだろうよ」
「……望むところです」
匠人の瞳に、かつての冷静な艦長の光ではなく、一人の戦士としての闘志が宿った。
[太字][大文字]第4章:能力の極致 ―ゼロ・ディレイの試射―[/大文字][/太字]
部隊が輸送機に乗り込む直前、港の空き地で訓練が行われた。匠人の能力を、承太郎たちに見せておく必要がある。
「承太郎、君の『スタープラチナ』で私を殴ってみてくれ。全力でだ」
「……本気か? 骨も残らねえぜ」
承太郎の背後からスタープラチナが現れ、マッハを越える速度で拳を繰り出した。
その瞬間、匠人は『ザ・ワールド』を発動させ、時を止めた。
止まった世界の中で、匠人は承太郎の拳を紙一重で回避し、空中に指で文字を書くように動作を「予約」した。
能力2:『ゼロ・ディレイ(遅延なき執行)』。
時が動き出した瞬間、承太郎の拳は空を切り、逆に承太郎の腹部には「既に受けた衝撃」が炸裂した。承太郎が「攻撃を空振った」と認識するよりも早く、ダメージという結果が肉体を支配したのだ。
「……なっ!? 何が起きた……!? スタープラチナが、反応できなかっただと?」
承太郎が膝をつき、驚愕の表情を浮かべる。匠人は静かに言った。
「これが『因果の逆転』。そして……」
匠人が軽く手を振ると、承太郎の周囲に、匠人の実体を持った「残像」が10人、同時に現れた。
多機能型能力:多重存在。
「止まった時の中で動いた私の軌跡は、すべて『実体』として固定される。君が時の中で一撃を放つ間に、私は全方位から君を100回殴ることができる」
「……オー、ノー! こいつはとんでもないバケモノだ!」
ジョセフが叫ぶ中、承太郎は不敵な笑みを浮かべた。
「……フン、頼もしいぜ。地獄の最前線には、あんたのような死神が必要だ」
[太字][大文字]第5章:凍れる戦場への飛翔[/大文字][/太字]
1950年7月15日。
横須賀から飛び立った数機のC-2輸送機。その中には、自衛官としての肩書きを捨てた匠人、そして承太郎たちスタンド使いの精鋭部隊が乗っていた。
目標は、北朝鮮軍の「スタンド増幅研究所」が置かれた、極寒の長津湖(チョシンコ)周辺。
そこでは、ソ連が遺した「未来の技術」と、人の精神を悪魔に変える「スタンド研究」が融合し、人類史上最も凄惨な地獄が完成しつつあった。
匠人は機内の窓から、夕闇に包まれる朝鮮半島を見つめた。
あと36話。この戦争が終わり、自分が再び艦橋に立つ日は来るのか。それとも、この力と共に歴史の塵となるのか。
「……行こう。星の宿命を終わらせるために」
匠人の『ネオ・ジェネシス』が黄金の光を放ち、輸送機のハッチが開いた。
高度8000メートルからのダイブ。
パラシュートを開く間もなく、匠人たちは自らのスタンドを翼に変え、戦火の渦巻く大地へと降下を開始した。