1943年夏。ノルマンディーからパリ、そしてライン川を越える自衛隊の進撃は、もはや「戦闘」ではなく「歴史の断罪」であった。
最新鋭の10式戦車とAH-64Dアパッチが巻き上げる土埃は、ナチス・ドイツの野望を容赦なく塗りつぶしていく。
ベルリン、総統地下壕。
地上ではF-2戦闘機のソニックブームが絶え間なく響き、空自の精密爆撃によって防空陣地はすでに沈黙していた。
[太字][大文字]第1章:禁断の「報復兵器」[/大文字][/太字]
地下壕の最深部、赤暗い照明の下でアドルフ・ヒトラーは狂気に憑りつかれた目でモニターを凝視していた。
そこには、自衛隊の残骸から回収された技術を無理やり流用し、ドイツの化学力を結集して造り上げた「究極の報復兵器」の起動コンソールがあった。
「……未来の日本が、我らを裏切った。ならば、この世界ごと灰にするまでだ」
ヒトラーの指が、巨大な赤いボタンにかかる。
それは、自衛隊のミサイル技術を模倣した多段式V2ロケットに、当時開発中だった神経ガスと、不完全ながらも強烈な放射能を放つ「汚い爆弾(ダティ・ボム)」を搭載した、人道に反する悪魔の兵器であった。
「総統、おやめください! これを放てば、欧州は二度と人が住めぬ地となります!」
側近の将校が叫ぶが、ヒトラーは耳を貸さない。
「黙れ! 我らが勝てぬ世界に、価値などない!」
[太字][大文字]第2章:裏切りの銃声[/大文字][/太字]
その時だった。
地下壕の重厚な扉を突き破るかのような地響きが轟いた。護衛艦「はぐろ」から放たれた、地中貫通爆弾(バンカーバスター)による精密打撃の余波だ。
「……終わりだ」
ヒトラーがボタンを押し込もうとしたその瞬間、乾いた銃声が室内に響いた。
崩れ落ちるヒトラー。その背後に立っていたのは、自衛隊の圧倒的な「現実」を目の当たりにし、これ以上の無益な殺戮を止めようとした一人の若き親衛隊将校だった。
「……我々の誇った第三帝国は、80年後の『日本』という名の怪物に敗れたのではない。……自らの傲慢に敗れたのだ」
将校は銃を捨て、そのまま膝をついた。コンソールの上には、ヒトラーの骸が横たわり、禁断のボタンが押されることはなかった。
[太字][大文字]第3章:ベルリン解放、そして――[/大文字][/太字]
地下壕の外では、ハッチを開けた10式戦車の機上から、自衛官たちがベルリンの空を見上げていた。
戦車隊の先頭には、ノルマンディーから不眠不休で駆け抜けた普通科部隊が整列している。
「……艦長。ベルリン、沈黙しました。ヒトラーの死亡を確認。ドイツ軍、無条件降伏の意向です」
護衛艦「はぐろ」のCICで、匠人三等海佐はその報告を静かに受け止めた。
「……終わったか。いや、終わらせたのか、私たちが」
ベルリン上空には、多機能型護衛艦「しなの」から発艦したF-2戦闘機が、勝利の旋回を行っている。その横には、米軍のP-51ムスタングと英軍のスピットファイアが、かつてない強固な絆で編隊を組んでいた。
[太字][大文字]第4章:新たな秩序の夜明け[/大文字][/太字]
数日後。
ベルリンの廃墟の街角で、自衛隊の炊き出しを待つドイツ市民と、彼らにパンを渡す米兵、そして交通整理を行う陸自隊員の姿があった。
1942年から始まったこの歪んだ戦いは、2026年の技術介入により、本来よりも数百万、数千万の命を救う形で終結したのである。
匠人は「はぐろ」の甲板に立ち、水平線の彼方に沈む夕日を見つめていた。
「……我々の知る歴史は、もうどこにもない。……ここからが、我々の造る新しい時代だ」
最新鋭の10式戦車とAH-64Dアパッチが巻き上げる土埃は、ナチス・ドイツの野望を容赦なく塗りつぶしていく。
ベルリン、総統地下壕。
地上ではF-2戦闘機のソニックブームが絶え間なく響き、空自の精密爆撃によって防空陣地はすでに沈黙していた。
[太字][大文字]第1章:禁断の「報復兵器」[/大文字][/太字]
地下壕の最深部、赤暗い照明の下でアドルフ・ヒトラーは狂気に憑りつかれた目でモニターを凝視していた。
そこには、自衛隊の残骸から回収された技術を無理やり流用し、ドイツの化学力を結集して造り上げた「究極の報復兵器」の起動コンソールがあった。
「……未来の日本が、我らを裏切った。ならば、この世界ごと灰にするまでだ」
ヒトラーの指が、巨大な赤いボタンにかかる。
それは、自衛隊のミサイル技術を模倣した多段式V2ロケットに、当時開発中だった神経ガスと、不完全ながらも強烈な放射能を放つ「汚い爆弾(ダティ・ボム)」を搭載した、人道に反する悪魔の兵器であった。
「総統、おやめください! これを放てば、欧州は二度と人が住めぬ地となります!」
側近の将校が叫ぶが、ヒトラーは耳を貸さない。
「黙れ! 我らが勝てぬ世界に、価値などない!」
[太字][大文字]第2章:裏切りの銃声[/大文字][/太字]
その時だった。
地下壕の重厚な扉を突き破るかのような地響きが轟いた。護衛艦「はぐろ」から放たれた、地中貫通爆弾(バンカーバスター)による精密打撃の余波だ。
「……終わりだ」
ヒトラーがボタンを押し込もうとしたその瞬間、乾いた銃声が室内に響いた。
崩れ落ちるヒトラー。その背後に立っていたのは、自衛隊の圧倒的な「現実」を目の当たりにし、これ以上の無益な殺戮を止めようとした一人の若き親衛隊将校だった。
「……我々の誇った第三帝国は、80年後の『日本』という名の怪物に敗れたのではない。……自らの傲慢に敗れたのだ」
将校は銃を捨て、そのまま膝をついた。コンソールの上には、ヒトラーの骸が横たわり、禁断のボタンが押されることはなかった。
[太字][大文字]第3章:ベルリン解放、そして――[/大文字][/太字]
地下壕の外では、ハッチを開けた10式戦車の機上から、自衛官たちがベルリンの空を見上げていた。
戦車隊の先頭には、ノルマンディーから不眠不休で駆け抜けた普通科部隊が整列している。
「……艦長。ベルリン、沈黙しました。ヒトラーの死亡を確認。ドイツ軍、無条件降伏の意向です」
護衛艦「はぐろ」のCICで、匠人三等海佐はその報告を静かに受け止めた。
「……終わったか。いや、終わらせたのか、私たちが」
ベルリン上空には、多機能型護衛艦「しなの」から発艦したF-2戦闘機が、勝利の旋回を行っている。その横には、米軍のP-51ムスタングと英軍のスピットファイアが、かつてない強固な絆で編隊を組んでいた。
[太字][大文字]第4章:新たな秩序の夜明け[/大文字][/太字]
数日後。
ベルリンの廃墟の街角で、自衛隊の炊き出しを待つドイツ市民と、彼らにパンを渡す米兵、そして交通整理を行う陸自隊員の姿があった。
1942年から始まったこの歪んだ戦いは、2026年の技術介入により、本来よりも数百万、数千万の命を救う形で終結したのである。
匠人は「はぐろ」の甲板に立ち、水平線の彼方に沈む夕日を見つめていた。
「……我々の知る歴史は、もうどこにもない。……ここからが、我々の造る新しい時代だ」
- 1.第1話:群青の予兆
- 2.第2話:鋼鉄の洗礼
- 3.第3話:邂逅、そして混迷
- 4.第4話:深海の静かなる狩人
- 5.第5話:集結、そして決断
- 6.第6話:巨艦、対峙
- 7.第7話:ミッドウェー・フリーズ
- 8.第8話:鋼鉄のカーテン・2026
- 9.第9話:鋼鉄の苗床
- 10.第10話:蒼焔の翼、本土防衛
- 11.第11話:降臨、大いなる列島
- 12.第12話:孤立する「自由の砦」
- 13.第13話:蒼穹の騎士道
- 14.第14話:ワシントンの邂逅
- 15.第15話:巨神降臨、ハワイ沖
- 16.第16話:鋼鉄の怒涛、ノルマンディー
- 17.第17話:黒十字の幻影と「陸の王者」
- 18.第18話:狂気の終焉、ベルリンの落日
- 19.最終話:鋼鉄の黎明
- 20.番外編:鋼鉄の福音 ―植民地主義の終焉―