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鋼鉄の時空:朝鮮半島1950 ―凍れる咆哮―

#1

第1話:偽りの静寂(しじま)

2026年の日本列島が1942年に転移し、第二次世界大戦を強制終了させてから7年。世界は「未来の技術」を強引に飲み込み、歪な進化を遂げていた。日本は平和の象徴として君臨していたが、その技術の断片は、冷戦の影に潜む野心家たちの手にも渡っていた。
[太字][大文字]第1章:赤い影の胎動[/大文字][/太字]
1950年6月初頭、護衛艦「はぐろ」の艦長、匠人(たくと)三等海佐は、横須賀の統合司令部で戦慄していた。2026年製の偵察衛星が送ってきた画像には、北緯38度線に集結する北朝鮮軍の異様な軍容が映し出されていた。
「……ソ連製T-34/85。だが、この装甲の質感、そして不自然なほど長い砲身は何だ?」
匠人の懸念は的中していた。かつてナチス・ドイツが自衛隊から盗み出したデータの一部がソ連へ流出し、彼らはわずか数年で「1950年代には存在しないはずの複合装甲」と「高初速砲」を実用化させていたのである。歴史の修正力は、共産圏の軍事力を異常な速度で引き上げていた。
[太字][大文字]第2章:38度線の崩壊[/大文字][/太字]
1950年6月25日、午前4時。
朝鮮半島の静寂は、数千門の重砲撃によって粉砕された。北朝鮮軍による南進の開始である。
「報告! 敵地上軍、38度線を越え侵攻開始! 敵戦車部隊は我が方の電子妨害を回避。……韓国軍の通信網、完全に沈黙しました!」
「はぐろ」のCIC(戦闘指揮所)に緊張が走る。敵は自衛隊の戦術を学習しており、開戦と同時に高度な電波妨害を展開。韓国軍を孤立無援のパニックへと叩き落とした。ソウル陥落まで、もはや猶予はない。
[太字][大文字]第3章:平和の番人、再び[/大文字][/太字]
日本政府内では慎重論が渦巻いたが、匠人は確信していた。ここで引けば、自分たちが築いた「新しい平和」は崩壊すると。
「……長官、我々は『盾』としてここに来たはずです。目の前の虐殺を見過ごせば、それはもはや盾ではない」
匠人の直訴に、存命の山本五十六元帥が頷いた。「……匠人君、行け。責任は私が持つ」。
政府の承認が下りると同時に、横須賀から巨艦が滑り出した。旗艦「しなの」、護衛艦「はぐろ」、そしてイージス艦「まや」「あたご」。
「総員、第一種戦闘配置。これより国連軍先遣隊として朝鮮海域へ急行する!」
[太字][大文字]第4章:海面下の刺客[/大文字][/太字]
上空では、「しなの」の電磁カタパルトから射出されたF-2戦闘機の編隊が、アフターバーナーを輝かせて西へ消えていった。
しかし、前進を続ける「はぐろ」のソナー室から、鋭い警告音が響く。
「艦長! 艦首方向、深度150に不明の音紋感知! 静粛性が極めて高い……自衛隊の『たいげい型』に酷似したスクリュー音です!」
匠人は唇を噛んだ。ソ連は潜水艦の静粛性までも、未来のデータから模倣していたのだ。
「……待ち伏せか。やはり、一筋縄ではいかんようだな」
2026年の技術対、1950年の「模倣された未来」。
極寒の海で、新たな戦いの火蓋が切られようとしていた。

作者メッセージ

今回から、新シリーズ(鋼鉄の時空の次作)を公開します!代替40話ぐらいにして書く予定なので、長編になります!
では〜

2026/02/13 11:07

taku203503
ID:≫ 17/UklnAAecq6
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