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【完結】虐げられている異母姉のことを、僕たちは知らなかった。

#71

第五章 異変(5)

「や〜凱、いらっしゃい〜」
 翌日学校に行くと、斎はクラスの子たちと話していた。凱に気づき、ひらひらと手を振る。
「おはよう。何の話してるの? 斎が悪戯していないなんて、珍しいんだね」
 凱がそう言うと、周りの子がぷっと笑う。
「へぇ!? ひどくね!?」
「いや、時庭くんの言う通りだと思うけど」
 いつも通り文句を言う斎に、別の子が突っ込む。
「そうだねー、中庭に馬小屋を建ててたの、もう忘れたの?」
「先輩たちの間でも噂になってたのにな」
「二個上の俺の兄貴も話題にしてたぞ」
「センセイも大変だなー」
 みんな口々に言う。言いたい放題だ。
「そんなふうに言わんといてくれよ〜、まだ怒られてない案件もたくさんあるのに」
 斎が机に突っ伏す。
「まあまあ。……あ、そうだ、カルタやらない? 僕、持ってるんだ」
 別の子が斎をなだめすかし、札を取り出す。確か[漢字]戸井[/漢字][ふりがな]とい[/ふりがな]という名前の子だ。
「なんでカルタなんて持ってきてるんだよ、先生に怒られるだろうが」
「なんでも何も、なんか[漢字]鞄[/漢字][ふりがな]かばん[/ふりがな]に入ってたの」
「わけわからん」
 その間に、カルタやる気満々な他の子たちががたがたと机を動かしてくっつける。
「えー、俺はやりたくねーよー、カルタは弱いんだ〜」
「そんなこと言わない。……あ、ほら、時庭くんもおいで」
 みんなの様子を見ていると、手招きされた。お言葉に甘えることにする。
「はーい、それじゃあ、僕が読み手やるね〜」
 そんなこんなで盛り上がり、ついには教師に見つかってカルタはめでたく取り上げられることとなった。

 そのあとはそれなりにいつも通りに過ごし、昼休みに差し掛かった。
 悪戯でもしに行ったのだろう、斎が行方不明なので凱は一人で弁当を広げていた。元より凱は人と交流するのが好きな性分ではない。
 不意に廊下でバタバタと音がした。
 不審に思い、凱は顔を上げた。
 他のみんなも同じように感じたか、廊下の方向を見る。
 ばん! と音がして、教室に飛び込んできたのは斎だった。
「妖怪が来るぞ! 逃げろ!」
 飛び込んでくるや否や、斎は猛然とした様子でそう叫んだ。
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2025/11/07 14:30

錦野 真名
ID:≫ 49jonrKhevwZo
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