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【完結】虐げられている異母姉のことを、僕たちは知らなかった。

#68

第五章 異変(2)

「いやー、いつ見てもいい景色ですなー」
 斎がのんびりと言う。
 木の半分ほどまで登ると、そこの木の枝には大ぶりな板がかかっていた。年明け早々、斎が作ったらしい。
 いろいろやらかしすぎて小遣いを事実上の永久停止にされていたのではなかったのか。本当に[漢字]懲[/漢字][ふりがな]こ[/ふりがな]りないらしい。
 二人でよいしょと枝に腰をかける。案外安定していた。それでもかなり怖い。
「ほら凱見ろよ、あっちの方向。俺ん家あるぜー」
 斎が指差した方向を見ると、確かにそこには[漢字]新代[/漢字][ふりがな]にいしろ[/ふりがな]神社があった。
 拝殿や本殿、広い[漢字]杜[/漢字][ふりがな]もり[/ふりがな]がよく見える。
「というより、落ちない? 大丈夫かな?」
 足下のあまりの[漢字]覚束[/漢字][ふりがな]おぼつか[/ふりがな]なさに思わず聞いた。
「落ちない落ちない、ちょー大丈夫!」
 改めて足下を見ると、本当に何もない。結構高さがあるようだった。
「そんなことより、大丈夫かー? ここの秘密基地が[漢字]癒[/漢字][ふりがな]いや[/ふりがな]しになったら、いつでも来ていいぞー?」
 斎が聞いてくる。凱を共犯者にする気満々である。巻き込まないでほしい。
「うーん……」
 見晴らしのいい[漢字]此処[/漢字][ふりがな]ここ[/ふりがな]に来て、馨を見つけることはできるだろうか。じっと遠くを見つめた。
「……[漢字]馨[/漢字][ふりがな]かおる[/ふりがな]さんが、いなくなったこと?」
 不意に斎に聞かれる。
「あ……うん」
 うなずいた。
「そっかそっかー、結構突然だったもんな。あの人もひどいよなぁ。でも、いつか戻ってくるかもしれないだろ?」
「……そんな気がしないから悩んでるんだよ」
 最後に見た馨の背を思い出す。どこか、覚悟を決めているようだった。
「え? あ、そっか。霊力者って未来も見えるんだっけ?」
「未来はさすがに分からないよ。でも、普通の人と比べて勘は鋭くて正確なの」
「へー、そういうこと? そっか、そんじゃ、どうするん? [漢字]久世[/漢字][ふりがな]くぜ[/ふりがな]さんに無理言う? あ、でも久世さんも分かんなさそう」
「分かんないと思う、会えなくなるって言ってたし」
「そっかー」
 斎も黙り込む。
「あ、そうだ、どちらにせよ久世さんには会いにいかねぇ?」
「え?」
「だって、きっと兄ちゃんいなくなって寂しがっているだろ」
「あー、うん、でも、久世さんってどこに住んでるの」
「んー、わからん、まあ見つかるっしょ」
 なんて楽観的なのだろうか。
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2025/11/07 14:33

錦野 真名
ID:≫ 49jonrKhevwZo
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