1943年夏。ハワイを奪還し、太平洋の憂いを取り除いた米英日連合艦隊は、ついに大西洋へとその矛先を向けた。目標は一つ。欧州大陸を掌握し、世界を恐怖で塗りつぶそうとする新枢軸の心臓部、ナチス・ドイツの占領下にあるフランス・ノルマンディー海岸である。
歴史上の「オーバーロード作戦」は1944年だったが、2026年の技術介入により、歴史は1年前倒しで動いていた。
[太字][大文字]第1章:史上最大の艦隊[/大文字][/太字]
イギリス海峡。荒れ狂うドーバーの荒波を突き進むのは、数千隻の輸送船……ではない。その先頭を突き進むのは、令和の技術が結集した最強の先遣部隊だった。
多機能型護衛艦「しなの」を筆頭に、「いずも」「かが」の空母打撃群。そして、イージス艦「はぐろ」「まや」「あたご」「あしがら」が、鉄のカーテンとなって背後の米英輸送船団を護衛している。
「艦長、オマハ・ビーチ沖に到達。敵、海岸砲台からの射撃を確認!」
「はぐろ」の艦橋で、匠人三等海佐は冷静にモニターを見つめていた。
「……対艦・対地ミサイル、および127mm速射砲による精密打撃開始。敵の陣地だけを潰せ。背後の街には一発も落とすな」
「了解! ターゲット、アトランティック・ウォール(大西洋の壁)! 射撃開始!」
ドォォォォン――ッ!!
「はぐろ」の速射砲が、1943年の常識を遥かに超える連射速度で火を噴いた。現代の精密誘導弾が、コンクリートで固められたドイツ軍の要塞をピンポイントで次々と粉砕していく。
[太字][大文字]第2章:F-2、電磁の咆哮[/大文字][/太字]
「『しなの』より入電! F-2戦闘機隊、全機発艦開始!」
「しなの」の広大な甲板で、電磁カタパルトが青白い火花を散らした。
キィィィィィィン――ッ!!
重量級の対地ミサイルを翼下に懸吊したF-2戦闘機が、次々とドーバーの空へ放たれる。
上空では、迎撃に上がってきたドイツ軍の最新鋭機(フォッケウルフ Fw190等)が、F-2の敵ではなかった。
「こちらF-2編隊長。……ターゲット、海岸背後の装甲師団。……12式地対艦誘導弾(改)の対地転用モード、発射!」
雲を突き抜けて急降下したF-2が、レーザー照射で目標をロック。
数マイル先から放たれた誘導弾が、タイガー戦車の砲塔を正確に貫き、ドイツ軍の反撃戦力を陸に上がる前に瓦解させていく。
[太字][大文字]第3章:砂浜の解放[/大文字][/太字]
「……いけるぞ。海兵隊、突撃!」
匠人の号令とほぼ同時に、米英の兵士たちが乗ったLCVP(上陸用舟艇)が海岸に乗り上げた。
歴史上のノルマンディーのような、凄惨な流血はそこにはなかった。自衛隊の徹底的な「事前掃除」により、ドイツ軍の重機関銃座は沈黙し、地雷原は空からの精密爆撃で全て爆破されていた。
「サンキュー、ジャパニーズ!」
浜辺を駆ける米兵たちが、上空を低空飛行で通過するF-2に向かってヘルメットを振る。
しかし、その勝利の熱狂を切り裂くように、内陸部から不気味な飛行音が響いてきた。
「艦長! 内陸、パリ方面より高速移動物体を確認! 速度マッハ1.5……!? これは、V2ロケットではありません。……形状、デルタ翼。……まさか、ドイツも『未来の技術』を完成させたのか!?」
「……何だと?」
匠人の顔が強張る。
ノルマンディーの空に現れたのは、ナチス・ドイツが自衛隊の残骸やデータを盗み出し、狂気の執念で造り上げた「史上初のジェット戦闘機」の完成形だった。
歴史上の「オーバーロード作戦」は1944年だったが、2026年の技術介入により、歴史は1年前倒しで動いていた。
[太字][大文字]第1章:史上最大の艦隊[/大文字][/太字]
イギリス海峡。荒れ狂うドーバーの荒波を突き進むのは、数千隻の輸送船……ではない。その先頭を突き進むのは、令和の技術が結集した最強の先遣部隊だった。
多機能型護衛艦「しなの」を筆頭に、「いずも」「かが」の空母打撃群。そして、イージス艦「はぐろ」「まや」「あたご」「あしがら」が、鉄のカーテンとなって背後の米英輸送船団を護衛している。
「艦長、オマハ・ビーチ沖に到達。敵、海岸砲台からの射撃を確認!」
「はぐろ」の艦橋で、匠人三等海佐は冷静にモニターを見つめていた。
「……対艦・対地ミサイル、および127mm速射砲による精密打撃開始。敵の陣地だけを潰せ。背後の街には一発も落とすな」
「了解! ターゲット、アトランティック・ウォール(大西洋の壁)! 射撃開始!」
ドォォォォン――ッ!!
「はぐろ」の速射砲が、1943年の常識を遥かに超える連射速度で火を噴いた。現代の精密誘導弾が、コンクリートで固められたドイツ軍の要塞をピンポイントで次々と粉砕していく。
[太字][大文字]第2章:F-2、電磁の咆哮[/大文字][/太字]
「『しなの』より入電! F-2戦闘機隊、全機発艦開始!」
「しなの」の広大な甲板で、電磁カタパルトが青白い火花を散らした。
キィィィィィィン――ッ!!
重量級の対地ミサイルを翼下に懸吊したF-2戦闘機が、次々とドーバーの空へ放たれる。
上空では、迎撃に上がってきたドイツ軍の最新鋭機(フォッケウルフ Fw190等)が、F-2の敵ではなかった。
「こちらF-2編隊長。……ターゲット、海岸背後の装甲師団。……12式地対艦誘導弾(改)の対地転用モード、発射!」
雲を突き抜けて急降下したF-2が、レーザー照射で目標をロック。
数マイル先から放たれた誘導弾が、タイガー戦車の砲塔を正確に貫き、ドイツ軍の反撃戦力を陸に上がる前に瓦解させていく。
[太字][大文字]第3章:砂浜の解放[/大文字][/太字]
「……いけるぞ。海兵隊、突撃!」
匠人の号令とほぼ同時に、米英の兵士たちが乗ったLCVP(上陸用舟艇)が海岸に乗り上げた。
歴史上のノルマンディーのような、凄惨な流血はそこにはなかった。自衛隊の徹底的な「事前掃除」により、ドイツ軍の重機関銃座は沈黙し、地雷原は空からの精密爆撃で全て爆破されていた。
「サンキュー、ジャパニーズ!」
浜辺を駆ける米兵たちが、上空を低空飛行で通過するF-2に向かってヘルメットを振る。
しかし、その勝利の熱狂を切り裂くように、内陸部から不気味な飛行音が響いてきた。
「艦長! 内陸、パリ方面より高速移動物体を確認! 速度マッハ1.5……!? これは、V2ロケットではありません。……形状、デルタ翼。……まさか、ドイツも『未来の技術』を完成させたのか!?」
「……何だと?」
匠人の顔が強張る。
ノルマンディーの空に現れたのは、ナチス・ドイツが自衛隊の残骸やデータを盗み出し、狂気の執念で造り上げた「史上初のジェット戦闘機」の完成形だった。
- 1.第1話:群青の予兆
- 2.第2話:鋼鉄の洗礼
- 3.第3話:邂逅、そして混迷
- 4.第4話:深海の静かなる狩人
- 5.第5話:集結、そして決断
- 6.第6話:巨艦、対峙
- 7.第7話:ミッドウェー・フリーズ
- 8.第8話:鋼鉄のカーテン・2026
- 9.第9話:鋼鉄の苗床
- 10.第10話:蒼焔の翼、本土防衛
- 11.第11話:降臨、大いなる列島
- 12.第12話:孤立する「自由の砦」
- 13.第13話:蒼穹の騎士道
- 14.第14話:ワシントンの邂逅
- 15.第15話:巨神降臨、ハワイ沖
- 16.第16話:鋼鉄の怒涛、ノルマンディー
- 17.第17話:黒十字の幻影と「陸の王者」
- 18.第18話:狂気の終焉、ベルリンの落日
- 19.最終話:鋼鉄の黎明
- 20.番外編:鋼鉄の福音 ―植民地主義の終焉―