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【完結】虐げられている異母姉のことを、僕たちは知らなかった。

#89

第六章 真実(3)

「……なんか、大きな邸があって。それが燃えてた」
「大きな邸?……そんなん聞いたことないぞ。あそこ新代の管轄の近くだけどさ」
「そうだよね、何だろう。あと、謎と言えば———」
 凱は姉がいなくなったこと、その姉が[漢字]百鬼[/漢字][ふりがな]なぎり[/ふりがな]を知っているらしいこと、あとは父の上司である仁井戸があの現場にいたこと、彼によく分からないことを言われたことを斎に告げた。
「なんだそりゃ」
「こっちが聞きたいよ」
 斎の部屋に案内され「ちょっと菓子持ってくるから少し待っててな」と言われる。文字通り少しの間の後、斎は菓子を抱えて戻ってきた。
 二人で食べながら、凱は、最近考えている悪戯道具がどうのこうの、という斎の話をしばらく聞いていた。
 そんなことに頭を使っている暇があるならもっと良いことに生かすべきではと思うが、どうも斎の頭にその概念はないらしい。
「そういや凱の姉ちゃんいなくなったんだっけ? 大丈夫なの?」
 突然話題を変えてきた。
「大丈夫じゃないよ、母さんあれから荒れてるし、恥さらしって。———もう母さんがどうでもよくなってきたよ」
「俺、凱の姉ちゃん、探してみようか?」
 斎がそう提案してくる。
「申し出はありがたいけど、そもそも斎、姉さんに会ったことないでしょ。顔知ってるの?」
「うげっ、そうじゃん」
 斎が口をへの字にする。
「今日はもう遅いし、風呂入ってこよっかな。凱は? これから帰るの? 泊まってくの?」
「あー……」
 いつもより増して今日は家に帰りたくない。
「泊まってく。斎が出たら、お風呂借りるね」
「おう」
 ひらひらと手を振りながら、斎は部屋から出ていった。
 そして斎が出た後に凱も入り、二人で布団を並べて寝た。

「凱ー、帰んの? 大丈夫ー?」
「うん」
 翌日。母から「どこにいるの。帰ってきなさい」という式が来て、嫌々ながら帰ることにした。
 鳥居まで見送られ「またね」と別れようとする。
 斎を振り向くと、斎はふっと真剣な表情をした。
「……斎?」
 どうしたの、と聞く前に、
「俺、たった今 ハッと思いついたんだけどさ——」
 斎が[漢字]憮然[/漢字][ふりがな]ぶぜん[/ふりがな]とした顔でゆっくりと口を開いた。
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2025/10/24 16:02

錦野 真名
ID:≫ 49jonrKhevwZo
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