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【完結】虐げられている異母姉のことを、僕たちは知らなかった。

#83

第五章 異変(17)

「そんじゃ凱、またな。お前まで死ぬなよ」
「縁起でもないこと言わないでよ、……またね。」
 斎に挨拶して、蓮に伴われて鳥居の外に出た。

「あーあ、全然寝れなかったせいで寝不足だよ〜」
 [漢字]訃報[/漢字][ふりがな]ふほう[/ふりがな]が来たのは、夜中だった。寝ている途中で大きな[漢字]烏[/漢字][ふりがな]からす[/ふりがな]が知らせにやってきた。
 それを受けた蓮は、一瞬硬直して、深いため息を吐いた。
「覚悟はしてたけど、な。何で夕癸まで死にに行くのかなぁ」
 何とも言えず、凱はそっとぼんやりとそう言う蓮を見やった。

「———お前は、この前の泥棒の一味か?」
 しばらく歩いていると、誰かに声をかけられた。
 大柄な男だった。
 どこか見たことがあるような気がして、記憶を[漢字]辿[/漢字][ふりがな]たど[/ふりがな]る。
(———あ。)
 かなり前に、斎を万引き犯と決めつけてかかっていた、なぜか銃を持って凱たちを撃とうとしてきた、あの男だった。
 警察に行く、と馨が引きずって行ってから、その[漢字]顛末[/漢字][ふりがな]てんまつ[/ふりがな]をきちんと聞いてはいなかった。
「へ? 泥棒? 凱くんが?」
 蓮がぽかんとしたような顔をする。
「泥棒だ……! しかも自分の罪を隠して俺を警察に突き出そうとした!」
「出そうとした?」
「助かったのさ! たまたま担当していた警官が俺の仲間だったおかげで……!」
 不敵な笑みを浮かべて、男が捲し立てる。
「だいたい、あの髪と瞳の色がおかしい男はなんなんだ……! あの方に報告申し上げたら、すぐに殺せと言われたが、どこにも居ないしよ……!」
 馨は命を狙われていたのか。というよりあれ以来時折凱の家に来ていたのだから、馨はこのあたりにいたはずだ。どこにも居ないことはないだろう。
「……あの方?」
 蓮の雰囲気が一瞬にして変わったのが分かった。
 焦茶の瞳が、わずかに緑を帯びる。
「な、なんなんだよ……!」
 その威圧感に、男が怯む。
「———お前……いや、お前"たち"はいったい何を企んでいる? 何をしようとしている?」
 威圧感をそのままに、蓮が静かに問う。
 男はしばし蓮と凱を凝視し、そして[漢字]恍惚[/漢字][ふりがな]こうこつ[/ふりがな]とした表情を浮かべた。
「害を及ぼすものを滅し、誰もが幸せになる世界を作るためさ……! あの方はそれを望んでおられる、そしてあの方こそがこの世に平穏をもたらす存在なんだ……!」
 天を見つつ、両手を広げた。
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2025/10/20 07:20

錦野 真名
ID:≫ 49jonrKhevwZo
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