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【完結】虐げられている異母姉のことを、僕たちは知らなかった。

#70

第五章 異変(4)

「———おい! お前ら!何をしている!さっさと降りてこい!」
 下から誰かの怒号が聞こえる。教師だ。
「や、ばれた?えーせっかくいいところだったのにー」
 斎が残念そうにしながら降り始める。
「凱を[漢字]慰[/漢字][ふりがな]なぐさ[/ふりがな]めてたんですー!」
 斎が文句を言うのを聞きながら、凱も降りた。
「……新代、またお前か。確かに時庭を見てくれとは言ったが、こんな悪戯に巻き込めとは言っていない。時庭は、ついていく前に新代を止めてくれ」
「えー!?」
 ぶーっと唇を尖らせる斎に、反対に凱は肩を縮める。
「え、えっと、ごめんなさい……」
 教師は はぁ、とため息をつく。今日も今日とて 大変そうだ。
「時庭はまあいい。……新代。」
 教師は斎をまるで突き刺すように見る。
「はいぃ!?」
「お前は別だ。まずはこの梯子を外しとけ。あと、御両親にも話を通しておく」
「えー!? そんなのない! ありえない!」
 斎は文句を言うが、教師はため息をついて黙って歩き去っていってしまった。

 学校からの帰り際、姉に本でも買って行こうかと思い立ち、本屋に寄った。
 こういうのは久しぶりのような気がする。
 とりあえず良さげなものを一冊[漢字]選[/漢字][ふりがな]え[/ふりがな]り抜き、買った。本にしては少し値段が張るようだったが、気にはしなかった。
 夜が更けた頃に、姉の部屋に行った。
「姉さん? いらっしゃいますか?」
 戸を叩いてみたが、いないようだった。
 本を持ったまま、しばらく待つ。だが、来る気配は無さそうだった。
(どうしよう、これ、置いていこうかな)
 少し[漢字]逡巡[/漢字][ふりがな]しゅんじゅん[/ふりがな]する。結局、扉を少し開けて、その内側に本を置いておいた。
 それが、後に姉にとって大変なことになるとは思わなかった。
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2025/11/07 14:32

錦野 真名
ID:≫ 49jonrKhevwZo
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